『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪レポート』 前検日編

配信日:5月24日

 5月25日から2019年度「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪(FII)」が松山競輪場で開催される。S級S班6名をはじめトップスターが参戦する2日間の短期決戦。初日は参加108名の選手が優秀、特選、選抜の3つに分かれ、優秀競走の上位3名が2日目の「スーパープロピストレーサー賞」に勝ち上がる。
 開催中はイベントも盛りだくさん。初日はみはるのものまねステージや競輪選手トークショー。伊藤豊明氏、山口幸二氏による早朝レース展望会や山口幸二氏、井上勝史氏のレース展望会なども予定されています。「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」をぜひ本場でお楽しみください。

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濱田浩司選手
濱田浩司選手
 松本貴治はダービーに続いてのオープニングレースの1番車。前回の高松ではS級初優勝を飾るなど、ムード良く地元戦を迎える。
 「優勝でホッとしたとかはないけどうれしかった。頑張りましたね。調子は変わらず。普通にいいぐらいです。前回もそうだったし、最近は師匠(濱田浩司)との連係が多いですね。ラインでワンツースリー決まるように頑張ります」
 高松では中本匠栄に粘られ8着に敗れた濱田浩司(写真)。今度は番手を守って差し切りたい。
 「明日(初日)は頑張ってくれるでしょう。高松のときみたいに(笑)。大丈夫、僕は仕上がってるんで。しっかり付いていって、お客さんには悪いけど交わさせてもらいます。高松から松本のフレームを使ってるけど、セッティングも変えたしバッチリです」

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松岡貴久選手
松岡貴久選手
 ダービーの最終日に落車している松岡貴久(写真)だが、続く平塚記念では優出と成績をまとめている。
 「無理やりまとめてる。感じは良くはないけど着だけは無理やりまとめてますね。ダービーでフレームも壊れてしまったし。最近はラインの先頭走ってていいのかなって競走しかしてないけど、初日は前(松川高大)が強いから問題ないですね。付いてくだけです」
 黒田淳は同県の工藤文彦に前を任せて1着を狙う。
 「状態は普通ですね。特にっていうこともないなと思う。ただ今年はまだFIで決勝に1回しか乗ってない。そこがネックです。工藤君とは連係が2回ぐらいある。期待して頑張ります」

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長島大介選手
長島大介選手
 長島大介(写真)は前回、宇都宮記念で決勝に進出。その決勝では南関勢を分断策に出た。
 「あれしかないな。やるしかないなって感じでした。でも技術があまりないんで、なかなか単独になれなかったですね。年頭に乗り方を変えて、感じ自体は良くなってきてると思う。結果も出てきてるので」
 取鳥雄吾はダービー2連対、前回の函館でも2連対と乗れている。
 「(調子が)上がってきて欲しいけど、悪くはない感じ。前回から新しいセッティングで。これでもう少しできれば面白そう。もうちょいしっかり形に持っていければ、もうちょい上に行けるかな。前回の松山(187着)は飛び散らかしたけど、もう大丈夫と信じてます」

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佐々木豪選手
佐々木豪選手
 年頭に立て続けに落車した佐々木豪(写真)だが、ここへ来て調子が戻ってきた。
 「地元なんで楽しんで。ちょっとずつ良くなってきてるかなと思います。小倉も相手(パーキンスやドミトリエフ)が強かっただけで悪くなかった。倒すつもりで行ったんですけどね。年始に2回コケて、あれでだいぶ調子を落としたけど、やっと体が戻ってきたので。最近はレースでも強気にいけてます」
 3月小倉GIIIを途中欠場して、その後35日間欠場していた中本匠栄だが、前回の高松で決勝2着と復帰後は順調だ。
 「小倉初日の接触で右足の小指が折れてた。まだテーピングで止めてるけど、痛みはないんでもう大丈夫です。ただ欠場してる間にトルク系のトレーニングができてなかったので、その部分で物足りないところはある」

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坂本貴史選手
坂本貴史選手
 坂本貴史(写真)はビッグレースでの活躍がFI戦につながらない点にもどかしさを感じている。
 「状態はいいけど、前回(高松259着)みたいにFIで叩くことが多い。GIとかでは戦えてるのに、FIで勝ち切れてない。それが自分の実力だけど、そういうところをしっかりやりたいですね。初日はレースが激しく動きそうだし、そこに乗り遅れないように。しっかりプランを持って走りたい」
 中西大は1カ月近い欠場から今回が復帰戦となる。
 「怪我して休んでました。練習中に腰を痛めて、自転車に乗れなくなった。もう痛みはないけど、練習は1週間ぐらいであまりできてないんで。今回は前を走ってどれだけ粘れるか。脚がない分、気持ちでカバーしないと」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 宇都宮記念は二次予選で敗れた原田研太朗(写真)だが、今回は優出したダービーに近い状態と胸を張る。
 「前回の宇都宮よりはいいと思う。宇都宮はダービーの疲れと花粉でしんどかったんで。呼吸とかしんどかったのが、帰ってから楽になった。状態的にはダービーぐらいにはなってると思う。地元地区だし、しっかり力を出すだけですね」
 松岡健介は前回の平塚で7年ぶりのGIII優勝を飾った。
 「ここ数カ月でだいぶ良くなってきた感じですね。12月に落車して(ろっ骨骨折)痛みはなかったけど力が入りづらい感じがあって、ごまかしごまかしみたいに走ってた。ここまでの練習も普通どおり。何も変わってないです」

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柴崎淳選手
柴崎淳選手
 ダービーでは連勝で準決勝に勝ち上がった柴崎淳(写真)だが、まだ完調ではないようだ。
 「ダービーはたまたまじゃないですか。自分のなかでは戻ったとは思ってない。2月の全日本選抜とかはいい感じになってきてたけど、ここ(3月松山記念)で落車しておかしくなってきた。僕は感覚が全て。脚は変わらなくても、感触がまだね。それを今回で払しょくしないと」
 平塚記念では3着1回に終わった簗田一輝だがダービーで落車の影響はないと話す。
 「しょうがないですね。平塚は擦過傷が残ってて、そのなかでやったほうかなと思う。ダービーの落車がそんなにひどくなくて、(ダービーのあとから)普通に練習はできてた。体は大丈夫だったので。松山は初めて。みんな強いんで負けないように頑張ります」

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)は宇都宮記念で3721着。二次予選で敗れてしまったが、ダービーの落車を考えればまずまずの走りだった。
 「宇都宮はあまり良くなかったけど、これからレースを走れば良くなると思うので焦らずやりたい。後ろが中四国勢っていうのは意外だったけど、付いてくれるのはありがたいと思うので。落車で違和感は特にないし、今回も休まず4日間練習して悪くなかったです」
 吉田の番手は地元の橋本強が回る。
 「久しぶりに練習の感じが良かった。やっと体が動いてきた感じがしますね。最近練習では全然踏めてなかったけど、入る前に久々に感じいいなと思った。1着取れそうな脚はあります」

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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 渡部哲男(写真)は前回の宇都宮記念を途中欠場。地元のここから仕切り直したい。
 「宇都宮は体が重かった。ダービーの疲れですね。疲れを取り切らずに練習したからかもしれないけど、宇都宮はアップのローラーから重かった。今回は上積みうんぬんじゃない。疲れは抜いてきたつもりだけど、自信はないですね」
 自力になった金子貴志だがダービーの3走目には逃げ切っているだけに軽視はできない。
 「状態は悪くない。前回は打鐘のところで(内側追い抜きで)失格。バック踏めなかったです。明日(初日)は自力で頑張りたいですね。去年は(豊橋の)バンクが使えなくて調子を落としたけど、その頃に比べたら良くはなってます」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 ここからは優秀競走。上位3名が2日目の「スーパープロピストレーサー賞」に勝ち上がる。清水裕友(写真)はダービーで決勝2着。続く平塚記念でも決勝進出と調子を戻している。
 「ダービーは怪我とかがありながら戻してる最中で準優勝できたんで、それは自信になりますね。平塚は疲れてるなかで決勝に乗れたのは良かった。2段駆け相手が多かったので苦しかったけど。来月は宮杯もあるけど、まずは一戦一戦頑張るだけですね」
 渡邉雄太はウィナーズカップ、ダービーとビッグ連続優出するなど乗れている。
 「自分のなかでも引き続き調子はいいと思います。思ったようなレースもできてる。宇都宮(記念)が終わってからここまでは普通にいつもどおり。ただ自転車は元に戻しました。こっちのほうが全体的に感じがいいかなと思ったので」
 2月全日本選抜から3カ月連続で落車している浅井康太だが、宇都宮記念の決勝では単騎でまくるなど存在感を見せた。
 「宇都宮は走り切ったほうですね。競輪は気持ちなんで。(決勝は)ラインがなくても仕掛けることは考えてたし、ラインがあれば優勝の可能性はあった。動かずの着より動いて優勝したかったし、動けば今、自分が置かれてる場所がわかる。それは良かったかな。まだろっ骨は痛いけど、来月はあっせんが止まるし、7月ぐらいから走り切れる体に戻したい」

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古性優作選手
古性優作選手
 ダービーで優出し、前回の岸和田でも連勝で勝ち上がった古性優作(写真)。来月に控える地元GIへ向けて、着実に調子を上げている。
 「最近は自分でもいいレースができてると思う。セッティングも今は出てる。宮杯が終わってからは色々やりたいことがあるけど、それまでは今の自転車でいきたい。散々やって失敗してるので、宮杯ではしっかり勝負したいですね。ダービーで課題も見つかったけど、脚力は上がってきてるのかなと思う。そこは自信になりました」
 菅田壱道は高松宮記念杯をにらんで新車を投入する。
 「引き続き悪くないですね。今は宮杯に向けて上積みの段階。色々フレームとか試したり、宮杯で絶好調に持っていきたいので今回は新車を使います。次に函館もあるけど、1走でも多くこの新車で走って感覚をつかみたい」
 山田英明は山崎賢人の番手でチャンスをうかがう。
 「最近はけっこう多いですね。相性がいいんで頑張ります。自分の感じは良くなってる。レースと練習は違うんで、あとはそれがかみ合ってくれれば。今は我慢の時期かなと思ってます。33バンクは苦手だけど、そのなかでダービーは戦えた。負け戦でも1着取れたし、それは大きいなと思う」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は4月川崎記念から続いた南関のGレースを優勝も含め安定した成績で終えた。
 「調子だったり体の状態は問題ない。正直、今回は仕上げるという段階ではないんですけど、内容にはこだわってしっかりレースがしたい。年頭から体の状態は良かったし、FIで飛んだりしてたけど手ごたえは感じてたので。最近は順調に成績が上がってきたのかな。ここから宮杯に向けて気持ちも脚も仕上げていきたい」
 太田竜馬は新車を投入した前回の富山FIで112着と好成績を残した。
 「調子は変わらず。最近は脚も付いてきて、自信も付いてきてる。長い距離を踏めるようになってきて自然にバックが増えたんだと思う。富山から新しいフレームを使ってるけど、感触はすごく良かった。今の体調とか環境にマッチしてるんだと思う」
 ダービーは945着と惨敗した新山響平だが、前回の小倉では2連対と復調気配を見せた。
 「ダービーが悔しかったんで、とりあえず練習してます。ダービーの前にセッティングをいじったけど、無理やりすぎた。いきなりやりすぎたので、こういうのは徐々にやってくもんだなと思いました。やっぱり乗りやすいように乗ろうと思って前回から元に戻しました」