『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪 レポート』 最終日編
 
配信日:5月12日



 平成19年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪は今日12日が最終日。好天に恵まれたいわき平競輪場には朝から大勢のファンが詰め掛けた。メインの「スーパープロピストレーサー賞」は4人そろった関東勢の連係が実り、武田豊樹が優勝を飾った。
 明日13日は第54回全日本プロ選手権自転車競技大会がいわき平競輪場で行われます。開門時間は午前9時、競技開始時間は午前10時の予定。ご来場者の中から抽選で、プレイステーション3(5台)、iPod(10台)の豪華商品をプレゼントされます。普段見ることができない自転車競技で活躍する選手の姿をぜひ、本場でご覧ください。
 


スーパープロピストレーサー賞ダイジェスト

 スタートで迷わず加藤慎平が飛び出し誘導員後位へ。小嶋敬二を受けて山口幸二が三番手で中部勢が前受け。中団に渡部哲男―荒井崇博が入り、平原康多―武田豊樹―神山雄一郎―後閑信一の関東軍が後攻めで周回が進む。
 赤板前から平原が上昇を開始すると、渡部も合わせて上昇し小嶋を押さえる。小嶋はサッと引いて平原ラインに外からスイッチ。打鐘では平原率いる関東勢が前団で中団の内に渡部、外に小嶋となった。打鐘過ぎに小嶋がスパートの態勢に入ると平原がフカして先行。小嶋が踏み辞めると、山口だけは切り替えて、荒井後位に割り込み小嶋は八番手に置かれる。バック手前から渡部がまくり好スピードで前団に迫ると、武田が三角手前から番手まくりを敢行。渡部は合わされて不発に終わる。直線で武田に神山が迫るも差は詰まらず、武田が押し切った。神山が流れ込み2着、ゴール前中を踏んだ後閑が3着で関東勢が上位独占を決めた。

ゴール
ゴール
表彰式
握手
表彰式
握手


<1R>
松本大地選手
松本大地選手
   1レースは先行した外山三平の番手がもつれると、中村浩士が自力まくりを放った。しかし、中村は2センターで力尽き、これを追った松本大地(写真)が伸びて1着となった。
 「今日は前をとって番手に飛び付こうと思っていたけど、西田(雅志)君のスタートが早くて。3番(中村)が内を決めたら自分でその外をまくろうと思っていたけど、まくって行ったから付いていきました。3コーナーで止まったから、あとは自分で外を踏みました。昨日、熊本勢の最高着順が5着だったから勝てて嬉しい。準優で1着を取るよりも嬉しいですね」


<2R>
宗景祐樹選手
宗景祐樹選手
   2レースは松山勝久の先行を宗景祐樹(写真)が六番手から鮮やかにまくって快勝。
 「今回は3・93のギヤでどれくらいできるか試したけど、いい感じで踏めました。このギヤでも踏めることが分かったので、これからはメンバーなどを見て、ギヤを決めたいですね。今日はすんなり六番手の位置が取れたし、自力のコメントも出していたから早めに仕掛けました。これからもっと上のクラスで戦えるように、練習に励みます」


<3R>
佐藤悦夫選手佐藤悦夫選手
   3レースは一旦は叩かれた佐藤悦夫(写真)だったが、バックで友定祐己を突っ張り再度主導権を取り返し、堂々の逃げ切り勝ちを収めた。
 「スプリント勝負になっちゃいましたね。ホームでもつれていたし、後をみたら平沼(由充)さんが離れていたのがわかったからペースを落としました。昨日は風が強くて直線も長かったから6着になったけど、前回の最終日に手応えをつかんでいたし、調子は良かったんですよ」


<4R>
中川誠一郎選手中川誠一郎選手
   4レースは稲垣裕之がマイペースで先行。番手絶好の展開から渡辺航平がきっちり抜け出し、久々の勝ち星を挙げた。
 「流れが向きましたね。前反(祐一郎)さんがまくって来たので、ちょっと牽制して直線は踏ませてもらいました。(中川)誠一郎に抜かれなくて良かったです。最近は展開が良くてもなかなかモノにできなかったけど、久々に勝てて嬉しい。これからもどんどん攻めて勝負していきます」
 苦しい位置から2着に届いた中川誠一郎(写真)も上機嫌でレースを振り返る。
 「吉川(誠)君がずっと内にいたけど、脚には余裕がありました。行こうと思った時にちょうど前反さんが踏んだので、ちょっと待ってから仕掛けました。やっぱりこのバンクは外が伸びますね。明日の競技の千メートルは1分4秒台を出して3位以内に何とか入りたいですね」


<7R>
池尻浩一選手池尻浩一選手
   7レースは人気の岡部芳幸が後方から直線一気。貫禄の違いを見せ付けた。
 「今日は出たとこ勝負。村上(博幸)が叩いてくれたし、三宅も仕掛けてくれて展開に恵まれただけですよ。でも、今回は連勝できたから上出来。体調もいい状態を維持できている」
 三宅達也のまくりに乗って2着に入った池尻浩一(写真)は岡部の強さに脱帽する。
 「岡部君はやっぱり格が違いますね。展開は良くなかったけど、三宅君が踏んでくれたんで、コースを探して突っ込めました。体調はいいけど、このぐらいの良いメンバーになると、自分がベストの状態で戦ってやっといい勝負ができる感じですね」


<8R>
伏見俊昭選手伏見俊昭選手
   8レースは地元の伏見俊昭(写真)が成田和也の番手から鋭く追い込み、連勝を飾った。
 「成田君が頑張ってくれたし、車間を開けて援護したんですが、もうちょっと開けても良かったかもしれません。調子がいいから余裕はあったけど、できれば北で上位独占したかったですね。昨年の全日本選抜は活躍できなかったし、ここで連勝できて良かったです。この後は間隔が空くので、宮杯に向けてしっかり練習します」
 直線外を強襲した堤洋が2着。
 「中団を取れたのが大きかったですね。早めに仕掛けても伏見に出られてしまうので、落ち着いて4コーナー勝負に構えました」


<9R>
武井大介選手武井大介選手
   9レースのワンダースージは、逃げた佐藤友和を七番手の武井大介(写真)が2センターから追い込み、直線で外を急襲した。
 「恵まれました。バックで前が突っ掛かっていて仕掛け所になったけど、井上(昌己)さんが横に振っていたからいけなかった。昨日早めに行って失敗しているし、昨日岡部(芳幸)さんも3コーナーから踏んで伸びていたから、自分も慌てずに3コーナーからいきました。バックで坂本(英一)さんに内をすくわれて、タイミングと目標を失いかけたけど、合志(正臣)さんを目掛けて思いっきり踏みました」
 逃げた佐藤友和は「重たくて(脚が)回らなかった。流れないからずっと踏みっ放し。スピードに乗りきれていなかったから、いつ行かれても仕方ないと思っていました。バンクが重たかったから後ろもキツかったと思いますよ」。


<10R>
渡邉一成選手渡邉一成選手
   山崎芳仁が当日欠場し、八車立てとなった10レースは渡邉一成(写真)が四番手からまくって圧勝した。
 「全て(佐藤)慎太郎さんのお陰です。二車だったので、なるべく引きつけてカマそうと思ったけど、海老根(恵太)さんに駆けられてしまった。慎太郎さんが内をキメてくれたのが分かったので、入れさせてもらいました。体調がだいぶ戻ってきたし、明日のスプリントも頑張りたい」
 佐藤慎太郎を飛ばして2着に入った渡邉晴智は海老根に感謝しきり。
 「駆けてくれた海老根の気持ちが最高に嬉しかった。バックの直線でまくって来られたので対処できなかったし、まだまだ力不足ですね」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手

渡部哲男選手
渡部哲男選手
   最終11レースの「スーパープロピストレーサー賞」を制したのは武田豊樹(写真)。先制した平原康多の後位から番手まくりを放ち、一番人気にきっちりと応えた。
 「今日は平原君のお陰に尽きますね。かかりが良かったから誰もまくって来れないと思っていたけど、後ろを見たら渡部君がすぐそこまで迫っていたので、ちょっと焦ったけど、勝てて良かった」
 きっちり2着に流れ込んだ神山雄一郎は「最後は武田君に踏み直されて差せなかったけど、ライン3人で決まって良かったです」。
 中団からまくって不発に終わった渡部哲男(写真)だが、そのスピードは光っていた。
 「110点を持っている先行選手に並ばれたらまくれないし、分断も少し考えていました。まくり切れるかと思ったけど、あれが精一杯ですね。力は出し切りました」
 一方、七番手で見せ場無く終わった小嶋敬二は「渡部と中団を取り合っても仕方ないし、車を下げたけど、あれじゃあどうしようもない」と諦めの表情だった。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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