全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪
 
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 来る5月16日に北海道・函館競輪場にて日本を代表するトップレーサーが集結するトラック競技の大会「第57回全日本プロ選手権自転車競技大会」が開催されるが、それに先立つ14、15日の両日に「同大会記念競輪」が実施される。2日間のみの開催だが、S級S班18人を始めとするスター選手が勢揃いで、熱気と興奮が渦巻く見応えたっぷりの戦いが繰り広げられるだろう。
 
 
優秀

山崎芳仁が積極的な仕掛けで北日本勢を引っ張る!
勢いで優る村上兄弟が再びのワンツーを狙う
 
山崎芳仁選手

武田豊樹選手

村上博幸選手
 本大会のメインレースとなるのは、初日に3個組まれている優秀競走で3着までに入った選手たちによって戦われる2日目のスーパープロピストレーサー賞だ。
 スーパープロピストレーサー賞は07年、08年と関東ラインの援護を受けた武田豊樹が連覇したが、昨年は王者・山崎芳仁が打鐘からの先行勝負に出て、番手から抜け出した伏見俊昭が優勝を決めている。今回も函館競輪場での開催となれば、伏見や成田和也らの北日本勢を連れての山崎の積極的な仕掛けがありそうだ。今年の山崎は2月の東王座戦ではまたもや平原-武田の関東勢に先手を取られて不発の8着、3月の日本選手権でも義弘と博幸の村上兄弟に先手を取られて不発の7着と大敗が続いているだけに、今回は決して後手を踏まない走りで巻き返しを狙ってくるに違いない。
 武田豊樹の返り咲きも侮れない。今年初のビッグレースとなった東王座戦では平原の先行に乗って優勝と、相変わらず関東ラインの結束は鉄よりも固い。次場所の日本選手権では準決勝で惜しくも4着と敗れたが、二次予選は逃げ切り、6日目順位決定も逃げて2着に粘っており体調面にはまったく問題はない。さらに3月のいわき平記念でも準決勝Aで敗れたが、残り3走はオール1着で、特に2日目優秀では4人揃った福島勢を相手に堂と逃げ切っている。
 勢いで優るのは義弘と博幸の村上兄弟だ。見事すぎる兄弟ワンツーで、博幸が日本選手権を制したのは記憶に新しいが、兄の義弘は次場所の岸和田記念でも2日目優秀と準決勝Aを捲りの2連勝と好調を維持している。弟の博幸も次場所のいわき平記念でしっかりと決勝進出、決勝では中近ラインの3番手だったが、鈴木謙太郎-山崎-伏見-佐藤慎太郎の地元勢を相手にダービー王にふさわしい走りで優勝をもぎとっており、今回も仮に兄弟連係が実現しなかったとしても十分に一発が期待できる。
 
 
特選

渡邉一成が持ち味の仕掛けで押し切りを狙う
 
渡邉一成選手
 今大会には99名の選手が出場予定だが、S級S班に在籍の18名と、昨年9月から今年2月までの選考期間における平均競走得点上位者の9名の計27名が初日の優秀3個レースに出走する。
 初日の特選3個レースには選考順位28位から54位までの27名が出走する特選組の1番の注目選手は、やはり地元・北日本の渡邉一成だろう。
 渡邉は2年前に北京五輪に出場した頃と比べると近況は特に目立った活躍はないが、直近4カ月の勝率が3割8分、連対率は6割1分と成績は安定している。3月の日本選手権では準決勝で伏見俊昭を連れて逃げて8着に沈んだが、残り3走を先行と捲りで3勝しており、特選組の中では先行力は1番だ。
 捲り1番は荒井崇博だ。今年は正月開催の岸和田FⅠを捲りの3連勝で優勝して好スタートを切り、1月・川崎FⅠも捲りで3連勝している。だが、2月・豊橋FⅠで落車し、その影響で日本選手権では一次予選で敗退、次場所の岸和田記念でも決勝進出を逃しているが、3月末の伊東温泉FⅠは捲りで今年3度目の優勝を飾り力の違いを見せつけているので復調に期待だ。
 ベテランの三宅伸が近況好調だ。S級S班の座からは陥落したが、2月・奈良記念で決勝進出、日本選手権では一次予選で敗れたものの2度連絡みを果たしている。特に4日目特一般では逃げて2着に粘り、次場所の小松島FⅠでは渡部哲男の捲りを差して今年初優勝を飾っている。
 
 
選抜

話題のルーキー・深谷知広が圧勝劇を披露する
 
 初日の選抜5個レースには選考順位55位から99位までの45名が出走するが、選抜組の1番の注目選手は話題のルーキー・96期の深谷知広だ。
 昨年7月22日にデビューした深谷はわずか56日後の9月15日に無傷の18連勝でS級特昇を決めた。期待されたS級最速優勝の記録更新はならなかったが、2月・玉野FⅠでは堂々の逃げ切りで初優勝を飾り、3月・松阪FⅠでは稲垣裕之の先行を最終ホームで叩いて主導権を奪い、2着に4車身の差をつけて圧勝している。
 深谷に敗られるまでS級最速特昇記録を保持していたのが菊地圭尚だ。菊地も近況は好成績が続いており、2月・静岡記念の準決勝Aで海老根恵太を敗って1着で決勝進出した。日本選手権では一次予選と二次予選をともに捲りの2着で突破して準決勝まで進出しており、今回もホームバンク函館で好走が期待できる。

4月21日現在の出場予定選手によるレース展望です。選手の欠場等により出場選手が変更となる場合がありますので、ご了承ください。


語り継がれる名勝負
スーパープロピストレーサー賞(平成21年5月16日)
山崎の先行を目標に伏見が1着!
 海老根恵太―渡邉晴智、山崎芳仁―伏見俊昭―岡部芳幸、石丸寛之―大塚健一郎、佐藤友和―加藤慎平の並びで周回。 赤板前の3角から佐藤が上昇し、前受けの海老根を抑える。続いて石丸も上昇して3番手で海老根と並走する。すると打鐘とともに7番手の山崎が踏み込み、一気に主導権を奪う。石丸をどかした海老根がすかさず捲っていくが、伏見の絶妙な牽制を受けて不発。ゴール前では粘る山崎を伏見が捕らえて優勝、2着は渡邉、3着には山崎が入った。

昨年のSPR賞ゴール。③伏見俊昭が1着
昨年のSPR賞ゴール。伏見俊昭が1着