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―サマーナイトフェスティバル2020 inいわき平競輪場―
今年のサマーナイトフェスティバルはいわき平競輪場で行われているが、久々にファンの方を限定ではあるが迎え入れての開催。選手も声援を受けてのレースで刺激が入ります。
しかしながらの連日雨バンクで少し残念です。
今回は高松宮記念杯競輪に引き続き脇本雄太と新田祐大が参加します。脇本は高松宮記念杯で完全優勝。ここも、もちろん本命視される。そして新田は地元戦。優勝の文字しかないとは思うが、他の選手も力を付けているだけに組み立てが重要になって来る。力を付けた選手は勿論、中国勢の清水裕友と松浦悠士である。脇本もそうだが、それ以上に競輪界を盛り上げているのはこの二人であります。高松宮記念杯の決勝の松浦の走りはインパクトがあった。脇本は完全優勝をし、以前の脇本より脚力が勝っている印象だったが、それと同時に脇本が絶対的な存在ではないとも感じました。
今回の初日特選でも脇本は1番人気ではありましたが、本命には感じませんでした。単騎でもあり苦しい展開が予想された事もあります。そこで結果を出したのは中国勢でした。松本貴治がいた事もあるが両者のワンツーであった。後は郡司が積極的に位置を獲りに行った事が目に付きました。新田、脇本は初日凡走であった。
そして2日目準決勝です。まず激戦区であった7R。松浦、郡司、深谷知広に小林泰正に付けた平原康多と出来の良い選手が揃いました。郡司が逃がされた形ですが、結果は逃げ切り。位置を作りに行った形から気持ちを切り変えての先行です。しかも松浦の3番手まくりを阻止しての逃げ切りでありました。番手内藤秀久の好ブロックもありましたが郡司の肝の据わった先行劇でした。
8Rは脇本が登場。初日とは違いライン3車で組み立てやすい構成ですが、松本、清水の瀬戸内ラインがいます。松本の逃げっぷりは定評があり、脇本はここでも受けてのレースです。その松本を叩きはしますが、力尽き4着で決勝を外す結果。カマシ主流の現在の競輪。しかしカマシ戦法の限界を感じる一戦でもありました。
そして9R。ここは新田、佐藤が絶対です。ただ福島ラインの先頭は高橋晋也。高橋は福井で行われたウィナーズカップで2着に入りましたが、その時は周囲の期待の裏をかくまくり追い込み。今回も少しでも色気が出れば、新田も安泰ではなかった。だがここでは赤板先行を選択。結果は新田が番手まくりの1着でした。
そして迎えた決勝。中国勢は松浦先頭で清水、岩津と続くライン形成。そして郡司、内藤の神奈川ライン。新田、佐藤の地元ラインで、単騎の稲川と吉澤の形です。
展開予想
スタートは新田がいつも通りも前受。その後ろが神奈川ラインで、稲川。中国勢が続き吉澤の並びで周回と予想する。郡司がまず動きイン切の形から中国勢を迎え入れる。この時に稲川が切り替え中国勢を追う。ただ吉澤は入れないと思う。新田は8番手になるが、早めはない。新田は優勝を意識しているので、早くてもホーム過ぎのまくりだと考える。最終ホームを過ぎ、1センターぐらいで郡司がまくるより追い出しをかける。そして清水が番手まくり。新田は不発。3コーナーから郡司が仕掛け4コーナー勝負となる。清水が全日本選抜同様に後続を振り切るか。番手絶好岩津が抜け出すか。それとも郡司が捲りきるかである。
決勝番組
1番 佐藤慎太郎 福島
2番 郡司浩平 神奈川
3番 松浦悠士 広島
4番 岩津裕介 岡山
5番 稲川翔 大阪
6番 内藤秀久 神奈川
7番 新田祐大 福島
8番 吉澤純平 茨城
9番 清水裕友 山口
車券推理
4-592-59261
2-496-49651
9-42-4256
レース結果
9-7-5  202.9(73番人気)

レース経過
まずスタートを清水が取りに行き佐藤が譲り、中国勢が前受。そして北日本勢が続き単騎の稲川。南関ラインで単騎の吉澤で周回。後方になった郡司が松浦を押さえる。その動きに新田は付いて行かず7番手になる。4番手に入った松浦が一気に郡司を叩き先行。この時に中国ライン3番手の岩津が離れ、内藤を外から決めに行くが引っ掛かり落車。新田もこのアクシデントの前に踏み出しており苦しい展開に自らしたが、この落車で郡司の後ろまで追いつき、その勢いのまま1センターからまくりに行く。一気に前段を飲み込み新田の優勝と思ったが、清水に余裕があった。切り替え4コーナーからあっさり交わし優勝した。
清水自体は前回同様に調子があまり良くないとのコメントでありましたが、ここ一番はやはり強い。それが清水の最大の魅力かも知れません。今シリーズを振り返ると、直線が長い事もあり先行選手が苦しむシーンもありました。脇本絶対ではないことを前回の高松宮記念杯でも今回のサマーナイトでも松浦が感じさせてくれました。
最後に9車の競輪はやはり面白かったですね。