『第29回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:2月11日
 第29回読売新聞社杯全本選抜競輪(GI)は後半戦に入り3日目が終了した。連日死闘が繰り広げられている高松競輪場だが、ベストナインを決める準決勝に入るとボルテージは今節最高潮に。準決3番勝負はそれぞれ新田祐大、平原康多、松岡健介が勝利し、最終決戦へ駒を進めました。
 なお最終日も場内ではたくさんのイベント、ファンサービスで大会を盛り上げます。まずは先着1000名様に「高松銘菓&スイーツ」をプレゼント。また、ステージでは「全日本選抜まんでがん!予想会」、「スピードチャンネル予想会」、「スピーチーズライブ」、「山口幸二さんトークショー」などが行われます。さらに、最終日の12日(水)は地元選手によるトークショーとスピードチャレンジ、ネゴシックス&梶剛によるお笑いステージが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。

「スリムクラブ」お笑いライブ
「スリムクラブ」お笑いライブ
仮面ライダー鎧武 キャラクターショー&サイン会
仮面ライダー鎧武 キャラクターショー&サイン会
プロバスケチーム ファイブアローズ トークショーとスピードチャレンジ
プロバスケチーム ファイブアローズ
トークショーとスピードチャレンジ
益子直美 トークショー
益子直美 トークショー
<1R>
 菅原晃がペースに入れて主導権に握ると別線を完封。最後は小川圭二がゴール寸前で差し切った。
 「連日脚は軽かったんで。今日は菅原君が頑張ってくれて恵まれました。ワンツーが決まってよかったね」
 菅原晃は3日目にしてようやく連にからむ。
 「山田(裕仁)さんが(4番手に)付いてくれたんで、今日は先行しようと思ってました。調子自体は悪くないし、掛かりは悪くなかった。最近はバック数を増やしていこうと思ってたし、先行の決まり手が付いたんでよかった」

<2R>
山内卓也選手
山内卓也選手
 逃げた松谷秀幸の3番手を取った山内卓也(写真)が自力まくりを放って1着。節目の400勝を遂げた。
 「3コーナーからがキツかったですね。もっとすんなりまくれると思ってたけど、違いましたね。最近はラインの前のときは自在ってコメントを出してたんで、まくりで1着が取りたかったんでよかった。400勝だけど特別な感情はないね。401勝を目指してまた頑張るだけです」
 佐藤康紀は惜しくもタイヤ差の2着に。
 「7、8、9着はお帰りだから菅田には『落ち着いて走ろう』と言ってたんです。その通り走ってくれました。感じは悪くないですね」

<3R>
 山崎芳仁がようやく意地を見せた。連日内に詰まり不完全燃焼に終わったが、今日は前受けから車を下げると叩いて一気の主導権。最後も力強く踏み直し、堂々と逃げ切った。
 「もうあのタイミングしかなかったんでね。あれ以上待ったら前がペースで駆けてしまうんで。連日、内に詰まって情けないレースだったんで、今日は何とかして外を踏むレースをしたかった。とりあえずよかったですね」

<4R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 渡邉一成が主導権取りに出ると、内藤秀久がトリッキーな動きで番手に攻め込む展開に。隊列がもつれたところを、吉田敏洋(写真)が好スピードでまくって勝利した。
 「(渡邉が)4コーナーから踏んでくれれば良かったけど、余裕を持って1コーナーくらいから踏み出したんで、まくれるかどうか不安だった。一成も掛かっていったし。本調子ではないけど、浅井(康太)にヒントをもらって、昨日から感じを思い出してきた。気持ちもだいぶ違いますね」
 橋本強は吉田をしっかりマークし、ワンツーフィニッシュを決めた。
 「今日は展開一本でしたね。吉田さんが強かった。吉田さんは待って待ってしてたんで、僕は踏み出しに集中してました。それでも危なかったですね。出てからも回転が一杯だったんで、置いていかれるかと思った。ワンツーが決まってよかったですね」

<5R>
藤木裕選手
藤木裕選手
 小川勇介が番手戦に出て後ろがもつれると、これを尻目に藤木裕(写真)がマイペースに駆けて逃げ切った。
 「後ろがもつれたけど、三谷(将太)君が頑張ってくれたおかげでワンツーが決まってよかった。小嶋(敬二)さんがまくってきてたのは分からなかったし、ずっと踏みっ放しだった。2日間走って脚の状態、体調がダメだとわかったので、今日逃げ切れたのはたまたまです」
 三谷将太が番手を死守して近畿ワンツーを決めた。
 「九州の並びがああだったから、小川さんが自分のところにくるとは思わなかったけど、小嶋さんが突っ張ったんでああなるのは仕方ない。前が綺麗に駆けてくれたんで、藤木さんのおかげです」

<6R>
成田和也選手
成田和也選手
 SS班の成田和也(写真)が大立ち回りを演じて勝利した。レースは濱田浩司と小松崎大地で壮絶にやり合うと、成田は冷静に目前の状況を見極め、小松崎が一杯になると濱田の番手をさばいて位置を確保。さらにバックで坂本亮馬がまくってくると、その番手へ俊敏に切り替え、直線で鋭く抜け出した。
 「小松崎君は警戒されているだろうから、ああいう展開になるのは仕方ないよね。僕はそこからしっかりリカバリーできたし、成清(貴之)さんのアドバイスをもらって落ち着いていけました」
 坂本に離れたものの、園田匠が追い込んで2着に入る。
 「(坂本が)せっかく行ってくれたのに申し訳ない。前がやり合ってくれたので、あとは脚を溜めてから行くだけだった。坂本君は出足がすごかったし、無理矢理行ってくれたのに。しっかり付いて行ってれば(坂本を)残せたのに。申し訳ないことをしました」

<7R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
 後閑信一が主導権を握る展開に。岩津裕介と菊地圭尚が中団を取り合うと、これを目標に柴崎淳(写真)がスパート。柴崎はグングンと加速すると前団を飲み込み、伊藤保文とワンツーフィニッシュ。シリーズ2勝目を挙げた。
 「今日は展開ですね。後閑さんが行ってから、岩津さんがさらに行けばその上を叩こうと思ってたけど、中団にいたんで。それにホームで菊地さんとガチャガチャやり合ってたんで、待った方がいいかと。そこからは自分のタイミングでいけました。初日はダメだったけどタイミング一つだったんで。上手くバンクの特性を生かしていけました」

<8R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 大塚健一郎(写真)が軽快な動きでシリーズ初勝利。レースは吉本卓仁が先行。バックでは牛山貴広が斬り込んできて展開がもつれたが、大塚はキッチリ締め込んでこれを阻止すると、最後の直線で追い込んだ。
 「卓仁が頑張ってくれましたね。前回(別府で)落車してフレームが歪んでたみたいで、直してもらったら感じが良くなりました」
 吉本卓仁はペースで駆けてワンツーを決めた。
 「今日はライン4車なんで絶対に先行しようと思ってました。流し流しで踏んで、ギリギリまで引き付けた方が楽かなと思ったけど、重たくて掛からなかったですね。後ろがもつれてたのは分かったけど、今日は大塚さんのおかげです」
 牛山貴広は予想外の展開に泣いて5着に終わる。
 「(佐藤)友和さんは突っ張るかと思ったし、吉本君は自分の横で止まらずに前に行ってくれると思ったけど。それでパニックになってしまって仕掛けが中途半端になってしまいました。明日は出し惜しみしないで力を出し切りたい」

<9R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 このレースは大方の予想通り、チャレンジャーの三谷竜生が先行する展開に。中団の中川誠一郎がスパートすると、これに合わせて村上義弘(写真)が番手まくりを敢行し、1着を手にした。
 「今日は先行一車なのに三谷がフカして行ってくれた。あれで負けたらお客さんにも、三谷にも(南)修二にも迷惑がかかるんで。余裕はなかったけど。いつも力を出し切ってるつもりだけど、今だからこそさらにしっかり出し切らないといけない」
 続いた南修二が2着に入り1番人気で決着。友定祐己がバックから内のコースを踏んで3着に入る。
 「位置取りは完全に失敗ですね。あの展開では外を踏んでも間に合わないんで、内をいくしかなかった。伸びているけどあれではダメですね」

<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 ここからが準決勝。10レースは後ろ攻めから押さえた桐山敬太郎が、後ろからの反撃がなくそのまま主導権を握る展開に。バックではまくり合戦となり、外を踏んだ新田祐大(写真)が力強くまくり切って決勝一番乗りを果たした。
 「浅井(康太)さんは一回前を斬るだろうから、そこから流れに乗って攻めようと思ったけど違いましたね。川村(晃司)さんは内に詰まって引けない状態だったし、浅井さんも内を見ていたんで、仕掛けないで終わるよりは思い切っていきました。昨日は着は悪かったけど、勝負どころでしっかり仕掛けられてるんで状態は良いと思う。今日はワンツーはできなかったけど、齋藤(登志信)さんと決まったんでよかった」
 浅井康太はインから外に持ち出し、トリッキーな動きで2着に食い込んだ。
 「新田君と川村さんと僕で併走になったから外は踏めなかったんで、持っていったときのタイミング、幅で内か外を判断しようと思ってました。しっかり反応できたし、最後も踏めたんで状態は良いですね」
 齋藤登志信は一旦は新田に離れたものの、立て直して3着に滑り込んだ。
 「新田は本調子ではないみたいだね。本調子だったら俺はもっと離れてるから。たまたま決勝に乗れた感じ。1日2日で修正できるものではないし、気持ちだけはしっかり持って走りました」
 逃げた桐山敬太郎は最後、馬群に飲まれ7着に終わる。
 「今日は流れのなかだったんで。力を出し切れたし、あれで残れないのは脚がないだけ。(3着に)残れるつもりで踏んでたので」と肩を落とした。
 「判断というか、作戦ミス」と話すのは川村晃司
 「もう2車引いて新田君を行かせるかした方がよかったね」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
 稲垣裕之が松岡貴久を突っ張って主導権を握ると、この3番手を上手く取った平原康多(写真)がバックからまくって勝利した。
 「今日は後ろ攻めから先に動いて上手く組み立てられましたね。自信を持って走れたけど、寒いせいか車の出が悪かったですね。稲垣さんも掛かりが良かったので。去年は武田(豊樹)さんに獲らせてもらったけど、今年は武田さんがいないなかで自分で決勝に乗れたのはよかった。あと一日あるんで頑張ります」
 稲垣に乗り、村上博幸が直線で追い込んで2着に入る。
 「道中は余裕があったけど、平原君が真後ろからまくってきたし、スピードが良かったんで行かれてしまいました。(平原の)後ろが離れてたのが分かったけど、そこでハウスしてしまった。最後コースもなかったしキツかったですね。でも練習している通りに結果が出てくれたんでよかった」
 山賀雅仁は岡田征陽をキメて平原を追走。岡田と小倉竜二が落車して審議対象となったが、長い判定の末セーフに。初のG1優出を決め、ホッと胸をなで下ろす。
 「もう少しツーテンポくらい早く仕掛けてたら楽にいけたのかも。自分としてはカマすつもりで仕掛けたんですけどね。決勝に乗ったというよりは乗ってしまった感じですね」

<12R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 最終レースは深谷知広、金子貴志の子弟コンビが着外に終わる波乱の結末に。レースは脇本雄太が後ろから押さえると、一本棒に持ち込んで見事近畿ワンツー。松岡健介(写真)が直線で追い込んで1着を手にした。松岡は嬉しいG1初優出。
 「嬉しいですね。今日(決勝に)乗れなかったらまた当分我慢しないといけないなと思ってました。少しずつ努力してきたことが結果に出て嬉しい。バックで車間を空けると後ろを引き出してしまうんでピッタリ付いてました。あとは深谷君がどこで来るかだったけど、脇本君が強かったですね。番手回りのときはいつも震えが出るんだけど、昨日番組が出たときも今回はそれがなかった。今日も落ち着いて走れたのがよかったですね」
 脇本雄太は今日も粘りを発揮して2着に入る。
 「ジャンで出切ったときに隊列を見たら先行し易い感じになってたんで、ここがワンチャンスと思って行きました。ナショナルのスケジュールが身体に慣れてきたのかな。今回は2週間あったんで体調も良いですね。日に日に良くなってます。これで近畿が盛り上がってくれれば」
 神山雄一郎はベテランらしく、コース取り良く踏んで3着を確保した。
 「厳しい展開だったけど届いたね。苦しいコースだったけど、今日が1番伸びた。手応えがありました」
 「脇本君が掛かってたね」と話すのは金子貴志
 「タイムはどれくらいか分からないけど、一本棒になってたからね。中団からも仕掛けられなかったんで。誰かが動いてスピードを貰う展開になってればよかったけどね」
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