『被災地支援競輪全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪レポート』 初日編

配信日:5月21日
 伊東温泉競輪場で平成28年熊本地震被災地支援・東日本大震災被災地支援・障害者スポーツ支援「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪(F2)」が、5月21日に幕を開けた。G1にも引けを取らない豪華メンバーの競演に、1レースからスタンドは大いに沸いた。初日のメーン優秀の3個レースでは、新田祐大、武田豊樹、浅井康太のSS班3人が、それぞれ白星を飾った。22日の2日目には、優秀を勝ち上がった9人によって、「スーパープロピストレーサー賞」が行われる。
 本場では22日の2日目にも、先着来場者(500人)プレゼント、2000円以上の未確定車券1回で伊東温泉ペア宿泊券(特賞)、32型液晶テレビ(1等)などが当たる「ガラポンコンピューター抽選会 」、「勝利者インタビュー、ウイニングラン」、「動物戦隊ジュウオウジャー」のショー、バルーンアートショー、「スピーチーズ」のミニライブなどが予定され、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、伊東競輪場へ足をお運びください。
半旗を掲げ黙祷
半旗を掲げ黙祷
アイドルレーサー 小川美咲 トークショー
アイドルレーサー 小川美咲 トークショー
エスパー伊東 お笑いライブ
エスパー伊東 お笑いライブ
中村 愛 マジックショー
中村 愛 マジックショー
ミスター競輪 中野浩一 トークショー
ミスター競輪 中野浩一 トークショー
ハリウッドザコシショウ お笑いライブ
ハリウッドザコシショウ お笑いライブ
<1R>
阿竹智史選手
阿竹智史選手
 赤板で出た雨谷一樹が先行態勢。外併走の稲毛健太が赤板の2コーナーから踏み込んでダッシュ自慢の両者で激しい叩き合い。中団の高橋陽介はからんで仕掛けられず、阿竹智史(写真)が最終ホーム手前から反撃に出る。が、自力に転じた筒井裕哉も合わせてまくる。合わされた阿竹は、態勢を立て直し筒井を追って最後は差し切った。
 「仕掛けるタイミングはバッチリだったと思うし、落ち着いていました。脚も軽かったし、今回は仕上がりがいいと思います」
 目標の稲毛は不発。筒井裕哉は高橋に弾かれながらも、最終1センターからまくりを打って2着。
 「稲毛君が行けるかどうか見ていたが、厳しそうだったので下げて立て直そうと思った。高橋君が内からからんできたので、少し意地になってしまった。最後は末が甘かったけど、車の出は悪くない」

<2R>
野原雅也選手
野原雅也選手
 大西祐、渡部哲男を連れて主導権を握った山形一気の先行策。四国ラインを追った野原雅也は、桐山敬太郎が踏み遅れて空いた4番手に入って打鐘を通過。最終ホーム手前から野原が踏み出すと番手発進で応戦する大西をあっさり飲み込んで、野原マークの松岡健介がゴール寸前で交わした。
 「(野原)雅也が強かった。自分は安心してたし、余裕もなかったですね。最終バックくらいでは、自分は2(着)かなっていうくらい強かった」
 四国勢に警戒されてまくりにまわった野原雅也(写真)は、松岡との近畿ワンツーにホッと一息つくも仕掛け遅れを反省する。
 「8番(山形)が叩いたところをすかさず叩きたかった。そしたら(山形が踏み)やめなかったんで、ちょっと行けないかなと…。ジャンで詰まったんですけど、そこのワンチャンスを見送ってしまった。(松岡と)ワンツーで良かったけど、この先のことを考えたらそこら辺をしっかりとしないと。ただ、脚は悪くないのかなって思います」

<3R>
渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 切って出た松川高大を、渡邉雄太(写真)が赤板手前で叩いて先行策。渡邉がうまくペース駆けに持ち込むと、3番手を奪った松川や、佐藤博紀のまくりを不発にして、番手の片寄雄己とゴール勝負。直線で詰め寄る片寄を振り切った渡邉が、内容十分の走りで白星を飾った。
 「まず初手の並びが理想的でしたね。誰かが切ったところを叩こうと思っていた。(落車による)鎖骨骨折の影響もだんだんなくなって、感じは上向いています」
 番手で絶好だった片寄雄己だが、渡邉をとらえ切れずの2着。
 「まくりが来てないのはわかったし、しゃくられないように内を締めながら抜くイメージだったけど。思いのほか(渡邉)雄太の踏み直しがすごかったし強かった」

<4R>
北津留翼選手
北津留翼選手
 坂本貴史が主導権を握ると、3番手は山田義彦、古性優作で併走に。この決着がつく前にホームから荒井崇博がまくり上げると、離れながらも続いた北津留翼(写真)が逆転。荒井も2着に残ったが、抜きすぎた北津留はバツが悪そうにレースを振り返る。
 「キツかった。ホームで口が空いて、追いつくのにけっこう踏んだ。詰まったときに荒井さんに流されて、詰まりすぎちゃって(そのまま踏んでしまった)。加減が難しいですね。もうちょっと勉強しないとと思いました。これを次に生かします」
 荒井崇博は「あれ抜かんでもいいよね」と、言いながらも、ホームからしっかり仕掛けたレース内容に満足げだ。
 「自力ぽかったね。あそこ(ホーム)しか詰まるところがなかった。出切れたと思って、出たとき安心した。まあまあですね。基本33は得意だし」

<5R>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 赤板過ぎにハナに立った野口大誠が、後続を一本棒にして駆ける。野口との車間を空けていた小川勇介が、中団からまくった三谷竜生(写真)に合わせて番手まくりを打つ。最終バック過ぎから壮絶な踏み合いを演じた小川と三谷。軍配は三谷に上がった。
 「野口(大誠)君が駆けていったけど、想定内の展開でした。小川(勇介)さんに警戒されていたけど、すんなり中団を取れたんで、落ち着いていました。あとはどこで仕掛けていくかの問題だったけど、小川さんに見られていたぶん、タイミングが取れずに北野(武史)さんに迷惑をかけた」
 空いた車間を詰めながら番手発進の小川勇介だったが、三谷に行かれて2着。
 「野口君が誰も出させない気で出ていったので、その気持ちに応えたかった。三谷君に合わせて出ていったけど、スピードが違いました」
 三谷を追走した北野武史が3着。
 「展開がすんなりだったので、早く三谷君に仕掛けて欲しかったけど、行ってくれず。踏んだりやめたりで、追走してて脚がいっぱいになってしまった」

<6R>
岡村潤選手
岡村潤選手
 松岡貴久を押さえて赤板過ぎからグングンと飛ばす山田久徳だが、吉田拓矢が力任せに叩いて打鐘の2センターで主導権を奪取。岡村潤(写真)がピタリと続き、遅れながらも3番手の内藤秀久が食らいつく。別線をシャットアウトする先行策を見せた吉田を、地元の岡村が楽に追い込み1着。
 「山田君がどこまでヤル気かなっていうのがあったけど。そこら辺も吉田君に任せていた。自分のタイミングで行ってくれればいいんで。あそこを強引に行くんだから強いですね。山田も苦しそうな表情をしていたし、(飛び付きは)大丈夫かなって思った。まぁ、誰かしら飛び付いたら、吉田君が勝つレースをしてくれればよかったんで」
 山田をねじ伏せた吉田拓矢は、最終ホームで冷静に後ろを確認してペースアップ。松岡のまくりも3番手まででいっぱい。ラインで上位を独占した吉田が、2着に逃げ残り汗をぬぐう。
 「後ろに地元の岡村さんが付いてくれたんで、ワンツーでよかったです。もう行くところがあそこしかなかったから思い切り行った。出られる自信はあったんで。流れるし、新車の方が感じはいいですね」

<7R>
松坂英司選手
松坂英司選手
 根田空史が後ろ攻めから上昇しようとすると、中団に構えた菅田壱道が先に切って先頭に立つ。菅田はペースを上げて先行態勢に入ったが、7番手に戻った根田が再度赤板の2コーナーからアタック。主導権を奪うと3番手の勝瀬卓也が遅れ、好位に入った菅田がバックからまくったが車は進まず、山田英明の仕掛けも不発に終わる。最後は根田の番手を回っていた松坂英司(写真)が、大槻寛徳の中割りを凌いで追い込んだ。
 「根田君が気持ち良く行ってくれましたね。あれだけ(根田が)やってくれたし、ワンツー決められるようにと、自分も頑張りました。できることはやれたと思います」
 完全燃焼の根田空史は、息を切らしながらレースを振り返る。
 「いやー、キツかったです。前検日にチェーンを換える事になってしまって、新品を使ったんですけど、そのせいかすごく重くて…。自分はあまり新品が好きじゃないので(苦笑)。ただ、伊東はA級時代から何度も走っているしクセもわかってるので、なんとか出し切れました」

<8R>
松浦悠士選手
松浦悠士選手
 赤板でインを切った松浦悠士(写真)は、その上を叩いてきた小松崎大地の3番手に飛びつく。和田真久留のまくりを佐藤友和がけん制すると、空いた内をすくって直線抜け出した。
 「本当は(番手に)飛び付きたかった。赤板前にけっこう踏んで飛び付きやすいようにと思ったけど、ペースが速くていっぱいだった。展開が助けてくれましたね。このメンバーで1着はかなりデカい。G1の二次予選かその上のレベル。自力は準決勝に出ててもおかしくないような選手ですから」
 小松崎の番手で必死の援護を見せた佐藤友和だったが、松浦に内をすくわれ2着に。
 「もうちょっと伸びないといけないですね。(小松崎)大地がタレるのか半信半疑だったし、(和田)真久留もしぶとかった。あのまま(番手から)出てしまったら大地が残らないし、あんまりそういう競走はしたくない。でも、1着を取れないのはダメ。反省します」

<9R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 赤板で前に出た飯野祐太が先行態勢に入るが、この上をすかさず川村晃司が叩いて打鐘から主導権を奪う。下げた吉田敏洋(写真)は4コーナーから一気に反撃を開始。番手の山内卓也を一瞬で置き去りにすると、グングン加速し前団をひと飲みに。そのまま後続を引き離して快勝した。
 「最初からまくり狙いでは(勝負どころで)遅れてしまうし、バンクも軽かったから2周くらいなら行ってやろうと。そういう気持ちでいました。赤板では本当に突っ張ろうかなと思ったくらい。その気持ちが結果につながったのかな。仕掛けたタイミングは決して良いとはいえなかったけど、軽くて助かりました」
 川村晃司の逃げに乗った友定祐己が2着を確保した。
 「(吉田が)ええスピードで来ましたね。(川村も)上手くて強かったけど。今日の自分の着はラインのおかげです」

<10R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 赤板で出た原田研太朗は、2車のラインでも迷うことなく主導権。新田祐大を7番手に置き、後続を一本棒にして逃げる。原田の掛かりがいいが、新田は最終ホームを通過して1コーナーから強引に踏み出す。車間を詰めながら3番手の村上義弘もまくりで原田に襲い掛かる。岩津裕介が村上をブロックすると、稲川翔、木暮安由が内を突いてもつれる。外をまくった新田が、押し切り図る原田をゴール寸前でとらえて1着。
 「原田君が残り2周からいいペースだったんで、一本棒になって誰も仕掛けられなかった。彼の強さが際立つレースになってしまいましたね。内に入った人たちも止まってしまっていたし、先行選手の展開になってしまった感じです。先頭に立ったのがゴール前だったんで、(ラインの)後ろには勝ち星(の権利)がなかったですね…。今日はたまたま1着だったようなレースだったんで、(2日目は)力でねじ伏せられるようにしたい」
 新車の感触を確かめながら小気味よく駆けた原田研太朗(写真)は、岩津の仕事にも助けられて2着に残った。
 「後ろからだったら、新田さんをフタして。(出てからは)突っ張れたら、突っ張ってと思ってました。一列棒状になったし、自分が前を踏む意識でした。岩津さんが車間を切ってくれて、助けてもらった。33バンクっていうこともあるし、全プロで長い距離を踏みたいっていうのもあった。前回のダービーの準決での敗因はわかっているし、今日は人任せにしないようにと思っていた。人任せにするとやっぱり展開に左右されるんで。(新車は)サイズは変えてないけどパイプを変えた。今のフレームの方が先行向きかと思います」
 中四国コンビに続いた村上義弘が3番手を確保。思いのほか空いた車間を詰めながら、まくって行くが原田を交わせずの3着。
 「流れのなかでああなったんですけど。感じ的には重かったです。終始ジャンくらいから口が空いて重かった感じです。(まくりも)出が悪かった」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 早坂秀悟と深谷知広で赤板から激しい主導権争いが勃発。早坂が深谷のカマシを合わせ切って先行したが、脚を溜めていた平原康多が一気にまくって前団を飲み込んでしまう。最後は番手の武田豊樹(写真)が抜け出して関東ラインでワンツースリー。「いやー、強かった」と武田は平原の走りを褒めちぎった。
 「すごいスピードでした。メチャクチャ強かったです。ちょっと離れてしまいましたね。それでも久々に(平原と)ワンツーが決まったので良かった。強い(平原)康多が戻ってきたし、僕も頑張らないと」
 会心の一撃を放った平原康多も、納得の表情でレースを振り返る。
 「今日は自信を持って仕掛けた。乗り方を昔に戻して良くなりましたね。体の感じも問題ないし、しっかり力を出し切れたと思います」
 関東3番手を回った諸橋愛もしっかりと前2人の動きに食い下がった。
 「久々に強い康多でしたね。G(加速度)を受ける感じとか。自分は少し後ろを確認したときに車間が空いてしまって。それがなければ2着には入れたかな。そこはちょっともったいなかったですね」

<12R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 前受けから下げた竹内雄作は赤板ホームから仕掛けて主導権を奪う。番手の浅井康太(写真)は郡司浩平、稲垣裕之と次々まくって来る別線の機動型をけん制すると番手絶好の展開をモノにした。
 「郡司君は気持ち振ったら止まったし、稲垣さんもその上を来ると思ってた。止まったと思ったけど、あとは空いた車間を詰めながらタイミングを見て。金子さんは僕より点を持ってるのに(番手を)回してもらったし気持ち前々にとは思ってました。展開的にはラインで決められそうだったけど、センスがなかったのかな?でも(渡邉)晴智さんや(村上)博幸さんが突っ込んでくると思ったので残し切れなかった」
 4番手で園田匠と併走になりながらも直線鋭く中を割った渡邉晴智が2着に突っ込んだ。
 「ホームは行くと思いました。(郡司が)さすがでしたね。郡司がコースを作ってくれたし、(自分も)頑張りました。このメンバーで自信になりますね」
 中部3番手を回った金子貴志が3着に。
 「僕はしっかり内だけ締めて。(竹内)雄作が強かったし、決まったと思ったけど晴智さんがすごい。(後ろのゴチャゴチャで)ハウスして怖かったです」
 5着に敗れた竹内雄作だが赤板から仕掛けた動きは力強かった。
 「久々にちゃんと出し切れた。これがいい方につながれば。明日もいいメンバーなんで出し切れるように頑張ります」
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