『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪 レポート』 初日編
配信日:5月11日
平成19年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪が今日11日から開幕した。朝から強風が吹き荒れる厳しいバンクコンディション中、トップレーサーが熱戦を繰り広げた。明日は優秀競走を勝ち上がった9名により「スーパープロピストレーサー賞」が争われる。
また、初日の今日は場内で現金10万円キャッシュバック抽選会や大声コンテスト、森田達也選手(福島・88期)と渡部幸訓選手(福島・89期)によるトークショーなど、様々なイベントが実施され、開催を盛り上げていた。明日はこのほかにもイジリー岡田ONステージ、女子KEIRIN選手デモレースが予定されています。ぜひ、いわき平競輪場に足をお運びください。
<1R>
高城信雄選手
オープニングレースは先行した北津留翼とその番手に入る形になった高城信雄で1着同着。前回名古屋の準決勝から3連勝を飾った
高城信雄(写真)
は満足そうにレースを振り返る。
「風が強かったので、前を取りました。後ろだと押さえるのにかなり脚を使いますからね。出切るつもりで仕掛けたけど、番手に入れて恵まれました。でも、思ったより北津留君が強かったですね」
末良く逃げ粘った
北津留翼
も好気合。
「風が強かったけど、ホームで高城さんの仕掛けに合わせて踏んで、後は自分のペースで上手く駆けられました」
<2R>
吉田敏洋選手
2レースは
吉田敏洋(写真)
が力強くまくって2着。島野浩司と愛知ワンツーを決めた。
「(佐藤)悦夫は出切ってからスピードに乗ったし、外に浮く展開になってきつかった。風もずっと横から受ける形だったので、まっすぐ走るのも難しかった。今日は上手く走れなかったけど、何とか上のレースに勝ち上がれてよかった」
<4R>
堤洋選手
4レースは岡村潤の先行を
堤洋(写真)
が七番手から上がり10秒9で豪快にまくり切った。
「風が強いので、慌てず落ち着いて仕掛けようと考えていた。早めにカマシに行ったらたぶん不発だったでしょうね。風はみんなが言うほど強く感じなかった。昔は風が嫌いだったけど、今はそれほど苦手じゃない。1着なんで状態はいい」
<5R>
三宅達也選手
5レースは成田和也が中団キープからまくって快勝。七番手から大外を踏み上げ2着に届いた
三宅達也(写真)
の動きも光っていた。
「成田はやっぱりレースが上手い。七番手に置かれたけど、成田が早めに仕掛けてくれると思っていたし、落ち着いて構えました。かなりしんどかったけど、3コーナーで前が止まりだしたので、何とか2着に届きましたね。後ろの人が切り替えずに付いていてくれたお陰。有難かったです」
<6R>
村上義弘選手
6レースは中団でフタをされた
村上義弘(写真)
が内から上手く抜け出して先行。別線のまくりを許さず、強靭な粘り脚を発揮して押し切った。
「今日はとにかく先行して、どこまで粘れるかのレースをしようと思っていました。(吉川誠が)早めに押さえて出てくれれば、その上を一気に叩くつもりだったんですが、なかなか動かなかったので、内を狙いました。とにかく風が強くて自転車があおられる感じだったし、もうひとつスピードに乗り切れない感じでしたが、勝ててよかったです」
<7R>
伏見俊昭選手
7レースは石橋慎太郎が前受けからそのまま先行する意外な展開。三番手からまくった佐々木雄一は不発に終わったが、その後ろから
伏見俊昭(写真)
が鋭く伸び切り、地元ファンの期待に応えた。
「雄一が自分のタイミングで仕掛けてくれればいいと思っていたけど、2コーナーから行ってくれましたね。まくり切ってくれれば残せるけど、あの展開では無理だし、前に踏ませてもらいました。今日は全然脚を使わない展開で、余裕があった。明日も期待に応えられるように頑張りたい」
伏見追走の
阿部康雄
がきっちり2着を確保した。
「3コーナーで前が詰まってしまったので、先に踏ませてもらいましたが、やっぱり伏見君は脚がありますね。最後は一杯だったし、内外から行かれてしまうかと思ったけど、何とか2着に入れました」
<8R>
岡部芳幸選手
8レースは金子貴志が先行。中団の四番手を岡部芳幸と中川誠一郎で激しく取り合う展開に。外併走をこらえた
岡部芳幸(写真)
がバックからまくり、前団を一気に飲み込んだ。
「内が重いのは分かっているし、外併走からまくることしか考えていなかった。中川さえ内に閉じ込めれば、他に外からまくって来る選手はいないですからね。富永(益生)のブロックがなければ、もっとすんなりまくれていたと思う。全日本選抜の時は伸びるコースとかわかっていなかったけど、今はバンクの特徴をしっかりつかんでいるし、やっぱり地元の利は大きい」
岡部との連係を外して切り替えた
有坂直樹
は3着に入るのが精一杯だった。
「ホームがすごく重く感じたし、岡部がどうするのかが分からなかった。岡部はやっぱり強いな。最後もうちょっと突っ込めれば良かったが…」
<9R>
荒井崇博選手
コマ切れ戦の9レースを制したのは
小嶋敬二
。別線の機動型をパワーでねじ伏せた。
「展開は悪くなかったけど、きつかったですね。海老根(恵太)が前との車間を思ったより開けていたので、どうかなと思ったけど、何とか届きました」
小嶋の仕掛けに離れた
加藤
は3着。
「小嶋さんの仕掛けに離れたのは初めて。ちょっとショックだし、格好悪いですね。明日は千切れないように、きっちり付いていきたい」
渡辺一成の番手にはまった
荒井崇博(写真)
だが、勝機をモノにできなかった。
「一成があんなに遅く仕掛けると思わなかったし、内をすくって駆けてしまおうと思った。踏んでスカスカする感じだったし、あれが精一杯。今の小嶋さんはどこからでも来ますね」と素直に完敗を認める。
<10R>
神山雄一郎
武田豊樹選手
10レースは武田豊樹の先行を利した
神山雄一郎(写真)
が直線きっちり抜け出し、S級通算600勝のメモリアル勝利を飾った。
「川崎記念の時に施行の人にお祝いされたし、そこで達成したと思っていたけど、違ったんですね。今日は全部武田君のお陰です。すごくいいかかりでした」
2着に逃げ粘った
武田豊樹(写真)
も納得の表情を浮かべる。
「風が強くて、かなり苦しかった。もうちょっと神山さんを苦しめるぐらい粘れれば良かったんですけどね。今はトレーニングの量を増やして疲れが結構残っているし、しょうがないかな」
まくり不発に終わった
佐藤友和
は「勝ちパターンだと思ったけど、踏み出したら全然伸びなかった。風がきつくて、苦しいだけでした」とサバサバした様子だった。
<11R>
渡部哲男選手
最終11レースは平原康多が先行。その四番手を確保した
渡部哲男(写真)
が直線一気に突き抜けた。
「後ろから押さえて、来たところを飛び付いて中団という作戦通りのレースができました。平原がかかっていたし、四コーナー勝負になりました。大垣記念は風邪を引いて欠場したけど、もう治ったし、体調は全く問題ないですね」
3着に逃げ粘った
平原康多
も満足げ。
「久々に手応えのある先行ができました。前半から全力で踏んだし、これでまくられたらショックでしたよ」
地元の
山崎芳仁
は個人上がりは驚異の10秒2を叩き出すも、まくり届かず4着。
「組み立てを失敗してしまいましたね。平原がどんどんかかって行くし、武井(大介)君の動きを見すぎてしまい、仕掛けのタイミングがずれてしまった」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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