小嶋 敬二
加藤 慎平
村本 大輔
小嶋 敬二 (先行)
加藤 慎平(追い込み)
村本 大輔(追い込み)



 「先行日本一」小嶋敬二選手に加藤慎平選手がしっかりとついていきます。村本選手は3番手でじっとチャンスを待ち、最後の直線で一気に追い込みを決める作戦です。


 小嶋敬二選手の今年後半の充実振りは凄まじいものがあります。特に7月に行われた智仁親王杯では、風圧を受けながらも先頭でグイグイとペダルを踏み込みそのまま誰にも抜かせずにゴール!「こんな強い勝ち方は見たことがない」と誰もが口を揃えて驚いたぐらいです。しかし、そんな小嶋選手の今年前半は病気との闘いでした。今年2月に行われた西王座戦の3日目、早朝に発熱した小嶋選手はレースを欠場し病院で検査を受けます。その検査結果は「肺炎」。レースどころか命にもかかわるような病状で、約1ヶ月間全く練習ができないような状況に追い込まれてしまいます。「もうレースに出場できないのか」絶望感が襲い、並の人間ならつぶれてしまうような状況でも小嶋選手は違いました。この病気をきっかけとして、血液検査等科学的なトレーニングに力を入れるようになります。身体の感触という感覚的な部分だけではなく、数値を測定しながらのトレーニングによりさらなるパワーアップに成功しました。今回も自分のペースで先行できれば、グランプリの栄冠が待っています!

 
  加藤慎平選手の今年1年は、まさにドラマが詰まっています。1月に行われた競輪祭、当時絶好調だった加藤選手は10連勝をマークするなど優勝を確信していました。しかし結果は惜しくも2着。「なぜだ。どうして勝てない。」そんなあせりが出てしまい、3月のダービーではレース中に転倒し腰椎横突起を4本骨折する大ケガを負ってしまいます。2ヶ月間ベッドの上にしかいられない生活。頭をよぎるのは競輪祭のことばかり。しかしこの2ヶ月間が加藤選手を精神的に成長させたのです。「タイトルは狙って獲れるものではない。ひたすら練習してあとはチャンスを待とう。」吹っ切れた加藤選手は、またベストの状態を目指し練習を再開します。その努力が実ったのが12月に行われた全日本選抜競輪。今回も連係する小嶋選手の先行に乗って見事に優勝、グランプリの最後のイスをゲットします。「あの2ヶ月がなかったら自分は優勝できなかった。」脚力だけでなく、精神力も身につけた加藤選手には本当の強さが備わりました。グランプリへの切符をプレゼントしてくれた小嶋選手を徹底的に援護し、そしてゴール前再び追い込んで優勝!加藤選手のイメージトレーニングはすでに完了しています!
 
 
  村本大輔選手はあだ名が「ゴルゴ」。TIMのゴルゴ松本さんにそっくりなことから来ています。そのあまりのそっくりさんぶりに、ゴルゴ松本さんから「ゴルゴ静岡県支部長」に任命されているほど。キメのポーズは、もちろん「あっ、命!」。サービス精神満点で、村本選手が優勝すればお客さんのリクエストに答えてポーズ連発です。そんな面ばかりが強調されがちな村本選手ですが、今年の6月に大きな仕事をやってのけました。高松宮記念杯競輪で、今回も出場している武田選手の先行に乗り誰もが「あっ!」と驚く優勝の栄冠を勝ち取ったのです。GIの決勝戦初出場・初優勝、さらに静岡県での初タイトルホルダーと、その優勝は初物づくしでした。しかし、たとえチャンスがあっても実力が無ければ絶対にタイトルは獲れません。村本選手のひょうきんな顔の裏には、猛練習が支える確かな実力があったのでした。他の選手に注目が集まっているスキをつき、平塚で「命」ポーズをとっているかもしれませんよ。ダークホースとして絶対に目が離せません!

 

 



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