『第24回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:12月5日


 いよいよG1戦線クライマックス、全日本選抜が開幕する。第24回を迎える本大会だが、特別競輪の最終戦となってからというもの、グランプリを巡る最後の戦いとして幾度となく好勝負が繰り広げられてきた。今年も賞金レースは大混戦。トップクラスの真剣勝負から目が離せない。
 明日(6日)は、西武園クラブ選手によるお出迎えと09年競輪カレンダーの配布(先着1,000名様)。9時45分からは開会式。6R、8R終了後には伊東勤さんと小池和博さんによるトークショー、3Rと7R終了後にはチャリティオークションと多彩な催し物が予定されています。また、期間中毎日、5千円分の未確定車券でチャレンジできる抽選会を実施。明日の景品はSONYブルーレイディスクレコーダーです。交通便利な西武園競輪場にぜひお越しください。



<1R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   海老根恵太(写真)は、「結構多いんですよ」と話すオープニングレースの1番車。前回の花月園記念では積極的な競走で三連対と状態は上向いているよう。
 「花月園の前までしっかり練習していたし、(花月園では)意識して先行するレースができましたね。ここ(西武園)が先行有利なバンクだから、それに向けて意識して駆けたというのもあります。以前に走ったとき、まくりに回って車が出なかった覚えがあるんで、今回も積極的にいきたい」
 三宅達也は、地元記念を未勝利で終えてしまった。
 「玉野記念の前からセキが出ていたんですけど、走り終わった直後から高熱が出て散々な目に遭いました。一気に上がってすぐ下がったんですけど、一時は寝たきりみたいになりました。急仕上げで来たけど、自転車には乗れたので問題ないと思います。玉野に向けて乗り込んでいたので、その成果が出てくれれば…」


<2R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   申し分ない近況の浅井康太(写真)だが、充実した練習でさらにパワーアップ。
 「加藤慎平さんや柴崎兄弟と合宿してきました。内容もですけど、いつもと違った感じで練習できたので、息抜きにもなって楽しかったですよ。今回はG1だけど、戦法にこだわるんじゃなく、いつも通り展開に応じて走りたい」
 大ケガからの復帰戦となる佐々木則幸は、「練習はできてるんですけど、どうしてもレース勘という部分で(反応が)遅れてしまうと思う。今までも、復帰戦は良くないことが多かったですからね。先行で戻していければベストなんですけど、ただ逃げるだけじゃ後ろの人にも迷惑をかけてしまうので、どうすれば力を出し切れるか考えて走ります」


<3R>
 久しぶりに笑顔を見せる菊地圭尚。11月取手Sから使っている新フレームで好感触をつかんだ。
 「以前に乗っていたフレームに比べて、踏み出しが軽いですね。一歩目が楽なので、イメージも良くなりました。体の状態はようやく元に戻ったし、最近は練習もできているので不安はありません」


<4R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
   関東ラインを牽引する矢口啓一郎(写真)は「西武園は何度も走ってるし、相性は悪くないバンクだと思います。明日は付いてくれる人がいるし、しっかり走りたい。自分のレースで勝ち上がりたいですね」と気合を入れる。


<5R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   村上義弘(写真)は闘志漲る引き締まった表情。好回転を見せた伊東記念そのままの勢いを持ち込んできた。
 「今日、スーツを着てきたんですが、ズボンをはいた時、久々にパチンパチンに張ってたんです。調子いい頃は、しゃがんだ途端に破けたこともあるんですが、最近はゆるゆるやったから(笑)、今回はちょっと楽しみです。調子が上がっているという実感の中でG1を走るのは久しぶりだし、何もせず負けるぐらいなら、力を出し切りたい。まだ先行でやり残したこともあると思うから」


<6R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   稲垣裕之は番組の中に、菅田壱道の名前を見つけてニヤリ。
 「前回やられましたからね。リベンジしますよ。玉野記念は散々な成績になってしまったけど、その前に一人で合宿に行った疲れが残っていたのかもしれません。反省点はいくつもありますけどね。ここは思い入れのあるバンクやし、(初めてG1の決勝戦に乗って)すごく感動しました。忘れられない場所ですね。またここで特別を走れるのは嬉しいし、初心に帰って積極的な競走を心掛けます」
 菅田壱道(写真)は稲垣の言葉を聞いて、「この前はタマタマですよ」と恐縮しきり。
 「そっとしててほしいです(苦笑)。調子は悪くないと思うし、自分でも実感はあるけど、展開が向いて先行できた時に結果を残せているだけで、自分の形にならなかった時にどうするかが課題なんです。G1は初めてですが、自分のレースで頑張りたい。(齋藤)登志信さんとは10月函館Sで連係してワンツーを決めています」


<7R>
 大塚健一郎は、菅原晃との同県タッグで強敵に立ち向かう。
 「初日から(菅原と)一緒になれるとは思わなかった。相手は強いけど、僕らとしてはやりやすいと思います。このところパッとしないけど、膝にメスを入れてから初めて経験する冬なので、慎重になっている部分はあります。ちょっとピリッとしたりしてるし気を付けないと」


<8R>
紫原政文選手
紫原政文選手
   賞金争い渦中の人・紫原政文(写真)は平常心を強調。ベテランらしく落ち着いた様子で明日への意気込みを語る。
 「周りには『もう確定』と言われるけど、自分では全くそう思ってないし、逆転されるケースもあるので気は緩めてません。結局、ここで決勝に乗らないと無理だと思うし、自分で(優参を決めて)グランプリを勝ち取りたい。そのためには、目の前のレースを勝っていくしかないんですよ。だから緊張はありません」


<9R>
太田真一選手
太田真一選手
   太田真一(写真)は泰然自若。地元ビッグを前にして余裕すら感じさせながら明日への戦いに向けた整備に没頭する。
 「もうガツガツする歳でもないですからね(苦笑)。人の後ろを走る以上、展開に左右されるのは間違いないし、それは運みたいなものですから。もちろんチャンスが来た時にはモノにできるだけの脚は作ってきたつもりです。やるべき事は全てやってきました。飯野君とは何度か連係したこともあるし、相性もいいんですよ。付きやすいタイプですね」
 花月園記念を欠場した村上博幸は「恥ずかしいですが、急な腰痛で休みました。前日まで練習していたんですが、感じが良くてやり過ぎちゃったかもしれません。(花月園の)3日目まで寝込んでいたので、今回も出られるかどうかって感じでしたけど、自転車に乗ってみたらタイムも良いし、案外やれるかもしれません。ハリを作りたかったので直前まで乗ってきたので、感じは日に日に良くなると思います。強気に中団以上の位置で勝負したいですね」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   小嶋敬二(写真)は「ここもだけど、次に向けて考えながら走る」と広い視野で全日本選抜を捉える。
 「賞金は、ほぼ大丈夫でしょう。今回はしっかり勝ち上がっていくことがテーマ。もちろんしっかり調整してきていますけどね。競輪学校で武田(豊樹)や村上(義弘)と練習してきました。実は二年連続でグランプリに乗ったことがないんですけど、決勝に乗って自分で決めちゃいたいですね。やっと乗ったっていうのは嫌だから」
 当落線上ギリギリの佐藤友和だが、笑顔と余裕の表情。焦りはみじんも感じられない。
 「結局、賞金で同じぐらいの位置にいる人はみんな条件が同じだし、結局はこの全日本選抜で優勝か決勝に乗らないと無理。そう考えると焦る必要はないじゃないですか。周りに色々気を使わせてしまってますけど、明日の走りで『これなら大丈夫だ』と思ってもらえるように頑張ります。伊東記念は状態的に良い走りができる感じがしなかったので欠場しました。花月園からは1日ぐらいしか練習してないんですけど、問題はありません」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   ここまで全てのG1で決勝に進出している山崎芳仁(写真)。当然、ここも優参してパーフェクトを狙う。
 「調子は玉野記念の時と変わらずですね。いつも通りの競走で、まずは決勝に乗りたい。(佐藤)友和が乗ったらどうすると聞かれたりするけど、まずは自分が(決勝に)乗らなきゃ始まらないし、人のことをどうこうしているような余裕もないですからね。人気に応えることが先決です。全部の(特別の)決勝に乗って安定感をアピールしたい」
 渡部哲男はようやく不振から立ち直るキッカケをつかんだ。
 「ここ何場所かは良い感じで走れています。ずっと3・57で回して走るのが合っていると思っていたんですけど、今の自分の状態だとギヤが足りないという感覚になれているし、年齢と共に体の感覚が変わっているのにも対応できるようになってきた」


<12R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   押しも押されもしない輪界の顔・伏見俊昭(写真)は失格を喫した前走の伊東記念のリベンジを誓う。
 「京王閣記念を風邪で欠場しましたが、その後に走ったふるさと広島は、今にして思うとやっぱり本調子ではなかったですね。今回はモチベーションをどこに置いて、それをどう保つかがテーマになりますね。ここまで色々な用事はあったけど、しっかり地元で練習はしてきました。ここを良い感じで走りきれば、グランプリに向けて繋がっていくでしょう。伊東で悔しい思いをしたので、その分も頑張らないと。去年はこの全日本選抜に出場できなかったので、チャンスがあればしっかり勝ち切りたい」
 地元のエースは平原康多。検車場に姿を現すと、すぐさま多数の報道陣に囲まれ思わず苦笑い。
 「本当は(しゃべるのは)得意じゃないんですよ。できればそっとしておいてください(苦笑)。グランプリのことも気にしてないし、地元のレースをしっかり走るだけです。平常心を保って、目の前に集中したい。体調は良い状態をキープできています」
 平原を援護する神山雄一郎は、「平原が優勝、俺が2着で(グランプリに)出られるのかな(苦笑)? 武田もビッグを取って良い位置まで来たし、楽しみだね。これで武田もまた強くなるだろうし、そうなれば俺のチャンスも広がるから。前回(宇都宮S)は風邪で欠場したけど、そのお陰でゆっくり仕上げられたので脚の状態は問題ないですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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