『一宮競輪開場63周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月25日
 一宮競輪場を舞台に行われる開場63周年記念「毛織王冠争奪戦(G3)」が、26日に4日間シリーズの熱戦の火ぶたを切って落とす。細かい雨が降りしきる中で迎えた25日の前検日に、長塚智広、岡田征陽、浅井康太のSS班3人をはじめとしたS級のトップ選手が検車場に集結した。SS班の3選手はともに前回で記念制覇を遂げて、好リズムでの参戦。山内卓也、吉田敏洋、笠松信幸らの地元勢は浅井らと総力を結集して、他地区の強豪を迎え撃つ。
 本場では開催中の毎日、スピードくじで豪華景品が抽選で当たるプレゼントを行っています。26日は先着2000人にスピードくじを配布。「ニンテンドー3DS LL」、「ケイリンマン時計」などが抽選で当たります。また、26日にはガールズケイリンの猪子真実選手によるスペシャルトークライブなどのイベントも予定されています。ぜひ、一宮競輪場へ足をお運びください。
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 泉利和との初連係に澤田義和が、心を弾ませながら1次予選のメンバー表を眺める。
 「泉君は最近いいレースをしているからね。熊本記念では準決まで行って、頑張ってたし。一緒に走るのは初めてだけど、楽しみですよ。自分は前回の川崎でセッティングをいじったんですけど、それがイマイチで。今回は戻して走ります。(2場所前の)防府記念よりはいいと思います」
 佐藤和也が朝一番のレースに苦笑いを浮かべながらも、終始リラックスムード。
 「早いレースはあんまり良くないんです…。だから、明日(初日)はいつもより早く起きるとかして対処しないと。練習がしっかりできているんで、(調子は)上がっていると思う。練習をしてないと、自分の場合は(最後に)タレてきちゃうんで」

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 前回の西武園では体調不良で489着と竹澤浩司は振るわず。今シリーズに巻き返しを誓う。
 「西武園はちょっと体調が良くなかったです。初日はなんとか4着に粘れたけど、そのあとは…。それに比べればもう体調も戻っているし、今回は練習もできた。悪くないと思います」
 例によってマイペースの佐藤朋也は、前回の弥彦で久しぶりの決勝進出を果たすもテンションは上がってこない。
 「自分は変わらずですね。いい意味でも、悪い意味でも。いつもそんなに悪くはないし、普通に戦っている。それで最近はバックの数が減っているんで、増やしたい。先行がきるんなら、先行したい」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 前回の玉野で2勝を挙げている郡司浩平(写真)だが、今シリーズに新車を投入。新たな可能性を探りながら、先を見据える。
 「一昨日地区プロがあって、そっちに専念していたのもあって。調整面では不安もあるけど、調子は変わらずの感じですね。今回からフレームを新しくして、セッティングも変えてきた。フレームを固くして、当たりが出ればと思っています。練習ではモガキを中心にやって、セッティングを出してきたつもりなんで」
 土屋裕二は2場所前の松戸で落車。しかしながら、前回の平塚は落車の影響も見せずに238着で優出。
 「落車があったけど、体は問題ない。軽い擦過傷くらいだったんで。自分は追い込みだけど、自力選手のような脚がないと今の競輪はダメだって思って。石井秀治君に練習方法とかを聞いて、気持ちを入れ替えてやっているところ」

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愛敬博之選手
愛敬博之選手
 前回の函館決勝では新田祐大と激突した愛敬博之(写真)。竹内雄作の番手から合わせて出たが、あっさりと新田にその上を飲み込まれた。
 「今回も新田君がいるんですか。また、一緒に走るかもしれないですね。記念は結構、初日に失敗していることが多い。(ホームバンクの)豊橋は力んじゃってダメだったし。体とかの反応は悪くないし、後悔しないようにしたい。ここはA級の時に3場所連続で優勝をしているし、イメージのいいバンクですよ」
 愛敬との連係にホームの小川将人が、気合を入れる。
 「地元の記念に出られるのは最後になるかもしれないし、走れるってことは本当にありがたいです。A級の時に(愛敬とは)走ったことがある」

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 追加配分の石丸寛之は、前回の函館で決勝にコマを進めて感触をつかんでいる様子。静かに自転車を組み立てる手にも、自然と力がこもる。
 「函館の最終日に追加配分の知らせが来た。だから、今回は調整程度ですね。函館にしても準決では前がフワッとなっているところを(まくりで)乗り越えられるようになってきたし。今のギアの兼ね合いとしては、まずまずだと思います」
 落車を喫した向日町記念を途中欠場した志村龍己だったが、次の名古屋では決勝進出でリカバーを果たした。
 「関東の地区プロがあって1000mに出て忙しかった。それでも長い距離をモガけたし、良くなっていると思う。前回は向日町で使ったフレームから戻して、感じが良くなったし。落車しても体は全然大丈夫ですよ」

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 記念、F1を問わずに近況の小林則之は、初日を5連勝中。白星の山を築いて自信ありげ。
 「最近は体調もいいし、調子もいい。今回も問題はないですよ。一宮は割りと1着を多く取っているし、悪いイメージはもちろんない。地元の静岡と似ている感じのバンクなんで」
 和田健太郎は近況の成績を振り返り、ラインの力を強調する。
 「前の人の頑張りに尽きる感じです。それで自分がその展開をモノにさせてもらっている。調子自体は落車が多かった6月以外はそれほど変わっていない。明日もラインの3人でしっかり決めたい」

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芦澤辰弘選手
芦澤辰弘選手
 この後に初めての地元記念が控えている芦澤辰弘(写真)は、今シリーズで弾みをつけて取手に臨みたいところだろう。
 「取手に向けてやっているところだし。今回もいいメンバーなんで、何か得るもの持って帰りたい。前回の西武園ではセッティングの方がイマイチだったんで。そこを仕上げていきたい。自力で頑張ります」
 真船圭一郎は前回の函館で2連対。そこから中4日で迎える今シリーズも元気いっぱい。笑顔を浮かべる。
 「函館が終わってからあんまり練習ができていないけど、疲れに関してはまったくない。走っていて感じも悪くなかったし、明日も積極的なレースができるように走りたい」

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猪俣康一選手
猪俣康一選手
 ホームバンク一宮での記念に猪俣康一(写真)が万全の態勢。闘志を静かに燃やす。
 「(調整は)バッチリです。練習もできたんで。(地元の)みんなが気合入っていると思うんでしっかり走りたい。一宮記念は初めてなんで。林君とはいつも一緒に練習しているし、心強いです」
 林巨人は初めてタッグを組む猪俣にも絶大の信頼を置く。予選のメーンをホームバンクの2人が務める。
 「最近は展開もいいと思うけど、調子もいい。ここを目標にやってきたし、練習も計画的にやってきた。(猪俣は)初めての連係だけど、毎日一緒に練習をやっている。だから、(練習では)何百回も付いています。思い入れのある一宮なんで一生懸命走ります」

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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 吉田敏洋(写真)は前回の名古屋で6月以来の優勝を飾り、勢いに乗っての参戦。好成績は選手にとって、何よりの良薬だろう。
 「状態が悪いとかじゃなくて、たまたま大きい着が続いてしまった。名古屋で優勝できたことで、ちょっとでも流れを引き寄せてこれればと思っている。練習もしっかりできているんで自信を持ってやれる。僕は名古屋所属だけど、デビューはここだし。思い入れの強いバンク。まずは明日のレースで100%集中して走りたい」
 前回の千葉記念では埼京ラインの先頭で岡田征陽の優勝に貢献した池田勇人。前回に続き岡田との連係が早々に実現した。
 「記念の決勝に初めて乗ったのもここだし。重馬場はそんなに嫌いじゃない。千葉記念が終わってから、地区プロがあってそんなに練習はしていない。でもとくに変わっている感じもないし、良くも悪くもない感じです」
 岡田征陽は前回の千葉記念の優勝が今年の初優勝。遅まきながらの初Vに反撃の勢いを加速させる。
 「千葉の優勝で賞金が上積みできてよかったけど。(グランプリ出場をかけた)勝負は競輪祭になると思う。前回もギアを変えたし、今回もギアを含めたいろいろな部分を考えながら上を目指していきたい。池田君は強いから、仕事をする必要がないかもしれないけど。自分のできる仕事はする」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 防府記念で執念のV獲りを果たした浅井康太(写真)が、地元地区の記念でさらなる飛躍を目論む。
 「まぁ、賞金のことはあんまり意識しないで。前回の防府の最終日の片付けでギックリ腰をやってしまって…。4、5日休んだけど、それがいい休みになったと思ってプラスに考えます。ここは去年の記念でも決勝に乗っているんで悪くないと思う」
 ホームバンクで悲願の記念優勝にまい進する山内卓也。まずは決勝進出に全力を注ぐ。
 「とりあえず決勝に乗らないと話にならないので。まずはそこからですね。前回の玉野は調子は上がっていたけど、最終日は想定外でした。でも、自分でも動けていると思うし、明日は前(浅井)も強いからしっかりと」
 南関3車の番手を務める内藤秀久が、責任の重みをかみ締める。
 「村本(大輔)さんが自分に番手を任せてくれたっていうのは光栄ですね。そういう意味でも、しっかりと考えて走りたい。ここは相性も悪くないし、まずまずだと思う」

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北津留翼選手
北津留翼選手
 新田祐大は前回の函館を圧巻の3連勝で、今年10度目の優勝。“常に1着を目指す”をモットーに、日々の精進を重ねる。
 「前回はさすがに疲れもあったけど。F1は(優勝を)逃しちゃいけないし。走るからには常に1着を取りたい。それが選手としての当たり前の責務ですからね。余裕はないけど自分のラインで決めたいし。ラインの人とゴール勝負をしたいっていう思いで、レースを組み立てている。前回は思ったより反応が悪かった。レース内容がどうのこうのは結果が付いてきて言えることなんで、常に1着目指していく」
 北津留翼(写真)は九州の地区プロで4000m個人パーシュート、チームスプリントの2冠に輝いた。
 「一番体重があるときは97キロくらいあったけど、いまは82、3キロですね。スプリントをやるなら体重があった方がいいけど、競輪はこのくらいの体重の方がいいかなって。地区プロから中1日で疲れはあるけど、自力で頑張ります」
 2場所前の小倉で優勝を遂げている筒井敦史だが、コメントは慎重。
 「ここ2場所とも決勝に乗れているけど、すごい感じがいいってことはない。変なセッティングになってしまっているのが、練習をしている直前で気づいた。それを直して良くなっていればいいですね」
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