『被災地支援競輪第32回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月15日
 17年のG1シリーズがいよいよ開幕。初のG1開催となる取手競輪場を舞台に、平成28年熊本地震被災地支援競輪・第32回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(G1)」が2月16日から始まる。前検日の15日はグランプリ王者の村上義弘をはじめ、浅井康太、新田祐大ら全国の強豪が取手に集結。明日からの熱戦に備え、参加選手108名が車体、身体検査を無事に終了した。
 本場では多彩なイベントで開催を盛り上げます。初日の16日は松崎しげる歌謡ショー、山口健治氏&山口幸二氏による予想会、地元選手トークショーが予定されています。ぜひ、取手競輪場でお楽しみください。
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中井俊亮選手
中井俊亮選手
 オープニングレースの1番車に抜てきされたのは中井俊亮(写真)だ。昨年の後半戦から急成長を遂げた近畿のホープ。自慢の先行力で風を切る。
 「成績は徐々に上がってきているし、力もついてきていると思います。でも、まだ上位の選手とは差がある。ミスも多いので、そこが課題ですね。前回の地元記念も2日目に失敗しました。終わってからしっかり練習はできました。感じはよかったです。自分のできることをしっかりやるつもり。集中して走って、初日をクリアしたいですね」
 守澤太志は前回奈良記念の最終日に落車失格。気持ちを切り替えて、今年最初のG1戦に挑む。
 「ケガは大したことなかったんですけど、体のバランスが崩れたので、しっかりケアをしてきました。練習は軽く乗った程度ですが、大丈夫だと思います。明日は根本(哲吏)君と一緒ですね。高校、大学が同じで同級生なんですよ。信頼して付いていきます」

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杉森輝大選手
杉森輝大選手
 杉森輝大(写真)が地元のトップバッターとして登場。今年1月に初のS級1班に昇格。大一番に照準を合わせて、抜かりなく仕上げてきた。
 「このためにやってきたので、しっかりいいレースをしたいですね。前回の向日町は準決勝でフレームを元に戻して、感じはよかったです。万全の態勢で戦えるのかなって思ってます。自力でしっかり力を出し切るレースをします」
 神山拓弥は昨年の終盤戦から好調を持続。地元の杉森と好連係を決める。
 「調子も成績もよくなってきてますね。でも、それで結果が出るかどうかは。こればっかりは運もありますからね。練習は普通にやってきたし、状態は変わらずいいですね。杉森さんに任せて頑張ります」
 松岡貴久は1月の千葉、豊橋でF1を連覇したが、前回前橋の決勝で落車してしまった。
 「ケガは全体的な打撲と擦過傷。もう問題ないです。自転車はどうか分からないけど。落車後なんで、淡々と感じよく走れれば。それで結果が出てくれるといいですね」

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和田真久留選手
和田真久留選手
 和田真久留(写真)は奈良記念で惜しくも決勝進出を逃したが、気配は悪くなかった。
 「奈良記念は追加でした。準決勝は力勝負ができたけど、ちょっと末が足りなかったですね。内容のある走りができたんですが、それに調子が追いついてない感じでした。終わってからはそんなに変わったこともせずに、普通に練習してきました。調子は前回よりもいいと思います。結果を出したいですね」
 坂本貴史は各地でパワフルな走りを見せている。久々のG1参戦でファンにアピールする。
 「最近の調子はいいですね。今は競輪学校に冬期移動していて、いい練習ができているし、感じもよかったです。G1は寛仁親王牌以来なので、しっかり頑張りたいですね。相手のことはあまり気にせずに、自分のレースをしっかりして勝てるように」

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芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 芦澤大輔(写真)は直前の大宮で見事に優勝。好ムードのなかで地元の大一番を迎えた。自然体で4日間シリーズを戦い抜く。
 「(全日本選抜の)選考期間からここまで、あっという間でした。ここまできたら、なるようにしかならないですから。何を望むわけでもなく、いいレースができれば。前回の大宮は余裕を持って踏めていたし、感じはよかったです。いつもどおりの感じで臨みます」
 横山尚則は地元で待望のG1デビュー。チャレンジャー精神でぶつかっていく。
 「初めてのG1で緊張するけど、やれることをしっかりやってアピールしたいですね。気合が空回りだけはしないようにします。前回の大宮が終わってから吉田(拓矢)君とバンクでずっと一緒に練習して、お互いに仕上がっていると思います。積極的なレースで持ち味を出したいです」
 北津留翼は年頭の立川記念を制覇。続く大宮の災害復興支援レースで優勝を飾ったが、その後は成績が下降線をたどっている。
 「運がよくて結果が出ていただけですからね。体は悪くないし、調子は一緒ですね。前回の岐阜が終わって、次の日にアマチュアの大会に出場したので、今回は実質、中2日なんです。疲れが取れてくれるといいですね」

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菅田壱道選手
菅田壱道選手
 菅田壱道(写真)は1月小倉で早くも今年2度目の優勝を飾るなど、スピードが冴え渡っている。北日本の先頭を任されたここは自力で持ち味を出し切る。
 「小倉は前で(坂本)貴史が頑張ってくれたおかげですね。最近はうまく走れているし、力も出し切れている。前回の久留米の前に沖縄合宿に行って、だいぶいい練習ができたので、感じはいいですね。飯野(祐太)さんに任せてもらったので、前でしっかり頑張ります」
 松浦悠士は奈良記念をインフルエンザで欠場。体調面の不安は気持ちでカバーする。
 「インフルエンザで体重が落ちて、練習でもどうかなっていう感じですね。自力を出せるかは怪しい。別線がやり合ってくれれば出ると思うんですが…。ヨコがメインで位置取り重視でいきます。中団にはこだわるし、1車でも前にという気持ちで走ります」
 渡邉雄太は前回防府の初日に落車。体はきっちりケアしてきた。
 「ケガは打撲と擦過傷。ケアをしてきて1週間ぐらい乗ってきたので大丈夫です。練習の感じは普通でした。防府の前の大宮記念よりはいいと思います」

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近藤隆司選手
近藤隆司選手
 近藤隆司(写真)は相変わらず破壊力抜群の攻めを披露している。昨年の全日本選抜ではG1初優出。ブレイクのきっかけとなった大会でその再現を狙う。
 「昨年はギリギリで勝ち上がって、準決勝は単騎でカマして1着でした。G1はお祭りみたいなものですからね。今回も勝ち上がって盛り上がりたいです。前回の大宮はちょっと体調がよくなかった。今回のほうが全然いいですね。まずは明日、しっかりと勝ち上がれるように」
 池田勇人は昨年8月の松戸オールスター以来、半年ぶりのG1出場だ。強豪相手にフルパワーを発揮する。
 「前回の久留米は決勝で負けて悔しさが残りますね。最近はレースの読み違えとかで負けているけど、大叩きはしていない。組み立てさえうまくいけば結果は出ています。先月末にギックリ腰になったんですが、久留米で感触はつかめました。古屋(琢晶)君とは別になっちゃうけど自力で頑張ります」

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石井秀治選手
石井秀治選手
 石井秀治(写真)は1月奈良の初日特選で1着。2日目以降をインフルエンザで欠場したが、もう影響はない。
 「奈良でインフルエンザになって、その直後の開催も欠場しました。だいぶ間隔が空いたけど、しっかり練習はできたので、奈良のときよりもパワーアップしていると思います。レース勘だけが心配ですね」
 海老根恵太は1月平記念の準決勝で落車。今回が復帰戦になる。
 「ケガは擦過傷ぐらい。しっかりケアしてきたので、問題ないと思います。練習はいつもどおりにやってきました。去年はG1の決勝に乗れなかったので、今年は乗りたいですね。石井君が強いので、しっかり付いていきます」
 バック数が一番多いのは松岡篤哉だ。相性のいい取手で積極果敢に攻める。
 「1月はノロウイルスにかかって、ずっと休んでました。前回の大垣が復帰戦だったんですけど、思ったより動けていたし、悪くないですね。1回走ったぶん、今回のほうがいいと思います。取手は走りやすくて、イメージがいいですね。しっかり自分のレースをします」

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古性優作選手
古性優作選手
 近畿を代表する機動型、古性優作(写真)が中心となる。昨年は寛仁親王牌でG1初優出すると、12月の地元岸和田で記念初Vを達成。今年もG戦線をにぎわせる。
 「(1月の)平記念で落車したけど、思ったよりもダメージがありましたね。でも、(次の2月)岐阜を走ってみて、自分の状態が分かったので。しっかりケアもしてきました。感覚のズレがあったけど、そこを意識してやってきました」
 立ち向かうのは佐藤友和、高橋陽介の北日本勢。明日は高橋が番手回り。
 「今までは前も後ろもあります。自分が前が多かったけど、友和君が頑張ってくれるって言うので任せます。僕は1月末に(違反点のペナルティーで)黄檗山に行ったあと、ちょっと腰痛が出てしまい、1本(松山を)欠場したけど、練習はしっかりできました。今年に入ってずっと調整なしだったけど、今回はG1に向けて調整できたし、仕上がってます。疲れも抜けたし今回は踏めると思います」
 南関勢の軸は岡村潤。昨年11月の武雄で落車して鎖骨を骨折したが、今年に入り復調急だ。
 「前回(奈良記念準V)は南関のそれぞれが仕事をしての結果だったのでよかった。僕は落車してから、走るたびに良くなってます」

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新山響平選手
新山響平選手
 予選の最後は輪界のニュースター・新山響平(写真)に注目が集まる。昨年G1ラストの競輪祭で見事決勝に進出。今年初のG1で連続優出を目指す。
 「前回の平記念で新車を使って感触よく踏めました。今回も同じもので、前回からさらに乗りやすくなってます。感触的には後がかりで、押さえ先行に向いている感じ。今回も冬期移動先の競輪学校で良い練習ができました」
 新山の番手回りを引き当てたのは山崎芳仁。1月松山記念、2月奈良記念と連続優出し、リズムが良い。
 「奈良が終わってからはいつも通り普通に練習してきました。体調を整える感じで。仕上がりはいつもと変わらないけど、最近は流れが良いので。僕はとにかく一戦一戦を頑張るだけ。今回も決勝に乗れれば」
 対戦するのは山中秀将。前回の平記念は79着で途中欠場。不安を残しての本番となるが、本人は楽観視する。
 「前回、調子自体は悪くなかったんですけどね。展開と自分の仕掛けが噛み合わなかっただけ。今回の方がいいと思うし、練習で上げてきたので。あとはレースの中で思い切って行けるか。気持ちだけです」

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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 ここからが特別選抜予選。2日目の「スタールビー賞」進出をかけて争うが、まずは昨年覇者の渡邉一成(写真)が登場する。
 「昨年1年間はあっという間に終わった感じでした。早くにグランプリ出場が決まって楽に走れた年でした。今年になって大宮記念は失敗して迷惑をかけてしまいました。でも、次の地元(平)記念を周りの力で優勝させてもらえました。そのあとはアジア選手権にインドまで行って10日に帰国したけど、体調を崩すことはなかったので。明日は新田君が強いので、油断せずについていきます」
 その新田祐大は1月の立川記念から久々の実戦となるが、練習で一層自信がついた様子。今年は自分の番と意気込む。
 「ナショナルチームのコーチ、監督が変わり1か月ちょっとの間、ずっとトレーニングしてました。良い感じでこなせましたし、ここに向けてのトレーニングではなかったけど、当たり前の様に優勝できるくらいに力がついているはず、ということなので」
 三谷竜生が臆することなく、新田に真っ向勝負を挑む。
 「前回(奈良記念)は(南関勢と)力勝負して(優勝が)獲れたら1番良かったのですけどね。ちょっと迷った部分もあって…。その辺を今回修正できていれば。地元記念が終わってから疲れが出たけど、前からこの日程は分かってたから問題はないです。気持ちの面も。この時期は毎年良い感じなので、今回も頑張りたいです」
 稲垣裕之は平記念を欠場して当所入り。昨年は決勝で落車失格しており、そのぶんも今年は意気込む。
 「大宮記念が終わってからは鎖骨のプレート取り除く手術をしました。ボルトが10本入ってたんですけど、そのうちの1本が少し抜けていたので、引っ掛かる感じが気になってたけど取れたので。多少傷口の痛みが残っているけど、異物感が取れたのがよかった。今年もう1回グランプリに乗りたいという気持ちが強いし、今年最初のG1も全力でいきます」

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平原康多選手
平原康多選手
 地元の吉澤純平が関東ラインをけん引する。前回の2月奈良記念で落車し、本番を前に周囲をヒヤッとさせたが、元気良く検車入り。
 「怪我は左肩の擦過傷と、腰あたりの打撲。4、5日休んでから1週間練習しました。直前は武田さんとか皆でバンク練習しました。しっかりケアをしてから練習ができました。絶好調とまではいえないけど、その前までの貯金があると思うので」
 平原康多(写真)は今回、地元地区とはいえリラックスした様子で愛車を組み立てる。
 「自分の地元ではないので、大宮記念と違って緊張感はないですよ。いつもどおりって感じで。でも、そういう風に見られていると思うので、そこはしっかり走らないと。でも、番手回りは難しいですよね。(前が)ダメなら自分で(自力で)行きますけど。前を生かすも殺すも難しい。どこからレースがはじまるかってのもあるし、自分が支持されているから出ないといけないとか、色々と考えることがあるので。番手回りはこの先もずっと自分のテーマですね」
 深谷知広は奈良記念をはじめ、2場所を欠場して今回のG1戦となる。
 「立川のあとは色々と用事があったので忙しかったけど、練習はやることをやってきました。特別なことはやらずに、普通に練習してきました。取手はあまり走ったことがないのであまりイメージはないですね。とにかく、自分の走りをするだけ。内容を重視していきます」
 ビッグネームが連なるなか、郡司浩平も目立つ存在。昨年は高松宮杯の準Vをはじめ、1月和歌山、8月小田原と記念優勝するなど、戦歴は互角以上だ。
 「去年は思った以上の成績を残せましたね。今年はそれ以上の結果を。1年を通してやっていければと。レースが詰まっていてちょっと落ち着きたいけど、気持ちは切れていないのでまたここから。変わった練習はしていないけど、いつも通り調整して。いい状態が続いてます」

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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 地元の武田豊樹(写真)が「ここに向けて準備はできました」と自信を持って検車場に姿を現した。
 「明日は吉田(拓矢)君の番手だけど、去年は番手戦が多くて自力で結果を出せなかった。その課題を克服するためのトレーニングをやってきたつもりです。ただ、直前にものもらいをもらってしまって。でも、今回ももらうものは貰います(笑)」
 前を託された吉田拓矢だが、プレッシャーはなし。新車の手応えもつかみ、前検日から気持ちがはやる。
 「前回の防府が終わってから新車が届いたんですけど、練習で乗ってみてすごく合ってる感じがします。流れる感じで今までと全然違う。直前はスピード練習して仕上げてきました。新車の感じで気持ち的にも変わってきたし、明日は相手が強いけど、その方が気合が入るので。自分の力を出し切って決勝に乗りたい。自信を持っていきます」
 近畿の先導役・脇本雄太はアジア選手権直後となり、コンディションに不安を残す。
 「このあとも忙しいんですけど、今回はインドに行ってました。時差ボケとかは別に大丈夫です。水は飲んでいないけど、シャワーを浴びただけでおなかを壊しました。それも大丈夫だけど、移動とかの疲れが残ってますね。それがちょっと心配です」
 前を託す村上義弘は、チャンピオンユニフォームを着て今年初のG1戦に臨む。
 「奈良の前は体調を崩したけど思ったよりも踏めてたので。奈良のあとはバタバタしてたけど、予定していた練習もできたので」。前回以上に調子を上げている様子だ。
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