『第28回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:2月10日
 第28回 全日本選抜競輪は佳境の3日目を迎えた。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。深谷知広は苦しい展開をしのいで無傷の3連勝で決勝に進出。決勝戦は武田豊樹、藤木裕らが激突する豪華メンバー。明日はいよいよ今年最初の特別競輪覇者が決まる。
 最終日のルンルンランランステージにはハイキングウォーキングが登場(6、10R発売中)。さらに中野浩一、佐々木昭彦さんのスペシャルトークショーや仮面ライダーウィザード&フォーゼショー(11:00~、14:30~)など様々なイベントが予定されています。最終日もぜひ松山競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
地元選手会によるチャリティーオークション
地元選手会によるチャリティーオークション
松尾智佳選手によるガールズケイリントークショー
松尾智佳選手によるガールズケイリン
トークショー
ルンルンランランステージ「笑い飯」ライブ
ルンルンランランステージ「笑い飯」ライブ
<1R>
西川親幸選手
西川親幸選手
 鈴木裕が主導権を奪うとライン3番手から内を突いた西川親幸(写真)が1着をさらった。
 「最後(内を行ったのは)どうかなっていうのはあるけど、4コーナーであれだけ空けられたら行くしかなかった。しょうがないね。調子は悪くないです」
 2着には3日目のレース後にフレームを換えた阿竹智史が食い込んだ。
 「みんなにこっちのフレームのほうがいいと言われるし、こっちを使ってみます。ギアとかも試せるので、最終日まで走れるのは大きいですね」

<2R>
上原龍選手
上原龍選手
 最終ホームから仕掛けた上原龍(写真)が嬉しいG1初勝利を挙げた。
 「嬉しいですね。今日からギアを4.17に上げたので、けっこうキツかった。練習では使ってるギアだけど、フレームが競走用のほうが硬いので。これで1回刺激が入ったら明日はもっとやれると思う」

<3R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 赤板から出た矢野昌彦は、緩急を付けたペース配分で主導権を握って果敢に風を切る。後閑信一(写真)が北津留翼のまくりを止めて、直線で抜け出し絶好の流れをモノにした。
 「(矢野は)強いですね、4.25のギアであれだけ踏み上がっていくんだから。自分も北津留君を止めにいって、そこから伸びていった。ギアを4.33に上げたのがよかった」
 5番手を確保した北津留翼は、後閑のけん制をこらえて3着に踏ん張った。
 「中村(一将)さんにしゃくられそうになったんで、そこだけ締めてまくっていった。後閑さんを避けて、あとは小岩(大介)さんが踏んでくれればと。自分の調子はあんまりよくないですね」

<4R>
田中晴基選手
田中晴基選手
 濱田浩司を押さえて先頭に立った稲垣裕之が菅原晃を突っ張った直後にペースを落とすと、田中晴基(写真)はその一瞬を見逃さず踏み上げる。桐山敬太郎を連れて主導権を奪取し、3番手以降を大きくちぎった。
 「順番が来たら、思い切って行こうって思っていた。(稲垣が)流していたんで、そこのところを思った通りに行けました。いまは10走連続で先行をしているし、最終日も先行したいですね。初めてのG1ですけど、思った以上に走れている感じはしますね」
 逃げる田中を桐山敬太郎が、直線でとらえて南関ワンツー。
 「誰か来たら、それを張りながら出て行く準備はしていた。だけど、後ろから誰も来る気配がなかったし、田中君が本当に強かった。田中君が2着に残ってよかった」

<5R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 荒井崇博の先行で、新田康仁(写真)はすんなり中団に。2コーナーからまくり上げると、鮮やかに前団を飲み込みシリーズ初勝利を挙げた。
 「今日は先行するつもりだった。後ろ攻めになったので早めに動かして自分の順番が来ればと思ったら中団が取れちゃった。タイミングが取れたのでまくっていったけど、打鐘で川村に来られたらグッバイでしたね(笑)」
 巻き返し不発に終わった川村晃司は猛反省。
 「荒井君について行って押さえなきゃダメでした。スピードが上がってしまってもうどうしようもなかった。最近押さえ先行とかしてなかったから、それがレースで出たんでしょうね。同じ失敗はしないようにします」

<6R>
中村浩士選手
中村浩士選手
 後ろ攻めの渡邉一成が先行。番手の中村浩士(写真)が絶好の展開を生かした。
 「渡邉君のおかげですね。彼は昨日ギアをチェンジしてたし、今日は押さえた人が上手く駆ける流れが多かった。先行したほうがいいんじゃないと話した結果、お互いの仕事を全うできた感じです。今回はレース感覚がどうかなと思って入ったけど、いつもと変わることはなかったですね」
 逃げた渡邉一成は淡々とレースを振り返る。
 「まくりやカマシは展開に左右される。昨日もまくれると思ったけど、あおりを食って届かなかったし。流れが悪いんで今日は先行したほうが力が出し切れると思った。着ほどは調子が悪くないのかなと思います」

<7R>
木暮安由選手
木暮安由選手
 木暮安由(写真)がらしさを発揮。前々に攻めるレースで中団を確保すると、バックまくりを決めた。
 「レースは見えてたし、冷静に判断できた。引いてあそこまで行けたから感じもいいですね。晴智さんのけん制を乗り越えられてよかった」
 2着には飯野祐太の逃げに乗った渡邉晴智が食い込んだ。
 「飯野は2車でも頑張ってくれるんだからね。最後は木暮が来たのにいい感じにスイッチできた」
 木暮後位に追い上げる形になった安東宏高だが渡邉にさばかれてしまった。
 「自分で仕掛けようと思ったら、追い上げる感じになった。4コーナーでは夢を見ましたけどね。晴智さんがさすがです。明日は穴を出せるように頑張ります」

<8R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 ともに中団が欲しい菊地圭尚と野田源一が打鐘で踏みあうと、そこを一気に松岡健介(写真)が叩いて主導権。後続の追撃を振り切り、連勝でゴールした。
 「2人(菊地、野田)は僕の後ろが欲しかったんだろうし、そのスタイルを貫いてくれたから自分に展開が向いた。やっぱりF1より面白いですね。今日からシューズを換えてみたけど、良し悪しですね。今日は展開がよかったです」
 三谷将太は追走一杯の2着に終わった。
 「健介さんは僕の苦手なタイプなんで。最後は一杯でした。仕方ない。もう少し練習してきます」

<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 ギリギリまで佐藤友和にフタをした吉本卓仁が打鐘過ぎに先行態勢に入ったが、4コーナーから山おろしで佐藤友和(写真)が一気に巻き返す。佐藤慎太郎を引き連れ吉本を捕らえると、そのまま押し切った。
 「先行する展開も考えてたし、全然苦じゃなかった。踏めてるだけに昨日の接触が悔しいね。また次のダービーまでに上げていきたいね」
 追走一杯の佐藤慎太郎は「余裕がなくて、後ろから中を割られるんじゃないかって感じだった。不調だな、キツいねえ」と首をひねる。
 吉本卓仁は悔しさを隠せない。
 「気づいたけど内が重くて合わせ切れなかった。ダッシュも悪いな」

<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 ここからは準決勝。最初の切符を手に入れたのは深谷知広(写真)だった。別線からのしつようなけん制を受けたが、最後は圧巻のスピードで大外を一気。3連勝で決勝に勝ち上がった。
 「1着は取れてるけど、後ろに迷惑をかけてるのでそこを修正しないと。でも行きたいタイミングで要所要所けん制されたので。追加で四日市記念を走ったことで、今回は仕上がってる感覚がある。昨日ギアがスカスカしたけど、今日はギアじゃなく展開です」
 2着には逃げた鈴木謙太郎が粘り、一昨年のダービー以来となるG1優出を決めた。
 「まくりに回って失敗するより、矢口(啓一郎)さんも深谷を後ろに置きたいだろうから(先行した)。ホームで深谷がカマして来たのかと思って全力で踏んだら1コーナーで一杯でしたね。必死だったけど、決勝に乗れて嬉しいですね」
 3着には北日本ライン3番手から先まくりを打った海老根恵太が入線。
 「謙太郎のデキもよかったので北の後ろと思った。ああなったらいいなと思ってた展開でしたね。ダメだろうと思ったけど、ダメでも行こうと思って、最後まで諦めずに踏んだのがよかった。G1の決勝は久しぶりですね。これはデカイです」
 直線で伏見俊昭の内を突いた芦澤大輔だったが伸び切れなかった。
 「深谷を後手に回すのは基本ですから。最後は仕方ないですね。いい経験でした。また頑張ります」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
 先行態勢に入った小嶋敬二の後ろで藤木裕がイン粘り。金子貴志から番手を奪う。中団からまくり上げた平原康多(写真)はスピードが合うと見るや、内から村上義弘を飛ばして、直線では藤木も抜き去った。
 「藤木のイン粘りは予想外だった。山崎さんがカマして来るだろうと思って、それに付いて行こうと思ったら来ないんでちょっと焦りました。脚を使って一杯だったし、最後はコースを見極めて内に行った。今回は自信を持ってレースできてる。決勝に乗れてホッとしてるし、嬉しいですね」
 平原に浮かされた村上義弘だが、立て直すと再度直線を伸びて2着に入った。
 「何でもできるのが藤木の強み。今日は藤木の判断がよかった。平原は外を来ると思ってました。放り上げられたけど、体勢を崩さず4コーナーからも踏めてる。あそこですぐに立て直せてよかった」
 藤木裕は3着で決勝戦に駒を進めた。
 「脇本(雄太)とは違う一面を僕なりに出していきたい。先行、まくりにイン粘りと与えられた位置で結果を出す。村上さんにも判断がよかったと言ってもらえたし、価値ある3着ですね。とっさの判断でああいうふうに行けたのはプラスだと思うし、あれがあるから先行も生きてくると思います」
 山崎芳仁は「藤木と平原の位置取りを見てた。小嶋さんが流してるのは分からなかった」とタイミングを逸し、8着に敗れた。

<12R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 脇本雄太、新田祐大、武田豊樹(写真)の3車が、同時に踏み上げた勝負どころ打鐘前の2コーナー。新田ラインを受けた武田が、絶好の3番手をキープ。前団を射程圏に入れると、最終2コーナーから満を持して発進。
 「新田君のスピードがすごいんで、脇本君は付いていけなかったんですかね。結果としてああなったけど、3番手をこだわっていた訳じゃないですよ。もうジャン過ぎですからね。駆けてもいいと思っていた。先行とかまくりとか決めてはいないし、自分に必要なのは1着なんで。後方のまくりより先に仕掛けなければって思っていた」
 「きつかった、ギアが足りないかな…」とは、神山雄一郎。最終3コーナーから成田和也との踏み合いに負けて、3着での決勝進出に険しい表情を浮かべる。
 武田、脇本を制した新田が主導権。持ち前の脚力でぐんぐんと加速。成田和也にとっては絶好の流れだったが、武田を止められずの2着。
 「武田さんが強かった。最終ホームでは一回、新田君のスピードが落ちたけど、そこからまた踏み上げていってくれた。(展開に)恵まれましたね。自分の調子の方は問題ないし、決勝は鈴木謙太郎君と頑張ります」
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