『第28回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月7日
 明日から松山競輪場で第28回 読売新聞社杯「全日本選抜競輪」が開幕する。今年のタイトル戦線は全日本選抜競輪から。前検日の今日は全国各地からトップレーサーたちが松山競輪場に集結した。S級S班9名を中心に繰り広げられる今年最初のタイトル争いに注目だ。
 本場ではケイリンGO!GO!フェスタと題して様々なイベントが予定されています。初日は9時45分からの開会式に始まり、早朝予想会(開会式終了後~15分程度)。11R発売中には松村信定、富原忠夫さんによるトークショーなども予定されています。明日から始まる全日本選抜競輪をぜひ本場でお楽しみください。
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鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
 オープニングレースの1番車に抜擢されたのは鈴木謙太郎(写真)だ。「朝早いのが一番の敵ですね」としながらも、近況は好調。久々に楽しみなG1開催となる。
 「それが夢の中で終わらないように、現実もいい着が取れるようにしたいですね。ギアはまた4.08に戻す。あとはメンバー次第で上げるかどうかですね。最初に勝ち上がりを決められると楽だし、先行すれば4着までには残れると思う」
 佐々木則幸は困惑の表情。
 「え~、僕が自力のメンバーなんですか? ここ2場所は人の後ろを回っての成績だし、レースが詰まってて疲れてないと言えば嘘になる。最近は自力を使ってないんですけどね。頑張って走って、ダメならダメって感じですね」

<2R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 年末の落車で今年初戦の小倉F1は774着と散々だった吉田敏洋(写真)だが、今回は上積みがありそうだ。
 「年末の落車で股関節を痛めて、2週間くらい乗れなかった。小倉を休むと、ここまでレースがないし、状態を把握するために小倉を走ったけど、普段のパフォーマンスとは程遠かったですね。でも、走ることで弱ってるところが分かったし、そこをしっかり修正する練習はできた。前回よりは落ち着いてレースができると思います。今年はスタートで出遅れたので、ここから何とか頑張ります」
 前回の静岡記念を途中欠場した園田匠は状態が気がかりだ。
 「静岡の前にインフルエンザにかかった。治ったので静岡に行ったけど、練習ができてなかったのでダメでしたね。今回はしっかりやってきたし、体調の問題もない。あとはレース勘だけですね。これが今年一発目のレースだと思って走りますよ」

<3R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 川村晃司(写真)は昨年末からの好調を維持。四日市記念では優出を逃したが、G1戦でも高い評価は変わらない。
 「四日市からは中3日だったし、軽く調整した程度。脚的には前回と変わらないと思います。前回も脚に問題はなかったけど、組み立てに失敗した部分があったので。ずっと調子もいいので、明日も行けるところから自力で頑張ります」
 志智俊夫は前回の京王閣記念で優勝し、気分よく今年最初のG1戦を迎えた。
 「あの脚をつねに出していかないと。そして、もっと一気に力を出せないとね。前回は自力じゃないのに疲れた。そんなんじゃいけないんですけどね。今回は志知成治さんの接骨院に行ってマッサージをしてきました。川村君とは今年の岐阜で3日間一緒だったし、走りは分かってます」

<4R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 すっかり腰痛も癒えた松岡健介(写真)。F1戦ながら、ここ4場所連続で優出するなど成績も上向いている。
 「最近はずっと競走が続いてたけど、やっといい感じに日程が空いて練習できた。練習の感じがいい訳じゃないけど、やりたい練習はできましたね。あとは感覚が戻ってくれば戦えると思う」
 今期は2班で予選回りが続く加藤慎平だが、このメンバーに入ればプレッシャーなく戦えそうだ。
 「あまりリラックスしすぎてもダメなんで、そこは上手く気持ちを入れたい。和歌山で落車して一本欠場したけど、体は大丈夫です。痛みがなくなってから2週間くらいは練習してきました」

<5R>
朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
 朝倉佳弘(写真)は前回の立川で久々の決勝進出。弾みを付けてG1の今シリーズに、さらなる上積みがありそうだ。
 「練習をやってても、数値だけなら前回よりもだいぶ戻っている。3月に立川ダービーがあるし、そこに向けてもそうだけれど。自分はまだまだ弱いんで、その先を見据えてやっている。次につながるように、大事に走りたい」
 昨年8月にオールスターを経験した上原龍は、これが通算2度目のG1出場。
 「2回目のG1ですけど。とりあえず自分のスタイルは崩さずにやっていきたい。まずは力を出し切れるように。前回の西武園では大きい着を取っているけど、自分の調子はそんなに悪くない」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)は前回の四日市記念で記念初優勝。気持ちも新たに今年最初のG1戦に挑む。
 「G1の決勝にも乗れてるのに、記念優勝まで長かったですね。状態は成績どおりです。遠征や合宿にレースとスケジュールが詰まってて、疲れは抜けてない状態であの成績を出せてるのは練習の成果でしょうね。ラインのおかげっていうのももちろんありますけど。オリンピックの前後もいい成績を残せなかったし、これからちょっとでも恩返しができればと思ってます」
 直前に新車も届いた阿竹智史だが、とりあえず今までどおりの自転車で初日を迎える。
 「フレームは決めづらかったけど、元のでいこうと思います。直前に乗った感じもよかったので、調子も上がってきてると思う。和歌山(記念)よりはいいですね。相手(新田と稲垣裕之)は地脚の僕とは正反対の脚質。ワンポイントを逃さんように仕掛けたいですね」

<7R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 京王閣記念でも優出した菅原晃(写真)は引き続き、好調を維持しているようだ。
 「直前は開催もあったのでバンクに入れず、ローラーとパワーマックスだけ。でも、感じはいいですよ。小野(俊之)さんの前は緊張しますけど、競輪祭の初日に失敗してるので、その分も頑張りたい」
 このレースは新田康仁にも注目が集まる。
 「静岡、四日市と記念が続いて日程もハードだけど、分かっていたことなのでしっかり調整はしてきました。静岡記念から使ってる自転車の感じがいい。今回もそれでいきます。今年は2月から特別競輪が始まっているので、今回とダービーを照準にしてやってきたので、結果を出したいですね」

<8R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
 地元、愛媛から唯一の出場となった濱田浩司(写真)は吉本卓仁の番手で1次予選突破を目指す。
 「吉本君との連係は何回かあるし、頑張って追走したい。前回の広島は体調を崩した後で全然だったけど、今回はいい感じで空いたのでしっかりやってきました。ワッキー(脇本雄太)も松山に来てたし、いい練習ができましたね。今はあまり緊張してないけど、明日から気合入れて走ります」
 海老根恵太が出した上がり10秒8はいまだに破られていない松山のバンクレコードだ。
 「競輪祭ぐらいから感じがよくなってきました。一時期よりはだいぶいいですね。1月28日から2月の1日まで宮古島に合宿に行ったし、練習もまあまあできましたよ」

<9R>
藤木裕選手
藤木裕選手
 藤木裕(写真)は昨年1年間で大きく成長を遂げた。今年もここからG1戦線が始まるが、初日は予選のメーンに抜擢された。
 「今、199勝なんで200勝は今開催中に決められたらいいですね。初日で決めるのがいいけど、1次予選に関してはラインで決めるほうが大事なんで。その辺りを考えて仕掛けたい。去年は武雄で記念優勝できて、競輪祭で優出できてと年の初めに立てた目標を達成できた。今年はそれ以上の結果を出したいと思ってるので、まず今回で結果を出したい」
 木暮安由が不気味な存在。「四日市記念からは中3日なので、1日練習して残りの2日は調整。仕上がりはバッチリだと思う」と、いつもの笑顔で前検日を迎えた。

<10R>
成田和也選手
成田和也選手
 成田和也(写真)は今年の初戦となった大宮記念の後にインフルエンザにかかり、静岡記念を欠場。約1カ月ぶりの実戦でG1を迎える。
 「大宮でインフルエンザをもらったのか、次の日くらいから熱と咳が出てしまって。それで静岡記念は欠場をしました。1週間くらい休んで、それからは普通に練習をやってきました。CSCで小嶋(敬二)さんとかと一緒にやってきて、思ったより練習はできたし。あとは走ってみてですね」
 前回の京王閣では5112着。シリーズを通して動きの良さが光っていた山崎芳仁は、いたってマイペース。
 「京王閣ではいい感じだったし、今回も楽しみですね。それからは宮古島で練習をやってきて、練習でも良くなってきている感じががありますよ」
 村上博幸は優勝こそない近況だが、今年の3場所すべてにきっちり優出。調子は安定している。
 「練習はメニュー通りしっかりとやれていると思うし。調子自体、とくべつに良かったり、悪かったりはない。たとえ、それがあったとしても、レースではしっかり走れている。今は近畿勢に勢いがあるんで、それに自分が引っ張られている感じがある。レースでもやるべきことをやって」

<11R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 和歌山記念、京王閣記念とファンを魅了するレースを続けている武田豊樹は、疲労を訴えながら今シリーズも全力投球。オールスターを獲った09年の当所を振り返る。
 「あの時は平原(康多)君が頑張ってくれて優勝ができた。そういうご褒美をもらったバンクなんで、またご褒美がもらえたらいいですね。前回の疲れをどう取るのかっていうのが課題だし、そのためにどういう練習をするか。それに打ち勝って、自分の持てる力を発揮できればと思っている。本場にレースを見に来てくれるお客さんには本当の男の勝負を見て欲しい」
 渡邉一成(写真)はロンドン五輪に出場した昨年に続き、今年も競技との兼業。多忙を極める中でも、焦らず落ち着いたもの。
 「前回はワールドカップの合宿が続いて、休める程度で四日市に入った。その後も正直、G1でも調整がどうのとかじゃないんで、今回も走ってみないことには。それでも最近は自分の持ち味が出せれば、結果が出ているんで」
 静岡記念で落車した影響が気がかりな伏見俊昭だが、晴れやかな表情で検車入り。
 「落車は大丈夫です。何よりフレームが無事でよかった。ここまでは三重で計画どおりに練習ができました。流れが向いてきたかなってところでの落車だったけど、いい意味でリセットして今後に持っていきたい。(全日本選抜は前回大会覇者だが)もう1年半前の話になるけど、言われれば悪い気はしない。僕だけですからね」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 佐藤友和は前回の京王閣で2次予選敗退も、3日目以降を連勝。不振脱出の足がかりをつかんで、顔色も悪くない。
 「(2場所前の)大宮と比べたら、どんどん調子が上がっている実感がある。前回の京王閣が終わってからは、久留米でやってきてここに来ました」
 佐藤友和とのセットに笑顔の佐藤慎太郎。今年一発目の岸和田ではいきなりの優勝と、今年に入っての流れはいい。
 「楽しみですね、(佐藤)友和もやってくれるだろうから。自分の状態はまぁまぁじゃないですか。最近は展開も含めて、流れが来ている感じがする」
 村上義弘(写真)は栄光の1番車、グランプリチャンピオンジャージで初めてのG1に臨む。
 「年明けからの2場所もレースに関してはいい緊張感を保ってやって、しっかりレースができている。合間は取材とか雑用もあって、そういう疲労もある。練習はできているけど。調整が普段の3割くらいで、そこら辺の不安はある」
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