「今、崖っぷちです」
プロ35年目、完全休養日はない。それどころか筋力が落ち
るのが嫌で焦りを感じて自転車に乗らずにはいられない。
「開催中の指定練習でバンクに出てくるのはベテランばかり。
皆、切羽詰まっているんですよ。不安で不安で仕方ない。
不安がなくなったら選手として終わる時じゃないですかね」
崖っぷちの自分を感じながら走り続けている。
「好きなんでしょうね。子供達はもう結婚していますが、父
親が競輪選手だということを誇りに思っているみたいでした」
レースでは共にデビューした同期の息子達と対戦している。
熊本地震で被災したホームバンクの再開まで約二年半。
「走ってみたい。これが長いんですよね。あと二年半か!」