『第31回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 2日目編

配信日:2月12日
 久留米競輪場を舞台に開催されている第31回読売新聞社杯全日本選抜競輪(G1)は12日に2日目を迎えた。2日目も落車が多く、二次予選では地元の吉本卓仁や、優勝候補の一角と目されていた深谷知広が敗退となった。メーンの「スタールビー賞」は単騎の諸橋愛が、勝負どころで俊敏に内を突いて快勝した。明日13日は準決勝3個レースで、決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられる。
 3日目は仮面ライダーゴーストショー(5R、10R発売中)やパンクブーブーのお笑いステージ(9R、11R発売中)など芝生広場特設ステージにて様々なイベントが予定されています。さらに第2発売所前特設ステージでは井上茂徳氏による予想会(2R発売中)やスピーチーズライブ(4R、8R発売中)も開催。明日もぜひ久留米競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
中野浩一氏、佐々木昭彦氏、平田崇昭氏 予想会
中野浩一氏、佐々木昭彦氏、平田崇昭氏 予想会
Natural Radio Station ライブステージ
Natural Radio Station ライブステージ
どりあんず お笑いステージ
どりあんず お笑いステージ
選手会 プレミアムトークショー
選手会 プレミアムトークショー
スタールビー賞 レース経過
 号砲で浅井康太、山崎芳仁、村上義弘、渡邉一成の4車が飛び出すが、山崎がSを取る。渡邉を迎え入れ福島勢が前団。以下隊列は、稲垣裕之―村上の京都勢、竹内雄作―浅井の中部勢、単騎の諸橋、原田研太朗―岩津裕介の瀬戸内勢の形で落ち着く。
 青板のバックから原田が上昇。前団に並びかけると、渡邉は車を引き誘導員後位が入れ替わる。すると、その上を竹内が踏み込み打鐘前で主導権を握る。竹内ラインに続いた稲垣は、原田と中団で併走した後、2センターから再度踏み上げ反撃を開始。しかし、竹内とスピードが合ってしまうと、最後は浅井にさばかれ万事休す。今度は後方で脚を溜めていた渡邉が大外を一気にまくり上げる。これを最終2センターで浅井が外に振ってけん制。すると、初手から中部勢に付けていた諸橋が空いた内をがすくって浅井を退かす。外の渡邉もあおりを受けて進みが鈍る。諸橋はそのまま直線でタテに踏むと、粘る竹内をゴール前で交わし「スタールビー賞」を制した。竹内が2着。3着は2センターから内に降りて直線で鋭く伸びた岩津が入った。


ゴール
ゴール
スタールビー賞表彰
スタールビー賞表彰
<1R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 菅田壱道の当日欠場により8車立てのレースとなったが、「菅田君が欠場して自力の組み立てになったから逆に気合が入った」と話す伏見俊昭(写真)がピンチをチャンスに変えて、2コーナーまくりで白星をゲットした。
 「自力を出すのは久々だから緊張したけど、2コーナーから行くと決めていたので。林君のけん制を避けながら外々で耐えられたし山おろしを使って最後も伸びました」
 「あれで勝てないのは弱い」と悔しそうにレースを振り返るのは2着の桐山敬太郎だ。
 「行こうと思ったときに先に踏まれてしまいましたね。バンクは昨日より軽く感じたからいけると思ったんですけど…。後ろに迷惑をかけてしまった」

<2R>
天田裕輝選手
天田裕輝選手
 城幸弘がホーム手前で北津留翼を叩いて最終的に主導権。別線の反撃も遅く、ギリギリまで待って抜け出した番手の天田裕輝(写真)が白星をあげた。
 「城君のおかげ、今日は本当に彼のおかげです。群馬と山梨で、ラインもしっかり組めて。残せなかったのは僕の力不足です。千切れないでよかったです。城君は本当に力があるなと思いましたね」
 2センターから内に進路をとった林雄一が直線伸びて2着に突っ込んだ。
 「柏野(智典)が4コーナーでなかなか踏まないからどうしようかと。3番手の鬼ですね(笑)。鈴木(裕)君はしっかり仕掛けてくれる選手なので任せてました。僕としてもちょっとらしさも戻ってきています。ここ2カ月くらい、今までにないくらい練習もしてるんで楽しみです」
 上甲ラインの3番手につけた柏野智典は林には交わされたが3着。
 「(落車の)影響はそんなにないと思いますね。(北津留)翼のラインに切り替えようかと迷ったけど、斬るのが遅いからまくりだと思って。ちょくちょく城君はみてたけど先行力もあるしね。最後は抜けるかと思ったけど」

<3R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 細切れ戦の激しい展開を制したのは、最終ホーム前から仕掛けて押し切った松岡健介(写真)だ。打鐘で斬りに行った野田源一を池田勇人が突っ張り流すと、間髪入れずにスパート。片寄雄己のまくりも合わせ切って堂々の逃げ切り勝ち。
 「自力で良いレースができ満足ですが、番手を回る機会が増えてきたので、これからは番手の技術を上げていきたい」と振り返るのは勝った松岡。
 ピタリとマークしてゴール前迫った柴崎俊光は「何も仕事をさせてもらえなかった」と松岡の走りを称えた。
 「届いたかなと思ったが甘くなかった。それでも仕掛けられたので、状態は戻ってきたしヨシとします」とは3コーナーまくりで迫った地元の野田源一

<4R>
岩本和也選手
岩本和也選手
 高橋陽介、岩本俊介の順でレースが動くと、打鐘過ぎ4コーナーから筒井裕哉が仕掛けて主導権を奪う。4番手の岩本俊が3コーナー過ぎから外に持ち出すと、筒井ライン3番手を回った岩本和也(写真)がこれを張りながら直線一気に突き抜けた。
 「いい展開でした。筒井君のおかげですね。みんな筒井君の仕掛けを待ってたし、僕はおいしいとこだけ。余裕はあったし、(2日目からの補充で)1着じゃないと上がれないので。(松坂英司の中割りが)すごいスピードで行かれたと思ったけどよかったです」
 中割り鋭く岩本和に迫った松坂英司だったがわずかに及ばず。
 「(岩本俊の押さえる)場所が早かったのか。あとは筒井のヤル気次第。(出させるかどうか)そこは俊介の判断だから。最後の最後、もうひと踏みがね。もうちょいでしたね」

<5R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 号砲とともに志智俊夫が飛び出して中近ラインが正攻法からの組み立て。守澤太志が斬った上を打鐘過ぎに小埜正義が叩くも、最終ホーム手前から吉田敏洋(写真)が一気に踏み込んでスパート。番手の志智が離れて援軍を失ったが、そのまま後続を千切って快勝した。
 「志智さんの昨日のレースを見ていたからガツンと踏んだら厳しいだろうと思って巧く流れの中で自分としてはマイルドに踏んだつもりだけど残念です。見てもらったとおり自分自身の状態は良いので(負け戦で)一番高い所まで行きたい」
 2着に入った東龍之介は「補充で参加した自分のために小埜さんが頑張ってくれて恵まれました。脚の感じは凄く良いと思うので明日も頑張ります」とニッコリと笑った。

<6R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 ここから二次予選。打鐘過ぎに先行態勢を取った佐川翔吾を目がけて、早坂秀悟が襲い掛かる。最終ホームで早坂が主導権を奪取すると、佐藤慎太郎(写真)まで出切って佐川が3番手。リズム良く駆ける早坂の番手で願ってもない展開が訪れた佐藤は、落ち着いて後続との間合いを計り直線勝負で抜け出した。
 「1着は1着なんですけど、悔しいですね。ただ1着を取ればいいってわけじゃないし、勝ち方っていうもんがある。俺が余裕をもって(早坂)秀悟が出切ったのと同時に車間を切れれば…。(ラインが)2車だし、それしかなかった。もうちょっと俺に余裕があれば。秀悟みたいに先行してくれる選手は、残したかった」
 3番手から車を外に持ち出した佐川の余力をギリギリまで見極めた村上博幸が、中のコースを伸びて2着。
 「余裕があるし、最後だいぶ待ってからでも踏み勝てたのは大きい。後ろから行かれてないんでね。踏んだ感じも反応している。今の状態で準決でどれくらい戦えるのか、また明日です」
 8番手に置かれた近藤隆司は、5番手にいた吉本卓仁の仕掛けを待って最終バックから踏み出すと大外を強襲して3着。
 「3車のラインの吉本君が前にいたけど、気にしないで(仕掛けて)行こうとした。そしたら吉本君が踏んだのが見えて、1、2秒待ってしまった。勝ち上がれたんでうれしいけど、(初日、2日目と)流れ込みしかできていない。もうちょっと組み立てを考えていかないと。昨日より、今日の方が感じも良かったし、初めて(G1の)準決に乗ったんで」

<7R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 小松崎大地が赤板から動いて先行態勢に入ると、石井秀治が鐘過ぎに仕掛けて踏み合いに発展。千葉勢を追っていった松岡貴久が最終バックからまくり上げて出切ったが、小松崎とハグれてしまった神山雄一郎が意地を見せて自ら踏み上げると後ろの飯嶋則之(写真)が空いたコースを鋭く突き抜けた。
 「前の2人が頑張ってくれたし、みんな脚を使っていたから伸びた。F1でも1着取れてないのにすいません(苦笑)」
 後方に置かれていた柴崎淳が大外からまくって2着に食い込む。
 「ここまで外が伸びていたので我慢して仕掛けました。G1でいかにして準決に乗るかをずっと考えていたし良かった」
 橋本強は最後方になっても柴崎淳の力を信じ抜いた。
 「柴崎(淳)君の強さは知っているし、仕掛けてくれるのを待っていた。最後は外を踏むか内かの判断だけでしたね」

<8R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 後ろ攻めの脇本雄太が赤板1コーナーから上昇し、打鐘前に前受けの佐藤友和を押さえて主導権。8番手に下がった郡司浩平が打鐘から巻き返しにくる中、脇本も合わせて踏み上げていく。両者のモガき合いは最終3コーナーまで続くが脇本が合わせ切る。直線に入り番手の金子貴志(写真)がきっちりと抜け出した。
 「ワッキー(脇本)が強かったですね。後ろからあんな感じで郡司が来て僕は反応できなかったけど、それを合わせていくんだから。踏み直しもすごかったです。自分としては打鐘のところから踏んでたんでキツかったですね。それでも落ち着いていたし、脚の感じもよくなってきていると思います」
 脇本雄太は金子には交わされたものの2着。ラインで確定板独占を導いた。
 「レースをうまく運べたのが(ラインとしての)勝因です。郡司君も強いので横までは並ばれないように、金子さんのところまでで止めようと思ってました。ラインで決まったのでよかったですね。あまりにも初日の感じが悪かったので、何とか修正できてよかったです」
 中近ライン3番手を固めた山内卓也が3着で準決勝へと駒を進めた。
 「(佐藤)友和でも(小川)勇介でも粘りはあるかなと3人で話してはいました。そのなかでワッキーがワッキーのレースをしてくれました。先行しかないって言ってくれてたんで。調子悪いって言ってたのに強いですね。郡司が勢いよくきてるのに合わせちゃうんですから」
 郡司浩平は勢いよく仕掛けたが脇本に合わせられシンガリ負けに。
 「反応はできているので、行き切れなかったけど昨日よりは状態はいいです。正直昨日の分もとは思ってました。でもやっぱり位置取りですよね。8番手になって無理矢理仕掛けているんで」

<9R>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 後ろ攻めを選択した山田久徳が強敵・新田祐大を警戒しながら先行態勢に入ったが、新田は外併走から最終ホーム手前でスパート。芦澤大輔のけん制に遭った和田圭は付いて行けず、山田が離れながら新田を追いかける展開に。山田の惰性をもらった三谷竜生(写真)が粘る新田を直線で鋭くとらえた。
 「全部山田君がやってくれたので自分は何もしてません。南さんとワンツーが決まったのは嬉しいけど、山田君が落車してしまったので。でも調子自体は良いと思います」
 2着の南修二も三谷と同じく控えめなコメント。
 「前の2人が頑張ってくれたお陰。落車もあったし手放しでは喜べないけど、(初日に自分が)落車した影響はないし、違和感なく走れています」
 断然の人気を背負いながらも3着となってしまった新田祐大。後ろが離れる不運な展開もあったとはいえ、未勝利のまま準決勝を迎えることになってしまった。
 「初日は下手過ぎました。今日は一回休んでから仕掛けたから後ろはきついと思ったらやっぱりいなかった。踏んだ感じは違和感とかないので大丈夫」

<10R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 茨栃勢を警戒して吉澤純平に併せ込んでフタをした川村晃司が赤板で押えに出たが、前受けから突っ張った服部克久が腹を固めて先行策。川村が中団に収まると、今度は吉澤が襲い掛かる。吉澤と服部の壮絶なモガき合いは、最終ホームで吉澤が踏み勝つ。車間が空きながら吉澤を追った武田豊樹に中村淳。4番手にスイッチした中川誠一郎(写真)は、3コーナー過ぎからまくり気味に追い込みシャープに伸びて1着。
 「カッちゃん(服部)のおかげです。全部突っ張ってくれて、そのおかげです。僕的には(吉澤は)来れないと思ったんですけど、強かったです。あんだけやってくれたら絶対に(準決勝に)乗らないと恥ずかしいなと思って、気持ちが入りました。内だけは空けないように、そこだけは気をつけていました」
 立て直して最終ホームから踏んだ川村は不発。切り替えた友定祐己が4コーナーでインを突くと、小倉竜二にコースが開けて2着に追い込んだ。
 「最後は展開が向きました。友定が行かないコースを行こうと。友定が踏んだのを確認してから自分も踏みました。僕が(友定との前後で)前なら逆になってたかもしれないし、競輪はわからないですね。キツかったけど、意外に脚が残ってたんで(調子は)悪くないですね」
 吉澤の番手から直線の入り口で踏んだ武田豊樹だったが、中川、小倉に交わされて3着。
 「(吉澤が)行くのが無理で厳しいかと思って、離し気味に追走していたんで反省が残ります。昨日は平原(康多)君が残念でしたし、今日が初日と思って走りました。感触は悪くないけど、相手もいることなんで判断が厳しい。今年に入って反省するレースも多いし、よく反省して次に臨みたい」

<11R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 青板4コーナーから後ろ攻めの根田空史が上昇し、飯野祐太もこの動きに続く。前受けの深谷知広はすんなり下げて7番手へ。根田は後続を一本棒にして打鐘4コーナーからスパート。一方、4番手確保の飯野は空けた車間を詰めて最終2コーナーからアタック。好回転でまくっていく中、3コーナーで中村浩士が落車。これに浦川尊明も乗り上げる。ちょうど仕掛けようとした深谷はあおりを受け外にふくらみ終了。飯野の仕掛けに乗り直線伸びた菊地圭尚(写真)が1着となった。
 「(飯野)祐太君が頑張ってくれたおかげです。今日はそれに尽きます。作戦通りで理想的な展開になりました。怪我については1着取ったから治った(笑)、って言いたいところですけどまだ痛みますね。明日は位置取りに気をつけて。前々にいないとキツいと思うのでそこは厳しくいきたいです」
 北日本3番手の紺野哲也が菊地に続いて東北ワンツーを決めた。
 「落車を避けて付いていっただけです。最後は(園田がきている)音だけは聞こえたんですけど、スピードがすごかったですね。飯野君を残したかったけど、ちょっとスピードが違いました。僕としてはG1の準優は43歳にして初なので嬉しいですね」
 直線大外を伸びた園田匠はS班の意地をみせ3着で準決勝へ。
 「最後は中に行こうかと思ったけど、外でもいけると思ったんで。初日の時点から調子は良かったし、気持ちも入っていました。深谷も全然踏んでなくて余裕もありましたね。落車で態勢を崩していなければまくれていたと思います。今日は合志(正臣)さんも後ろを固めてくれたし、その分も気持ちが入っていました」
 飯野祐太は惜しくも4着で準決勝進出を逃がした。
 「反応は良かったんですけど、甘くなかったですね。(最終)ホームで詰まったときに見ちゃったんで、あそこで行ってれば2コーナーで中村さんのところまで行って。根田も乗り越えられたと思うんですけど」

<12R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 「スタールビー賞」を制したのは単騎の諸橋愛。周回中から中部ライン3番手につけると、竹内雄作が打鐘から主導権。番手の浅井康太が渡邉一成のまくりをけん制すると、すかさず内をすくって突き抜けた。
 「単騎だし、割といい位置にいられるとは思ってたし、シミュレーションどおりにいってよかった。運がいいですね。脚は問題ないし、前検日からレース勘だけと思ってた。今日は昨日よりものすごくよかったんで。明日は武田(豊樹)さんと一緒。3日目でラインができて、少し(気持ちが)楽になりますね。しっかり援護したい」
 2着に粘った竹内雄作(写真)だが、コメントは初日のレース後と同じ。「初日も今日もどうしても末脚がダメになってしまいますね。昨日よりは距離行けたけど」と最後の踏み直しに不満のようだ。
 原田研太朗マークから内に、外に俊敏な動きを見せた岩津裕介が3着に突っ込んだ。
 「もうちょっと気持ちよく乗りたいけど、その辺がまだイマイチ。でもイマイチの割には伸びてるんで体は悪くないのかな。もうちょっと探しながらですね。レースは見えてる感じです」
 渡邉一成のまくりは決まったかと思われたが、3コーナーから失速。すくわれた浅井が外にふくらんだのも影響して6着に終わった。
 「バックの風が意外とあって止まっちゃいました。タイミングはよかったと思うけど雄作が強かった。今日、マイナスだった部分を修正して明日につなげていきたい」
 諸橋にすくわれた浅井康太は8着に。「ラインじゃないんで仕方ない。雄作もタレてきてたので難しかった」と言葉少なにレースを振り返った。
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