『第33回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月8日

 18年のGI戦線が、ここ四日市で開幕。第33回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」が、四日市競輪場を舞台に2月9日からスタートする。今年のビッグ第一弾に、昨年のグランプリチャンプの浅井康太らS級S班7人をはじめとした輪界のトップ選手108人が、前検日の8日に四日市に集結した。今年初めてのGIを制し、年末のグランプリ一番乗りを果たすのは誰か。前検日は翌日からの激戦に備えて、寒空の下でバンクで汗を流し感触を確かめるなど、選手各々が入念な調整を行った。
 本場では開催中の毎日、先着1000人にベビースターラーメンをプレゼント。トレンチコート、またはマフラー着用の女性限定で先着50人にオリジナルクオカードをプレゼントします。「バーチャル自転車競走」、「B級グルメがやってくる!」などが行われます。また、9日の初日には「ガールズレーサー」のトークショー、「予想会女子部」なども予定されています。四日市競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

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山田久徳選手
山田久徳選手
 山田久徳(写真)は昨年12月の佐世保で記念初制覇を果たした。その後も好調を維持している。
 「今年に入ってから流れもいいし、着もいいですね。先行しても残れている。最近は配分が詰まっていたり、高松記念の前に違反訓練もあったので、追い込んだ練習はできてません。でも、高松もギリギリで決勝には乗れているんで勝負できる状態だと思います。初日は1レースなんで時間との戦いですね」
 ビッグレース初出場となる清水裕友は、1レースの1番車に抜てきされた。
 「GIは初めてなので、雰囲気にのまれないようにしたいですね。まだまだ力は足りないと思います。大宮記念は感じが良かったんですけど、終わってから風邪を引きました。扁桃腺がはれて、熱も出たんですが、もう治って練習はできているので大丈夫です。1レースの1番車なので頑張ります」

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園田匠選手
園田匠選手
 園田匠(写真)はここ3場所、FIシリーズの配分が続いた。決勝には乗っているが、勝ち星はない。
 「全然ダメですね。間隔が空きすぎて、レース勘が悪い。かみ合ってない感じがします。レースで走って仕上げていくタイプですから。でも、前回の広島は11秒台前半のタイムが出て、ちょっと感覚をつかめました。いつもその開催の一番時計を出そうと思っているので。FIとGIはスピード感がまったく違うので、そこだけですね。まずはしっかり(北津留)翼に付いていきます。GIは勝ち上がらないと意味がない。初日はどんなことをしても勝ちあがりたいですね」
 北津留翼は1月広島FIで3場所ぶりの優出。ビッグレースでも調整方法、走りは変わらない。
 「広島の決勝は変な走りというか、積極的に走れなかったです。終わってからは1週間空いて、いつも通り練習してきました。日曜日だけ自転車の大会に出ました。細切れ戦なんで、しっかり位置を取って仕掛けたいですね」

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横山尚則選手
横山尚則選手
 横山尚則(写真)は、昨年12月高松FIから記念開催も含めて5場所連続で決勝に乗っている。直前の小田原FIの決勝は絶好の番手回りを生かせず3着に敗れた。
 「決勝はもういっぱいでした。最後に内、外から行かれてしまって悔しかったです。ここまでは計画的にトレーニングしてこれました。体調の方もだいぶ良くなってます。あとは相手どうこうよりも自分のレースをしっかりしたいと思います。とにかく精いっぱいやるだけ。それしかないですね」
 菅田壱道は1月大宮で通算2度目の記念制覇を果たした。最高のムードで今年最初のGIを迎える。
 「今年は最高のスタートでしょう。前回の佐世保が終わった後、2月1日から6日まで沖縄の本島に行きました。もっと乗り込めるかと思ったんですけど、天候に恵まれなかったですね。でも、宮城ではできない練習ができました。GIはまたレベルが違うけど、不甲斐ないレースだけはしないようにします」

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野原雅也選手
野原雅也選手
 野原雅也(写真)は1月があっせんしない処置のため、今シリーズが復帰戦となる。近畿ライン3車の強みを生かして積極果敢に攻める。
 「12月に1本欠場して、1月はあっせんしない処置でした。久々なので、ちょっとドキドキしてます。直前は雪で外に出れないくらいの感じだったんですけど、乗れる時は乗れるところを探して乗ってました。でも室内メインだったので、仕上がりは走ってみないと分からないです。頑張るだけですね」
 山中秀将は久々の実戦となった前回の松阪記念で決勝に進出した。当地は昨年2月に記念初Vを手にした思い出のバンクだ。
 「松阪記念は久しぶりで不安がかなりありました。初日は仕掛けられない感じだったんですけど、2日目からは問題なく走れたと思います。選手はみんなそうだと思うんですけど、やっぱり勝っているバンクはいい印象だし、走りやすいと思います。どんな展開になってもしっかり仕掛けたいですね」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は1月名古屋FIの決勝で落車負傷。大事を取って1本欠場して、ここに備えた。
 「休んでしっかり休養は取れました。高松記念は準備不足だったので、欠場させてもらったんですけど、その後は普通に練習できているんで、そんなに影響はないと思います。今年初めのGIなので、いいスタートを切りたいですね。初日はしっかりいい位置を取って仕掛けたいと思います」
 中川誠一郎は3カ月近く決勝から遠ざかっているが、徐々に上向いている。
 「年末にセッティングとか試して、ちょっとずつ良くなってます。ここに向けても練習はボチボチやってきました。今年の中では状態は一番いいと思います」

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早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 早坂秀悟(写真)は昨年12月の伊東で待望の記念初優勝を飾った。1月松阪記念の決勝は後方に置かれて見せ場なく敗れた。
 「松阪は感じが良かったんですけど、最後はミスしてしまいました。しっかり考えて組み立てないとダメですね。練習はしっかりできているし、気持ちの面でもいまは充実しています。初日は自力で力を出し切ります」
 山崎芳仁は1月西武園FIでオール連対のV。連日、力強い自力勝負を披露した。
 「西武園は踏んだ感触が良かったですね。だんだん自力が多くなって、自力の感触をつかめてきました。あとは人の後ろでどうかですね。(早坂に)離れないようにしっかり付いていきたいですね」
 杉森輝大は直前の高松記念で決勝進出を逃したが、好感触をつかめた。
 「最近は良かったり悪かったりですね。うまくかみ合えば勝負できると思います。高松記念で試したいことも試せました。終わって中3日なので調整程度です。四日市は4回目ぐらいで走りやすいイメージがあります」

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山田英明選手
山田英明選手
 山田英明(写真)は昨年末の平塚グランプリシリーズの決勝で落車したが、今年は小松島FI、松山FIで連続優勝を飾った。
 「松山が終わってから体調を崩しました。去年、落車が続いたこともあるので、大事を取って高松記念は欠場しました。休んで練習もできたんですが、走ってみないとわからないですね。GIなんで気を引き締めて走ります」
 新山響平は昨年の終盤戦から成績が下降線をたどっている。今年最初のGIで悪い流れを変えたい。
 「脚というよりも気持ちの問題ですね。高松記念は決勝に乗れなかったけど、準決勝は自分のやりたいレースに持っていけた。あれがもっとレベルの高いところでできればいいと思います。一瞬でも迷うと遅れてしまうので、迷わないでしっかり仕掛けたいですね。中3日だったけど、その中で疲れが残らないように乗り込んで密度の濃い練習ができました」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 原田研太朗(写真)は1月小田原FIで逃げ切りVを達成。昨年の終盤戦から好調を持続している。久しぶりの予選スタートに気を引き締める。
 「今回は久しぶりの予選なんで、そこだけですね。いい緊張感です。昨年の後半は成績が悪かったので、ビッグレースはしばらく予選スタートになりそうだし、うまく乗り越えたいですね。最近の成績はいいし、状態もいいと思います」
 高橋陽介は1月奈良の決勝で後方7番手から豪快にまくって快勝。3年ぶりの優勝を飾った。
 「最近は番手がすごく多かったんですよ。追い込み用のセッティングを試していたんですが、いろんな人のアドバイスで番手の時も自力用のセッティングで走ることにしたんです。そうしたら迷いが消えて感じがいいですね。厳しく位置を取ったりしても余裕があります。奈良の前から急激に調子もよくなりました。初日は番手でどれだけやれるか。タテに踏むというよりもまずはヨコに動きたいですね」

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太田竜馬選手
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)は、前回の高松記念で2度のシンガリ負けを喫した。人気を背負って7番手不発の準決をふまえて、4度目のGIに気持ちを切り替える。
 「高松は残念な結果でした。上手に走れてないんで、もう少しうまく対応できればいいんですけど。勢いだけではダメですから、走り方を修正していきたい。中3日で練習はそれほどやってない。脚の方は大丈夫だと思います」
 昨年9月の向日町では太田の番手から10年以上ぶりとなる記念制覇を飾っている小倉竜二は、“定番”となりつつある同県タッグに淡々としたもの。
 「夏くらいから良かったけど、ちょっと落ち気味な感じがします。でも、成績はまとまっている。(中10日で)そこそこ日にちがあった。バンク練習はしないで、ジムとか室内練習がメインです。中10日なら(レース勘も)大丈夫でしょう。まぁ、(太田は)どこからでも行けるでしょう」
 成清貴之は前回の西武園FIを616着。決勝は別線勝負の田中晴基に飛び付かれて不本意な結果に終わった。
 「悔しかったけど、そのあとに合宿に行って練習してきました。自分なりにはいい感じでできたし、調整もしっかりできた」

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三谷竜生選手
三谷竜生選手
 昨年5月のダービーでタイトルホルダーの仲間入りを果たした三谷竜生(写真)は、前回の高松記念を3111着でダービー以来の優勝を飾った。落車による怪我の影響もあって、精彩を欠いていた時期もあったがようやく復調ムード。
 「中3日だったんで、(前回の高松記念から)そのままの感じですかね。感覚が良かったし、今回もそのまま走ってと思ってます。スピードの乗りがいい感じだった。(今年はS級S班でその責任を)感じながらやっていこうと。期待されているのもわかりますし、それを感じて走りたい。1月は調子があんまりだったけど、2月に高松記念獲れたんでしっかりやりたい」
 平原康多は立川記念Vで幸先のいいスタートを切ると、続く大宮記念を1115着。今年8戦6勝と抜群の勝率で、連覇のかかる今シリーズの臨む。
 「(前回から)体調を崩すことなくしっかり(練習を)やることはできた。(四日市は)直線が長いし走りやすいですね。中村(浩士)さんも後ろを回ってくれるし、(3番手がいるのは)大きいと思います」
 前回の松阪記念を7641着と一息だった岩津裕介は、悪いなかでも新たな光を見出しこう言う。
 「(松阪で)自分のなかでこうかなっていうのが見つかった。それに向けて体を変えていかなきゃいけない。すぐに出るっていうものでもないんで、大きな課題ですね。いまの感じでは良くないっていうことはわかった。去年もいろいろやった。でも、やったことがかみ合ってなかった。大きくズレているわけではないんですけど」

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坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 関東3車の先頭を務める木暮安由は、前回の松阪記念を2745着。プラスアルファを求めて新車を投入する。
 「(前々回の)小松島で落車して肩を打ったけど、それから悪くはないですね。フレームが壊れたわけではない。でも、今回から新車にします。(昨年の)オールスターとかで調子が良かった(フレームの)形と寸法がまったく同じのをつくり直した。楽しみですね」
 松阪記念決勝では好ポジションキープも南関勢がつくり出したハイペースにいっぱいだった村上義弘は、無念の5着。18年最初のGIに静かに闘志を燃やしている。
 「(近畿勢が)頑張ってますよね。自分も負けないようにしっかり。ワッキー(脇本)はどうなんですかね。自分はまだまだ課題が多いし、ひとつひとつです。(松阪の決勝も)もっと余裕があれば」
 GIで初めての特選スタートが地元の舞台。ここに照準を合わせきて来た坂口晃輔(写真)は、前回の松阪記念でさらなる上昇へのキッカケをつかんだ様子。
 「ここでの全日本選抜が決まって、最低限、(GIに)出るっていうことから、特選が見えてきた。(選考期間の)半年間を戦い切って、GIの特選に初めて乗れて、それが地元ですから。流れがつながっている感じがします。松阪ではいろんな人としゃべって、ヤマコウさん(山口幸二・62期、引退)のピンポイントのアドバイスで抜群に(自転車が)進むようになった。松阪より確実に(いい状態に)もってこれた。走るのが楽しみです」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 昨年2度目のグランプリ制覇を遂げた浅井康太(写真)のホームバンク凱旋シリーズ。前回の松阪記念では準決で1着失格の途中欠場も、動き自体は悪くなかった。
 「鼻が詰まって花粉症気味ですね、(仕上がりが)ボチボチだと思うし、あとは走ってみて。(ホームバンクのGIでも)いつもと同じで意識することなく、ひとつのレースとして(集中するだけ)。しっかりとレースをしようと思っています」
 「気持ち一本でやっている。自力を出して終われるように」と、吉澤純平は初日から完全燃焼を約束する。
 「(大宮記念の)決勝はワンポイントズレて(仕掛けて)行ってしまった。(後ろが平原康多で)行くしかないと思って踏んだら、結構行けましたね。もうちょっとうまくやれていればよかった。(平原とは)一緒に練習をさせてもらってるし、武田(豊樹)さん、平原さんに聞いたりできるんで環境的には恵まれてます」
 昨年はGIの優出がかなわなかった古性優作だけに、GI開幕に気を引き締めて巻き返しを誓う。
 「去年はGIの決勝に乗れてないですから。安定して決勝に乗れるように。もう(GIが)始まるのかっていう感じです。調子は悪くないし、体の使い方もだいぶ良くなってきた」