「自転車の練習って苦しい」
32年目。ルール変更に悩みもした。20代の頃、同地区の先行選手が少なく、違反点の制裁の厳しい時期と重なった。
「点数を持っていてもS級に上がれず、きつかったです」
それでも我慢してがんばるしかないと練習に打ち込んだ。
「自転車って200m一本もがくだけでも吐くくらい苦しい」
個の力を出し切れるものだからこそ自分の極限に挑むのだ。しかし、年齢を重ねるとそうもいかなくなってくる。
「休養やサプリメント、マッサージ、体の使い方など、日々考えながらやっていること自体が闘いですね」
その上でどれだけ練習できるかどうか。検車場でも常に身体を動かしながら、自分と向き合い闘うベテランの姿があった。