『第24回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 3日目編
配信日:12月8日
ボルテージは最高潮に! 第24回全日本選抜競輪は準決勝戦を迎えた。力と力のぶつかり合いはまさに競輪の醍醐味。今年最後のタイトル戦は、「全日本選抜」の名にふさわしく各地から選りすぐりの強豪達が覇を競うこととなった。
最終日となる明日(9日)も多彩なイベントをご用意しました。3Rと6R発売中には武豊さんと中野浩一さんのトークショーを開催。未確定車券抽選会や後半レース発売中には解説者による予想会も。
ぜひ、決戦を生でご覧下さい。
<4R>
加倉正義選手
徹底先行型が不在で、各ラインとも難しい戦いを強いられた。位置取りを巡って激しい争いが繰り広げられたが、番手を奪取した
武井大介
が快勝。
「後ろになったら、早めに斬って他のラインの出方を見るつもりでした。もちろんカマシも考えてたけど、村上さんがなかなか押さえに来ないから焦りましたよ。自力を考えていたけど、豊田さんが離れ気味に来たので番手と決めました。加倉さんがまくってきているのが見えて、勢いが良かったのでゴール前は食われちゃったかなと思いましたよ」
加倉正義(写真)
はギヤを4.08に上げて勝負。渾身のまくりを放ったが…。
「結果的に坂上君を引き出すような動きになってしまいましたね。ちょっとギヤを上げ過ぎたかもしれません。出脚が重くて、重くて。いずれにしても、仕掛けたら後ろに自力型が入っているのは覚悟してた。ラインがあれば面白かったんだけど」
坂上樹大
は今シリーズ二度目の連がらみだが「最終ホームで内に差し込んだのが失敗。今日は予想外の展開になってしまった。一度は前に出てレースしたかった」と浮かない顔だ。
<5R>
松岡健介選手
松岡健介(写真)
が目の覚めるようなまくりで、もつれる前団を一蹴。飯嶋則之の追撃を退け今節二勝目。
「桐山君が踏むのに合わせて中団を取りに行っただけで、前の状況がどうなっているかは分からなかったですね。詰まったところから行きました。特にタイミングを取ったりもしなかった。でも、シンドかったですよ」
中川誠一郎
は前々に踏んだ攻撃が逆に仇となってしまった。
「中団を取るつもりで踏んだら、番手まで(内が)空いていたので行っちゃいました。桐山君が踏まなかったので詰まったし、考えながらだから反応も遅れてしまいましたね。中途半端な動きをしてしまった」
<6R>
南修二選手
石橋慎太郎は今日も不発。逃げる菅原晃を
村上義弘
が中団から鮮やかにまくって歓声を浴びた。
「踏み出しは悪くなかったと思うけど、(3.57なので)人よりも多く回さないと行けないから、ゴール前はバタバタしてしまいました。菅原君が先行する雰囲気なので出させましたけど、周回中の感じによっては突っ張りも頭にありましたね」
南修二(写真)
は小野俊之のブロックでからまれたが、離れながらも懸命に追走して2着を確保した。
「小野さんが持ってくるのは分かってたし、来られたときも踏みながらだったので余裕はありましたよ。必死やったけど、2着に入れて良かった」
石橋慎太郎
は大きなため息。「勝てる気がしないですね。前がスピードに乗っちゃってから仕掛けてる。ホームとかでも行けたんだろうけど、体が反応してくれない」。
<7R>
合志正臣選手
グランプリ出場に向けてギリギリの戦いが続く
紫原政文
。今日は自らまくって2着。明日の特別優秀戦に勝ち上がり、決勝戦の結果を見守ることになった。
「ホームでグッと車間が詰まって焦ったんですけど、気持ちでまくりに行きました。自分のタイミングじゃないので(差されたのは)仕方がない。やっぱりドキドキしますね」
合志正臣(写真)
は久々にG1戦で勝ち星を挙げて笑顔を見せる。
「紫原さんが(グランプリが)懸かっているので、僕もすごく緊張しました。早めでも行くという話しだったので、どうにかして3着に入れるように仕事をしなきゃと思ってましたよ。今回は、直前に体調を崩して体重が4キロも落ちてしまい、踏んでも踏んでも車が進まない感じだったんですが、今日は余裕がありました。完全に戻るにはもう少しかかりそうですけどね」
<8R>
石毛克幸選手
中部コンビの内で井上昌己がイン粘り。短くなった隊列を友定祐己がまくると、
石毛克幸(写真)
がうまくスイッチしゴール前で抜け出した。
「どんな展開でも勝てればいい。今日は素直に嬉しいです。井上君が粘るのは以外でしたね。濱田君が良い勢いで仕掛けたので、出切られたら(勝つのは)厳しいなと思ったけど、2コーナーで止まっちゃったでしょう。それで友定君が行ったんでしょうけど、金子さんが合わせてくれてラッキーでした」
濱田浩司
は絶好の展開になったが…。「もらったと思ったんですけどね。仕掛け所もバッチリやったし、踏み出した瞬間は行けると…」と首を傾げる。
<9R>
新田康仁選手
初日、二日目と全く良いところがなかった
新田康仁(写真)
だが、ようやく本来の俊敏な動きがよみがえった。
「やっとですね。力を出し切るレースができました。平原君が前受けになった時点で、こういうレースになると思った。すかさず仕掛けられました」
番手有利に二勝目の
松坂英司
は「さすが新田さんですね。素晴らしい仕掛けでした。流れがいいというより、全て前で戦ってくれてる人のおかげです」と恐縮しきり。
平原康多
は「今日はまず突っ張って、別のラインが仕掛けたらさらに合わせて踏むつもりでした。とにかく先行したかったんですけど、市田さんがあんなに踏んでくるとは予想外でした」と、またも4着に終わったレースをふり返る。
<10R>
海老根恵太選手
兵藤一也選手
準決勝はのっけから出入りの激しいレースとなった。永井清史が渡邉一成を突っ張ると、スルスルと内を上昇した
海老根恵太(写真)
はインから山田裕仁をさばき番手奪取。4コーナーから早めに踏み込み、久しぶりのG1決勝進出を決めた。
「長かったですね。(G1の決勝は)3年ぶりぐらい。親王牌以来ですね。今日はイン粘りを狙っていた訳じゃないんですが、前が空いていたので腹をくくって踏みました。(渡邉)晴智さんが付いていたし、4コーナーからは早めに交わしに行きました。初日(先行で2着)の走りがつながりましたね。今回はずっと厳しいレースですけど、うまく流れに乗れています」
一方、海老根にさばかれた
山田裕仁
は「永井のダッシュに、楽に付いていきたくて外に差し込んだのが失敗。まるで内からしゃくってくれと言わんばかりに空けてしまった。何とか耐えたかったけど、出脚で遅れながらだったので…」と悔やむ。
しぶとく3着に食い込んだ
兵藤一也(写真)
は満面の笑み。
「大きいですね。海老根さんが粘る展開もあるのかなとは思ってました。(海老根が)早めに出てくれればもっと楽だったんだけど、堅く直線勝負されてしまったから危なかった。でも、勝負勘は問題ないし、うまく勝負所で体が動いていると思います」
<11R>
佐藤友和選手
武田豊樹選手
北ラインvs武田豊樹。軍配は北に挙がった。早めの動き出しからライン分断を狙った武田だが、岡部芳幸と激しくからんで後退。結局、番手から抜け出した
佐藤友和(写真)
が1着でゴール線を駆け抜け、グランプリ出場へ向けて大きく前進した。
「武田さんは自分のところで勝負してくると思ったんですけど、3番手でしたね。新田君が頑張ってくれたので何とか3着に残したかったんですけど、神山さんや稲村さんの動きが見えたので、仕方なく前に踏みました。石丸さんが仕掛けてくれれば持っていって止められたんだけど。(グランプリは)まだ何も考えてません。賞金で乗るのも難しいし、タイトルを獲って乗るのも厳しい。どっちも難しいなら、タイトルを獲って乗ろうと思って来ているだけですから」
敗れた
武田豊樹(写真)
だが、「今日はあのレースをしようと決めていました。とにかく北ラインに合わせて踏んで、スピードが合ったところで勝負。そこからのまくりが狙いだったんですけど、強気に攻めていこうという気持ちが強すぎたかもしれません」と肩を落とす。
佐藤に続き2着で入線したのは
石丸寛之
。これが初めてG1決勝進出だ。
「長かったですね。機は熟したかな(笑)。今日は北の後ろだと思ったし、最近は位置取りにも少しこだわっているので、うまく位置が取れたんだと思います。バックで佐藤君が前を残しにかかっていたので、車間が詰まって危なかった。せっかく乗れたんだし、隙があれば一発狙っていきたいですね」
三宅伸
が3着。
「詰まったので石丸の内に入ってしまいましたね。放り上げようかと思ったけどやめときました。石丸君は脚を使ってないだろうし、明日は思い切って行ってもらおうか(笑)」
<12R>
加藤慎平選手
山崎芳仁選手
最終レースでは
加藤慎平(写真)
が鮮やかに山崎芳仁の番手を奪い去り、返す刀で一気に差し切って優参。
「去年のダービー以来だから久しぶりですね。昨日は、なぜ準決勝で永井と一緒じゃないのかと少し苛立ったけど、すぐに与えられた番組で頑張るしかないと切り替えることができた。いずれにしても今日は番手勝負でしたね。調子が良いのは自分でも分かっていたので、タイトルを獲ったときのように体が動くままに走ろうと思ってました。全てがドンピシャでした」
山崎芳仁(写真)
は渋い表情で「他に先行してくる選手もいなかったので、僕のレースはこれしかなかったですね。ラインで決められなかったのは悔しい。状態は悪くないです」と語る。
山崎に叩かれた
荒井崇博
は諦めずに内を踏んで3着に踏み止まった。今シリーズは動きの良さが光っている。
「山崎が踏んでくるのが見えなかった。合わせるつもりで踏んだから(叩かれて)万事休すと思った
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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