『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪レポート』 最終日編

配信日:5月18日
 全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪は今日2日目が最終日。トップレーサーが取手バンクを舞台に熱戦を繰り広げた。メーンのスーパープロピストレーサー賞は浅井康太が力強くまくって快勝した。
 明日19日は第61回全日本プロ選手権自転車競技大会が開催されます。プロ選手たちがいつもの競輪とはひと味違う自転車競技で技と力を競います。競技開始は午前9時30分の予定。ぜひ、取手競輪場でお楽しみください。

工藤元司郎氏 予想会
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烈車戦隊トッキュウジャー キャラクターショー
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特別選手紹介 意気込みを語る
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中野浩一氏 トークショー
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決勝戦 レース経過
 号砲で浅井康太が飛び出し、誘導員を追って出て行く。金子貴志、志智俊夫がそれに続くが、単騎の神山拓弥が先頭を主張し浅井は下げる。以下隊列は、岩津裕介―小倉竜二、脇本雄太―東口善朋―伊藤保文で周回を重ねる。
 赤板1センターから仕掛けた脇本は、打鐘で神山を叩き主導権。神山はイン粘りで東口から脇本の後位を奪いに出る。一旦は神山が東口に競り勝つも、2センターから踏みあげてきた岩津が脇本の後位に追い上げて脇本後位を奪う。浅井は内から前団を追い5番手を確保したが、金子は踏み出しで浅井と離れてしまう。ペース駆けの脇本に対し、浅井は最終バック前からまくり発進。好回転で前団に迫ると、ゴール寸前でまくり切った。浅井はこれで今期2度目の優勝。脇本の番手を奪った岩津が直線で伸びるも2着。脇本はペース駆けもやや末脚を欠いて3着。


ゴール
ゴール
同県の選手と喜びを分かち合う
同県の選手と喜びを分かち合う
表彰式
表彰式
<1R>
 打鐘から松坂洋平と坂本貴史で激しい主導権争いに。ホーム7番手から仕掛けた河端朋之が後続を大きく離したが、河端を追う形で最後方からまくった黒田淳が1着をさらった。
 「打鐘からペースが上がって、どこもスイッチするところがなかった。でも前でやり合いになったし、河端が行かなければ僕はいつもどおりに行こうと思ってました。河端がいい目標になりましたね。岡山でワンツー? あれは無理です」

<2R>
 赤板の1センターから仕掛けた郡司浩平が打鐘で先頭に立つが、永井清史がすかさずカマして先行。好スピードで駆ける永井を懸命に追った萩原操が直線で鋭く追い込んだ。
 「踏み出しがきつかったですね。世界のダッシュはやっぱりすごい。昔だったら諦めてたけど、何とか頑張った。追い付いてからは脚を溜めようと。抜けたので良かったです」

<3R>
 赤板からじわりと踏み出した角令央奈を松岡篤哉が打鐘過ぎに叩いて主導権。後方に車を下げた北津留翼がホームから一気にまくり切ると、好追走の安東宏高がゴール寸前で捕らえた。
 「とにかく翼が強かったですね。付いていけてるんで調子は悪くないと思うんですが、それでも翼のおかげとしかいえないです」
 ロングまくりの北津留翼が2着で九州ワンツー決着。
 「みんながどんどん出て行ったので、自分の番だな、と思ってホームから仕掛けました。(初日に)石丸(寛之)さんがロングまくりで1着だったのを見てたので、ホームからでもいけそうだなって。風もなかったし、バンクも軽く感じました。さらっといけましたね」

<4R>
中村一将選手
中村一将選手
 山形一気の上昇を三谷竜生が赤板で突っ張って前に出る。後方7番手に置かれた菅田壱道が打鐘から一気にカマして最終主導権。3番手からまくった三谷は不発に終わったが、そこから自力に転じた中村一将(写真)が力強く東北勢を飲み込んだ。
 「三谷君のおかげ。菅田君がいいタイミングでカマしてきて正直、厳しいかなって思ったけど、三谷君がラインを思って無理やり仕掛けてくれました。共倒れに終わるのは避けようと思ったし、待ってから踏みました。自分は脚を使っていなかったので何とか勝てました」

<5R>
西谷岳文選手
西谷岳文選手
 前受けの稲毛健太は7番手まで車を下げるが、打鐘から一気に巻き返して主導権を奪う。番手の西谷岳文(写真)が好援護から勝機をきっちりものにした。
 「稲毛君があれだけ頑張ってくれましたからね。できる限りの援護はしようと思ってました。(大西祐の)まくりは見えていたので止められました。最後は稲毛君が踏んでいたので、待ちながら踏みました。初めての連係が決まって良かったです」
 稲毛健太は抜群のタイミングでカマして2着に粘り込んだ。
 「昨日と違う走りをしようと思ってました。うまくいきましたね。しんどかったけど、感じは良かったです。点数を上げないといけないと思ったし、結果が出て良かったです」

<6R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 和田真久留の抵抗を受けながらもホームで強引に叩き切った竹内雄作(写真)が押し切り。シリーズ連勝を飾った。
 「今日は先行したかったんで。無理くりでも行かないと浮いちゃうし、坂口にも迷惑をかけると思った。坂口は同い年で信頼できるマーク屋ですから。バックが取れてよかった。明日の競技につながる? 出し切ってて逆に不安です」
 2着には坂口晃輔が続いた。
 「(竹内が)フワッとやめたんで、突っ掛かりそうになりつつ、そこから行かれたんで。何とかついて行けてよかった。後ろが気になったけど、雄作がかかってましたね。抜ける気がしなかったです」

<7R>
高橋陽介選手
高橋陽介選手
 6Rの竹内雄作に続いて高橋陽介(写真)もシリーズ連勝。練習の成果をいきなり発揮した。
 「昨日駆けたかったけどできなかったんで、今日はしっかり押さえて(先行)と思ってました。カマシを合わせられたし、いい粘りだった。今回は練習してたし、自信を持って走れました。宮杯に向けていい感じに走れたと思います」
 番手の内藤宣彦は逆転ならず。
 「キツかったですね。陽介も引き付けながら踏んでたし、強かった。僕はちょっと練習不足の感じが出ましたね」

<8R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手
 機動型の3人が打鐘から互いを意識しあって踏み合う流れ。最終的に主導権を握った飯野祐太(写真)が最後まで力強く踏み切った。
 「みんな同時に仕掛けた感じだったので、きつかったですね。3着ぐらまでに残れればと思ったけど、まさか逃げ切れるとは。最後はいっぱいだったけど、連勝できて良かったです」
 大槻寛徳が2着に流れ込み、人気の東北コンビでワンツー決着となった。
 「飯野君がめっちゃ強かったです。前回の落車でフレームが壊れて、今回は新車なんですが、セッティングがいまいちですね。修正しないといけない」

<9R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 超細切れらしく、入れ替わりの激しいレースになったが、最後は井上昌己(写真)が豪快にまくって人気に応えた。
 「緩んだらいこうと思っていました。合わされるかと思ったけど何とか乗り越えられました。かなりきつかったです」
 園田匠がからまれながらも懸命に井上を追って2着をキープした。
 「本当に何とかですね。厳しかったけど対処できました。とりあえずワンツーが決まって良かった。お客さんに迷惑をかけずに済みました」

<10R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 野田源一が斬った上を池田勇人(写真)が先行。別線の反撃を封じると、力強く押し切った。
 「理想的な展開になりましたね。今日はやり合いでも先行と思ってたのでよかった。展開一本ですね。誘導が上がってて斬ったときに変に脚を使ったのでケツを上げずにペースでと思った。最後は合志さんがすごいスピードできたんで危なかったです」
 2着には野田後位から中を鋭く割った合志正臣が食い込んだ。
 「ゲン(野田)が内々に行ったし、友定(祐己)も飛ばなかったので、しょうがなくゲンが割りに行く中を割った。危なかったけど、無事で何よりです」
 神山雄一郎は3着。「前が頑張ってくれたけど、脚が一杯になった」とレースを振り返った。

<11R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
脇本雄太選手
脇本雄太選手

 スーパープロピストレーサー賞はバックまくりの浅井康太が快勝。ホームから上手く脇本雄太の番手に追い上げた岩津裕介(写真)は惜しくも2着に敗れた。
「前(脇本)も後ろ(浅井)も強かったですね。神山が飛びつくのは想定に入れてたけど、ワッキーが飛びつかせないように行く可能性もあるし。みんな強いんで難しかったです」
逃げた脇本雄太(写真)は3着に。
「自分のレースをして、あの展開で3着は力不足。最終4コーナーまでは自分が優勝かなって感覚はありましたけどね」
一度は浅井との連結が外れた金子貴志だったが、バックからまくり上げると再度ドッキング。浅井に続いたが、惜しくも確定板には届かなかった。
「(内に行った浅井に付いて行けるか)微妙な感じだったんで、外からしかないなと。浅井は強かったですね。前もかかってたし、キツかったです。あれをよく行きましたね、浅井は」
前受けから脇本の番手で勝負した神山拓弥は岩津の追い上げにあい5着に敗れた。
「脇本が後ろになった時点で、引いてられないんで。粘って勝負しようと。追い上げられたのが課題ですね。そこからの脚がまだなかったです」

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