全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪
 
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 来る5月17日に花月園競輪場にて「第56回全日本プロ選手権自転車競技大会」が開催されるが、それに先立つ15、16日の両日に「同大会記念競輪」が実施される。初日のメインとなる優秀競走3個レースにはS級S班18名が総出場の予定で熱戦が期待されるが、優秀競走を勝ち上がった9名による2日目のスーパープロピストレーサー賞では武田豊樹の3連覇に注目が集まる。
 
競界を代表するトップアスリートたちが横浜で激突!
ダービー王・武田豊樹が3連覇の偉業に挑む
 

武田豊樹 茨城・88期

山崎芳仁 福島・88期

加藤慎平 岐阜・81期
 初日のメインである優秀競走3個レースに出走するのはS級S班18名に審査対象期間(平成20年8月~11月)における平均競走得点上位9名の豪華メンバーが揃い踏みで、各レースで3着までに入った選手たちが2日目に行われるスーパープロピストレーサー賞へ勝ち上がるが、今開催の一番の注目選手といえばやはり武田豊樹だろう。
 武田は日本選手権でGⅠ初タイトルを獲得したが、目下スーパープロピストレーサー賞を連覇中で3連覇の偉業達成に期待がかかる。前々回は関東4人で結束、平原康多の先行に乗って番手捲りを打ちラインで上位を独占、前回は目標の平原が不発に終わったが、平原の捲りにスピードをもらった武田が大外を強襲して優勝しており、今年もダービー王・武田が関東ラインでの上位独占を狙ってくる。
 逆転の一番手は山崎芳仁と伏見俊昭の福島コンビだ。山崎は競輪祭での圧勝劇のあとは東王座戦、日本選手権と連続で優出を逃しているが、輪界の王者がこのまま落ち込んでいるわけがなく、そろそろの巻き返しが期待できる。
 伏見も日本選手権では山崎と共倒れで準決勝で敗れたが、次場所のいわき平記念では中団からの鋭い捲りで地元優勝を決めており、今回もライン的に恵まれない組み合わせになったとしても好位からの自力発進でチャンスをものにしてくるだろう。
 復調なった小嶋敬二や永井清史を目標に連日展開有利にレースを運べそうなのが中部の加藤慎平だ。加藤は西王座戦で久しぶりのビッグレース制覇を飾り、日本選手権でも惜敗の準優勝と完全復活を果たしており、連係実績豊富な小嶋や永井とのタッグなら勝機は限りなく高い。
 そのほか海老根恵太、新田康仁、石橋慎太郎らとの連係で差し脚を伸ばしてくる渡邉晴智の台頭も十分で、石丸寛之と三宅伸の岡山コンビや井上昌己の捲り一発もやはり侮れない。
 
若手とベテランが入り乱れての先行争いが見どころ
 

吉田敏洋 愛知・85期
 初日の特選3個レースには選考順位28位から54位までの27名が出場するが、各レースで5着までに入った15名が2日目のダイナミックステージへ進出する。
  一番の注目選手は長かったスランプをようやく脱して快進撃を続けている吉田敏洋だ。 吉田は日本選手権では準決勝で惜しくも逃げて4着と敗れたが、予選は堂々の逃げ切りでの2連勝で、順位決定では山崎芳仁-伏見俊昭の福島コンビを捲りで一蹴しており、今回も連日の先行策で押し切りを狙ってくるだろう。
  ほかにも中部には浅井康太、柴崎淳、金子貴志と積極的な自力型が揃っており、否が応でも総大将の山田裕仁に展開が向いてくるだろう。山田自身も2月・静岡記念を優勝、西王座戦が準優勝と元気一杯で、日本選手権では敗者戦ながら逃げ切りでも勝ち星も挙げており、今回は2連勝が期待できる。
  日本選手権で魂の走りを見せた村上義弘の機動力も強力だ。近況は捲りに廻されるケースが多く、日本選手権でも捲りの3連勝での勝ち上がりだったが、もちろん先行力もまったく衰えておらず、今回も若手を叩いての先行勝負がありそうだ。
  2月・奈良記念で悲願の記念初優勝を達成した三宅達也の先行力も侮れないところだ。日本選手権でも二次予選で敗れているが、連日の積極的な走りで中四国勢の勝ち上がりに貢献しており、今回も中四国ラインができれば得意のカマシで主導権取りを狙ってくるだろう。
 
名古屋記念完全優勝の 新鋭・木暮安由に注目
 初日の選抜5個レースには選考順位55位から99位までの45名が出場するが、各レースで2着までに入った10名が2日目のダイナミックステージへ進出する。
  選抜組の一番の注目株は木暮安由だ。3月・名古屋記念ではデビュー3年目で早くも記念優勝を達成。小嶋敬二や海老根恵太を敗っての堂々たる優勝で、しかも無傷の4連勝のおまけつきだ。新人らしからぬ競走センスでの好位奪取と勝負強さが木暮の魅力で、選抜競走なら力の違いを見せつけて圧勝してくるだろう。
  その木暮を3月・京王閣FⅠで敗って優勝したのが山賀雅仁だ。山賀は2月にギア倍数を4・08へアップしてから勝ち星を量産中で、京王閣の決勝戦では先手ラインの番手を奪った木暮の上をあっさりと捲っていって優勝と大ギアの威力を見せつけていた。
  濱田浩司も選抜組では格上の存在で、昨年12月の佐世保記念ではやはり4・08の大ギアの威力を爆発させてうれしい記念初優勝を達成している。3月の地元・松山記念でも優勝はならなかったが、初日特選は海老根恵太の先行を捲って1着、準決勝Aは井上昌己を下して1着と好調だ。
 
平原の捲りに乗った武田が連覇
 平原康多-武田豊樹-村本大輔が前受け、その後ろに単騎の岡部芳幸、5番手に岩津裕介-石丸寛之-三宅伸、8番手に渡部哲男-小倉竜二の並びで周回。赤板から岩津が上昇して打鐘から一気に主導権を奪う。6番手に引いた平原が最終2角から仕掛けると石丸が番手捲りを打ち、2センターからは三宅が踏み込んで直線では三宅と平原のマッチレースかと思われたが、平原後位から大外を伸びた武田が先頭でゴールを通過、2着は三宅、3着は平原だった。


武田はケイリン競技でも連覇中