『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪レポート』 最終日編

配信日:5月26日

 2019年度「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪(FII)」は5月26日に2日目、最終日を迎えた。メーンの「スーパープロピストレーサー賞」は太田竜馬が快勝。打鐘過ぎ4コーナーから一気にカマして平原康多、郡司浩平らを破った。

SPR賞出場選手特別紹介
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Mr.シャチホコ ものまね・お笑いステージ
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スーパープロピストレーサー賞 ダイジェスト

 号砲で出た最内枠の小倉竜二が、別線の動向を見ながら前を取り、太田竜馬を迎え入れる。以下は、平原康多-諸橋愛、山田英明-中川誠一郎、郡司浩平-和田健太郎、単騎の木暮安由で周回。
 青板3コーナーから上昇した郡司に、九州コンビと木暮が続き太田を押さえる。平原も赤板の1センターで切り替えると、すぐさま2コーナーから踏み込んで4番手の中川の外まで追い上げて打鐘。隊列が短くなったところで、後方に下げた太田が反撃に出る。一気に郡司を叩いて最終1コーナーで先頭に立つと、そのまま別線を完封して力強く押し切った。太田マークの小倉が2着に続いて徳島ワンツー。太田に叩かれるも、3番手をキープした郡司が3着に入った。






<7R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 主導権を握った工藤文彦を単騎の吉田拓矢がバックからまくる。この動きに続いた柴崎淳(写真)が外を一気に突き抜けた。
 「昨日(初日)と一緒やな。展開がそうなってるんで。昨日より吉田のスピードが良かったんで、それをもらって。(自分の感じも)良かったと思います。初日にセッティングをけっこうイジってストレスなく乗れた。でも明日(27日は競技でチームスプリントに出場)が緊張するなあ」
 単騎でまくった吉田拓矢が2着に。
 「しっかり仕掛けられたので良かった。後ろに柴崎さんがいるのは分かってたんで、ゴール前勝負できればと思ったら軽々行かれたんで。鍛え直します」

<8R>

根田空史選手
根田空史選手
 石塚輪太郎が打鐘で先頭に飛び出して徐々にペースアップ。6番手に追い上げた佐々木豪が最終ホームで仕掛けるも、石塚は出させず更に加速。前団の隊列が短くなったところを、後方の根田空史(写真)が2コーナーから仕掛けて一気にまくり切った。
 「展開が向いてくれました。前が勝手にやり合ってくれた。佐々木君が石塚君を叩きに行くと思っていて、その動きに付いていこうと車間を空けたら佐々木君に入られてしまった。そこは想定外でした。まくりだったけど、道中は楽に脚を回せているし、車の出も良い。前回よりも感じは良かった」
 小原太樹がしっかり続いて南関ワンツー。
 「佐々木君が根田の前に入ったのはびっくり。でも、とにかく根田が強い。それに尽きます。差せれば100点だったけど、離れなかったので良しとします。ワンツーが決まって良かった。次は抜けるようにもっと練習を頑張ります」

<9R>

簗田一輝選手
簗田一輝選手
 松本貴治の動きを制して伊藤裕貴が打鐘前から誘導員を下ろして主導権。3コーナーから松本も叩きに行くが出切れず。中団を確保していた簗田一輝(写真)が2センターからのまくりで前団を飲み込んだ。
 「中団中団を回ればやり合ってくれるかなと思ってた。理想の展開になりましたね。松山が走りやすいのか状態がいいのかはわからないけど、いいですね。悪くないかなと思います」
 中部3番手を回った志智俊夫が中割り鋭く2着に食い込んだ。
 「伸びたかはわからないけどね。踏むところがあったんで良かった。展開もいいし、脚も軽かった」

<10R>

古性優作選手
古性優作選手
 清水裕友が打鐘の2センターで吉澤純平を叩いて先制。古性優作(写真)が反応良く3番手に続いて最終ホームを通過する。古性は2コーナーから踏み込んで清水をまくり切り、村上義弘とワンツーを決めた。
 「後輪がずっと飛んでいて…。まくれたのはたまたまです。村上さんが清水に絡まれてしまったので…。前回から後輪を換えていたけど、宮杯前に試したかったので。体自体は反応もできているし、良いと思います」
 清水にけん制を受けたが凌いだ村上義弘が最後は古性に詰め寄って2着。
 「(清水にブロックを貰った)あの辺りは全然(平気)。それよりも直線(バック)から3コーナーの入り口のところで優作につっかけてしまった。そこがミスかな。あとはしっかり見てって感じでした。死に体で戻ってきたので前との車間は空いたけど、2着をキープできて良かった。優作と僕で応援してくれているファンも多いので」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 赤板ホーム過ぎから新山響平、三谷竜生で踏み合いになり、新山が強引に前に出たが、番手の渡邉一成は連結が外れてしまう。それでも渡邉が打鐘で追い上げると、そこを山崎賢人が一気のカマシ。番手の松浦悠士(写真)は三谷の巻き返しをブロックすると、直線鋭く抜け出した。
 「賢人が頑張ってくれました。ちょっとブロック失敗したっていうのもあるし、うまくやれば賢人も残っただろうからね。技術不足で(前後の)2人には悪いことをした。(初日落車しているが)体は大丈夫。少し重たいけど、1着取れてるし、そこまで影響はない」
 単騎の浅井康太は三谷ラインを追うと、2センターからのまくり追い込みで2着に入った。
 「竜生が中団中団回ることを想定してたし、絶対仕掛けるんで。僕は2センターから外を踏んで2着まで行けた。踏み応えもありますね」

<12R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 前受けから後方まで引いた太田竜馬(写真)が打鐘の4コーナーから一気に仕掛けると、先行態勢の郡司浩平を最終1コーナーでまくり切る。バックを先頭で迎えた太田がそのまま後続の追撃を許さずSPR賞を制した。
 「良いメンバーの中で優勝できたので自信になりました。今日は誰かが押さえにきたら全部引くって決めていて、流れの中で仕掛けていこうと。(前受けからなら)誰かが動くと思うのでタイミングを見ていきました。(平原の動きもあって)ああなって仕掛けやすくなった。最近はスピードにも自信が出てきています。バックでは小倉さんの優勝だろうと思ったけど、意外と最後まで粘れましたね。力を出し切れるようになったし、少しずつ成長できていると思います。(今後も)もっとスピードに磨きをかけていきたいです」
 太田をマークした小倉竜二がしっかり続いて2着。レース後は終始後輩を称えた。
 「外国人や。一気にカマす感じだったし、(付いていて)気持ちが良かったですね。今日の作戦は前を取って引いてって感じの外国人スタイル。軽く行ってしまったし、ずっとカカっていましたよ。太田にとって1周くらいなら楽なんでしょうね」
 太田にまくられた郡司浩平だったが、3番手で態勢を立て直すと懸命に踏み続けて3着に食い込んだ。
 「太田がだいぶ引いたので、先行するくらいのつもりで踏んでいれば番手か3番手に(すんなり)入れたんでしょうけど。そこだけ反応が遅かった。力負けです」
 S班で唯一勝ち上がった平原康多だったが、5着が精一杯。 
 「太田が全部引いたから先に行こうと思ったけど(郡司に)突っ張られちゃって、(太田を)引き出しちゃった。最後は山田君も浮いていたので外はきつくて内しかなかった。太田が凄いカカリでしたね」

次回のグレードレースは6月1日~4日まで取手競輪場で開催予定の取手競輪場開設69周年記念「水戸黄門賞(GIII)」となります。
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