『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪 レポート』 前検日編
 
配信日:5月10日



 5月11日、12日の2日間、福島県のいわき平競輪場で「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」が開催される。今年は昨年のシステムと全く同じで、選考期間中の平均競走得点の上位27名が走る「優秀」競走3個レースを勝ち上がった9名が、2日目のメインレース「スーパープロピストレーサー賞」で覇を競う。また、選考順位第28位~54位の選手が走る特選3個レース、同55位から99位の選手が走る選抜戦を勝ち上がった選手が、二日目の「ダイナミックステージ」に進出する。前検日の今日は全国各地からトップレーサーが集結。明日からの戦いに備え、入念に自転車を整備していた。
 開催中は様々なイベント、ファンサービスが予定されています。是非、本場に足をお運びください。
 


<1R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   オープニングレースからは北津留翼(写真)を取り上げる。前回のふるさとダービー観音寺では3連対と活躍した。
 「まだまだトップクラスの人たちとは実力の差を感じますね。観音寺の後はチャレンジ・ザ・オリンピックに出場しました。ハロンで2番目、250メートルでも6番目のタイムだったし、結果には満足しています。終わってからは先を見据えて結構練習したので、ちょっと疲れが心配ですが、いつも通りの仕掛けを心がけます。2場所前の別府からギヤを上げて感じもいい」
 三ツ石康洋は最近大きな着が目立っている。
 「2場所前の熊本の時に風邪を引いたんです。これが今年に入って4回目。体調がなかなか上がらない感じです。今回はちゃんと練習してきたので、それなりには走れると思う」


<2R>
島野浩司選手
島野浩司選手
   2レースの島野浩司(写真)は3月の小田原で落車してから成績を落としているが、それほど悲観はしていない。
 「小田原の落車は腰とお尻の打撲が結構ひどく、長引きましたね。でも、4月があっせん停止だったので、その期間にしっかり治療することができました。前回の京王閣は今ひとつだったけど、少しずつ調子は上がっています」


<3R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
   3レースの矢口啓一郎(写真)は3日目の競技の1キロメートルTTで連覇がかかっている。
 「練習は競技の方と半々でやってきました。まずはその前にレースを頑張らないと。車券も発売されますからね。そこでいい走りをすれば、気分良く迎えられそう。理事長杯に乗りたいし、今からちょっと緊張しています」


<5R>
成田和也選手
成田和也選手
   5レースの成田和也(写真)は4月の福井、宇都宮を連覇。前回の静岡でも危なげなく決勝に進出するなど、FⅠ開催で好成績を残している。
 「宇都宮から新フレームを使っているんですが、感触は悪くないですね。ただ、前回の静岡はあまり調子が良くなかった。決勝はホームで脚を使い、最後は一杯でしたね。今回は大丈夫だと思います」


<6R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 

 6レースからは特選。5着までが「ダイナミックステージ」に進出できる。村上義弘(写真)は前回の西武園記念で決勝進出こそ逃したものの、連日軽快な動きを披露していた。
 「西武園は感じが良かったし、それなりに手応えはつかめました。疲れは多少あるけど、大丈夫だと思います。今回は着いてから弟のことばかり聞かれる。こんなことは初めて。いつも俺のことを聞かれる弟の気持ちが理解できましたよ。弟が初めて村上家の主役になりましたね」
 村上義弘に挑戦する吉川誠は少し元気がない。
 「ダービー前に練習し過ぎて、それから体がおかしくなってしまいました。地元の平塚記念の時は体調がかなり悪かったし、お客さんに迷惑をかけてしまうので欠場しました。まだ、調子は良くないけど、明日は自分の持ち味を出し切る競走をするだけですね」



<7R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   7レースは兄に続き、弟の村上博幸(写真)が登場。直前の大垣では記念初Vと勢いに乗っている。
 「優勝は本当に嬉しかったし、自信になりました。上のクラスで戦える手応えはだいぶつかんできていたし、後は気持ちの問題と思っていました。最近は仕掛けるポイントを注意して、チャンスは確実にモノにするように心がけています。中2日だったけど、休むと調子を落とすタイプなので、しっかり練習はやってきました」
 地元の伏見俊昭にも注目が集まる。
 「チャレンジ・ザ・オリンピックでもいいタイムが出たし、成績も上がってきているので、明るい兆しが見えてきました。やっぱりタイムが出ていると、どんな展開でも対応できますからね。ずっと連戦が続いて多少疲れはあるけど、大丈夫でしょう」


<8R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   8レースの中川誠一郎(写真)は相変わらず好不調の波が激しいが、仕掛けがツボにはまった時の破壊力は抜群だ。
 「4月の奈良からフレームのメーカーを変えました。九州の地区プロで優勝してフレームをもらえたので、使ってみました。調子は一時期よりもだいぶ良くなってきました。3日目に競技が控えているし、まずは無事に走りたい」
 連係する大塚健一郎は「誠一郎は九州を代表する先行型だし、相性もいいですよ。千メートルを1分3秒台で走れる選手だし、その力を上手く引き出したいですね。僕の調子は成績通りですね。自分の仕事をきっちりして、九州で上位独占を狙いたい」。


<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   9レースからはメインの優秀競走。勝ち星量産中の小嶋敬二(写真)に人気が集まりそうだ。
 「ここは全日本選抜で来た時にすごく寒く感じたけど、この時期でもまだ寒いですね。平塚の後はちょっと休んだけど、その後は普通に練習しました。(加藤)慎平は脚があるから抜かれてしまうかもしれないが、いつも通りの競走をするだけですね」
 飯嶋則之は前回の京王閣FⅠでも完全Vを達成するなど、引き続き好調を維持している。
 「最近は自分でも怖いぐらい成績がいい。京王閣から1週間あったけど、ほとんど競技の練習をやっていました。種目は団体追い抜きです。ちょっと疲れが残っているかも」
 佐々木則幸はまだ復調途上の段階だ。
 「鎖骨骨折の痛みはもうないけど、身体のバランスがまだちょっとおかしいですね。今は結果よりもレース内容を重視しています。徐々に上向いている感じなので、あせらず調子を戻していきたい」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   10レースの佐藤友和(写真)は4月京王閣の初日特選で落車した影響が気になる。
 「落車で右ひざを痛めたけど、練習はすぐにできたし、ほとんど影響はなかったですね。ただ、風邪を引いてしまい、千葉のFⅠは欠場しました。あまり間隔が空くのも嫌だし、治れば走りたかったんですけどね。直前は普通に練習できたので、体調は問題ないと思います」
 対する武田豊樹もいつも通り淡々とインタビューに応える。
 「昨年はケガをしたので、この時期苦しんだけど、今年はいい感じで走れています。気持ち的にも全然楽ですね。今は宮杯に向けて練習を頑張っている。少し疲れはあるけど、今回は2日制ですからね。後ろが神山(雄一郎)さんなので、明日はしっかり走りたい」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 

 最終11レースには優勝候補筆頭の山崎芳仁(写真)が登場する。最近は大ギヤを上手く使いこなし、高いレベルで戦歴をまとめている。
 「昨年の全日本選抜の時はかなり緊張したけど、今回は特別でもないので、プレッシャーはないですね。体調はいつも通りで問題ない。地元で人気にもなるだろうし、勝てるように走りたい」
 平原康多は前回の地元西武園記念で準決勝敗退し、最終日は落車という散々な結果に終わった。
 「西武園は体調的に全く問題なかったんですが、ちょっと気合が空回りした感じですね。師匠(太田耕二)の引退レースもあったのに、ちょっと情けなかったです。落車は擦過傷だけで、全然問題ありません。競技よりも明日からの競走の方で結果を出したい」


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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