『第25回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 初日編
配信日:8月1日
湿度ほぼ100%の蒸し暑さの中、全日本選抜競輪が開幕した。あいにく大粒の雨が降る時間帯もあり走路はスリッピー状態に。落車が多発する混戦の初日となった。
明日は仮面ライダーディケイドショーや子供用プールなど家族連れの皆様に楽しんでいただける催し物が行われます。縁日横丁など夏情緒満点の大垣競輪場にぜひお越しください。
<1R>
諸橋愛選手
オープニングレースは最終ホーム手前で4人が落車するアクシデントが発生。志村太賀の先行に乗った
諸橋愛(写真)
が直線鋭く追い込んだ。
「恵まれました。今日はそれだけですね。後ろがもつれて、何人か転んだのは分かりました。あとは後ろに入った市田(佳寿浩)さんがいつ仕掛けてくるのか気にしていました。落ち着いて走れたと思います。まだ初日だし、明日からもしっかり頑張ります」
志村ラインの三番手をキープした
市田佳寿浩
が2着に流れ込んだ。
「1回斬って中団と思っていたけど、志村君が突っ張りましたからね。飯野君がそれでも無理やり来るようなら番手も考えたけど、行かれないようにけん制しました。伊藤(保文)さんがいなくなったのが分かったし、仕掛けのタイミングを迷ってしまった」
先行した
志村太賀
は4着で二次予選に進出した。
「市田さんがあいまいな感じで踏んできたから、とりあえず突っ張りました。久しぶりの先行できつかったけど、落車もあったし、ツキがありますね」
<2R>
木暮安由選手
金山栄治が積極果敢に先行。中団を確保した木暮安由が力強くまくり切ると、
阿部康雄
がゴール前で鋭く差し切った。
「木暮君はいいブロックを2回もらっていたけど、それでもまくれるんだから、やっぱり強いですよ。自分は何か引っかかりがない感じでしたが、抜けたから悪くないでしょう」
木暮安由(写真)
はビッグレースで初めての連対を果たし、満足そうにレースを振り返る。
「上手く流れに乗って中団を取れました。悪いタイミングで仕掛けたけど、乗り越えられたし、調子はいいと思います。かみ合ってきた感じがするし、これで何か変わってくれればいいんですけどね」
濱田浩司
は直線外を強襲して3着に届いたが、表情は冴えない。
「打鐘で踏み遅れて木暮君に入られてしまった。木暮君がいいスピードでまくってくれたから3着だったけど、あれがなければ厳しかった。3コーナーからも全然詰まらなかったし、あまり身体が動かなかったです」
<3R>
中川誠一郎選手
先行した新田祐大の後位が大渋滞となった。前団のもつれを
中川誠一郎(写真)
が鮮やかにまくり切り、九州3車で上位独占を決めた。
「疲れはすごいあるんですが、流れがそれをカバーしてくれてますね。番手を取り切った木村(貴宏)さんはもう余力が残っていない感じだったし、持って来られないと思いました。余裕はあったし、自力で勝てて嬉しいです。今日は3・64のギアでかなり軽く感じたので、もしかしたら上げるかもしれません」
2着に流れ込んだ
松本大地
は中川を称える。
「前受けした方が選択肢は少ないですからね。今日は練習の脚を出してくれたし、こういうシンプルな競走の方が合ってますね。自分が千切れないように、しっかり付いていくだけでした。踏み出しがきつかったけど、何とか付いていけて良かったです。これで最終日まで走れますね」
<4R>
高木隆弘選手
北津留翼
が豪快なまくりで4走連続9着と最悪の流れを断ち切った。
「道中はどうしようかずっと考えていたんですが、ホームで緩んだのでそこで仕掛けました。正直、踏んでいる感じは苦しかったんですけど、何とか勝てて良かった。ネガティブになってしまった時もあったけど、これでスランプは脱出できそうです」
2着の
高木隆弘(写真)
は、石橋慎太郎の頑張りを称える。
「よく踏んでくれたね。今日は押さえて駆けたいと言ってくれてたし、安心して付いてましたよ。僕なら抜かれないと思って早めでも行ってくれるのかな(笑)。全日本は相性のいい大会だから、この調子で頑張りたいですね」
<5R>
南修二選手
松岡健介の仕掛けに乗って近畿勢が上位を独占した。1着は三番手から突き抜けた
南修二(写真)
。
「松岡さんは苦しいところを頑張っていたし、村上さんもしんどい展開でしたね。僕は三番手を楽に回っていたし、今日は展開で勝てただけ。ここに向けて特別な調整をしている訳ではないし、調子もいつも通りです」
村上博幸
は悔しそうな顔で「しっかり勝ちたかったね。今日は松岡さんとギアがかみ合わなかった感じ。調子は悪くないんで、次に向けて気持ちを切り替えます」。
<6R>
幸田光博選手
1着で到達した小野俊之が失格の判定。
幸田光博(写真)
が繰り上がって勝者となった。
「今年に入ってビッグレースで二次予選まで行けてなかったので嬉しいですよ。膝や腰に故障があって、なかなか思い通りに練習できない期間が続いてるんですが、そこを我慢してやっている成果が出ました。山口が逃さず行ってくれましたね」
<7R>
石毛克幸選手
四番手から好回転でまくった石毛克幸を
村本大輔
がゴール寸前で捕らえた。
「石毛が落ち着いて走ってくれました。まくりのスピードも良かったですね。久々にGIの勝ち上がりで勝てたから嬉しい。まだケガの影響は残っているけど、ワンツーが決まって良かったです」
カマしてきた矢口啓一郎の番手にはまった
東口善朋
は3着で二次予選に勝ち進んだ。
「後ろから押さえて、番手で粘るか、四番手を取るか、その両面策で考えていました。(矢口の)後ろがいないのが分かったし、上手く番手に入れました。前々に踏んでいけたし、調子はいいと思います。大井(啓世)さんと一緒に勝ち上がれなかったのが残念ですね」
カマシ先行で4着に粘った
矢口啓一郎
はこうレースを振り返る。
「ギアを上げていたし、あそこで無理してでも行かないと、他の人のペースになってしまいますからね。後ろを見ていないのが分かって、どうしていいか分からなくなった。ある程度、ペースで踏んでいけたけど、何か煮え切らないレースでした」
差された
石毛克幸(写真)
だが、競走内容には納得と振り返る。
「今日はカマシまで考えてましたけどね。うまく中団が取れたんで、落ち着いて踏めました。それにしても今日は重い。(レース後は)起き上がれないかと思いましたよ(苦笑)」
<8R>
濱口高彰選手
人気の地元中部勢がワンツー。きっちり差して声援に応えた
濱口高彰(写真)
は笑顔で、「柴崎君がよく行ってくれましたね。一丸君も三番手で頑張ってくれたし。僕も調子は問題ないですよ」と記者団に応える。
柴崎淳
はホッと安堵の表情だ。サマーナイトでは疲労感を口にしていたが、今回は別人のように軽快な動き。
「あまり脚を使わずに出られたし、ペースで行ってるところを来られたので焦りはなかった。でも、相手が二車で良かったですね。ちょっと筋肉痛が残っているけど、しっかり休めば問題ないでしょう」
<9R>
鈴木誠選手
鈴木誠(写真)
が貫禄の勝ち星を挙げた。五十嵐力の番手から伸びての快勝劇。
「(五十嵐が)引くもんだと思っていたら、前に踏んでいってくれたでしょう。あれで僕にチャンスができた。でも4コーナーでは止まってしまっていたので、先に(インに)入っちゃいました。作戦は後攻めだったのにな。ちょっとビックリしました(苦笑)」
山口富生
は3着で一次予選をクリア。地元戦でまずは最低限のノルマを果たした。
「五十嵐は止まっていたので、特に持って行かなくても吉田とワンツーを決められると思ったんですけどね。ここは雨が降ると外が伸びるんですよ。とりあえず明日につながったんで良かった」
<10R>
山口幸二選手
特選最初のレースでは
山口幸二(写真)
が魅せた。ゴール前のひと伸びで1着をゲット。詰めかけたファンからは大歓声が寄せられた。
「開催前はすごくプレッシャーを感じてたけど、ここに来てからいい意味での緊張感に変わっていったね。浅井からも、いつもより気迫を感じていたので安心してました。レース以外にも色々と忙しかったけど、今日3着以内に入れたのは凄く大きい。良かったです」
2着にはインコースを踏んだ
岡部芳幸
が突っ込む。
「山崎が踏んでくれたおかげですよ。インに入った時は、いつも無理矢理なので踏むコースがないまま終わっちゃう事も多かったけど、今日は自力型ばかりだったので、うまい具合に空いてくれました」
浅井康太
は見違えるような走りを披露し「川崎の二日目に濱口さんからストレッチを教えてもらって、上半身の力がうまく抜けてくれた。バランスが戻ったのが大きいですね。明日は胸を借りるつもりで思い切って走りたい」
<11R>
佐藤友和選手
スピードタイプがそろったこのレースは、期待に違わず、打鐘から一気にレースがヒートアップ。最後は大外を踏み抜いた
石丸寛之
が全団を飲み込み快勝した。
「ほぼイメージ通りの展開でしたね。もちろん後ろにはなりたくなかったけど、車番が悪かったから(初周が)後方になるのは仕方ない。押さえるのに脚を使ったんで、それほど踏み込んだ感覚はなかったんだけど、思ったよりも自転車が進んでくれてビックリしました」
佐藤友和(写真)
は手応えをつかんだレースとなった。
「新しいフレームの感覚が以前と違ったのでホームで思ったよりも車が進んでしまったけど、逆にこの新フレームだからあそこまで伸びたんだと思います。ギアが足りないということもないし、これで戦えますね」
悔しさをかみ殺す
永井清史
。明日からのリベンジを誓った。
「押さえるところまでは良かったんだけど、コーナーで後ろを確認した時にチラッと見えたので慌てて踏んでしまった。落ち着いて走るべきでしたね。明日からも先行で結果を出していきたい」
<12R>
井上昌己選手
伏見俊昭
の快進撃には手が付けられない。今日も渡邉一成が叩かれてしまう、決して有利とは言えない状況を克服しての勝ち星だ。
「一成が頑張ってくれたおかげですよ。でも、流れが一番大事だと思うし、この状態を壊さないようにしたいですね」
2着の
井上昌己(写真)
は汗をぬぐいながら「小嶋さんが行ってしまったけど、反応できませんでした。前が掛かっていたので仕掛けられなかったし。紫原さんが3着に入ってくれてよかった」と胸をなで下ろす。
平原康多
は判断ミスを悔やむ。
「突っ張られることも想定しておくべきでしたね。ラインが二車だったので、ちょっと押さえるのが遅くなってしまった。脚には全く問題がないので、明日また頑張るだけです」
山田裕仁
はレースをこう分析する。
「(小嶋の)踏み出しに楽に付いて行けたので、逆にこれは出切れないだろうと判断して自分の位置を確保しに行きました。小嶋も僕が付いてることで頑張ってくれたと思うけどね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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