インタビュー

皆様の支援に感謝します!
熊本地震スペシャルインタビュー
2016年4月に複数回起きた熊本地震で被害に遭われた方々の中に競輪選手もいます。
そして、熊本競輪場も甚大な被害を受けました。
その状況を今回、松岡貴久選手、野口大誠選手にお聞きしました。
まだまだ、完全な復興までは時間がかかりますが、皆様のご支援が大きな力となっています!
■松岡貴久【熊本・90期】
熊本競輪が1日でも早く復活出来るように、僕らもしっかり走っていきたいと思います
-震災時の松岡貴久選手の状況や心境はどうでしたか?
「地震があった時、僕は競走でいなかったので、帰ってみたら、状況はひどかったですね」
-開催に参加中だったからこそ、心配も大きかったのではないですか?
「それは仕方ないです。実際に帰ってみて、その状況を実感した感じです」
-どんなところがひどかったですか?
「周りの家とかも崩れていたり、道路もぐちゃぐちゃだったし、あとはお店とかも開いてないし、食べ物や水とか、電気もなかったですね」
-お水は帰った時に持っていったんですか?
「はい、福岡経由だったので、福岡で買おうと思ったら、福岡もけっこう売り切れがあったので、あちこち回って、買えるだけ集めて帰った感じです。でも、その後にすぐ、吉岡(稔真)さんとか園田(匠)とか小川勇介が水やら色んなものを持って来てくれたので、ありがたかったですね」
-今はまだ熊本バンクはひどい状況と聞きますが、どんな感じですか?
「ちょっとボコボコ、ひび割れて、段差があったりと、バンクがズレているので気をつけなきゃいけないですけど、下の方は練習しようと思えば内外線間は走れるので」
-中バンク以上がひどい状況なのですね。
「そうです、イエローライン付近がボコボコですね」
-練習するには大変な環境ですね。
「いや、でも、仕方のないことなので、やれることをするしかないですから」
-熊本競輪場の復興はめどが立っているのですか?
「うーん、来年、再来年って言っていましたけど」
-熊本開催がないというのは、地元選手たちのモチベーションには影響しますか?
「いや、僕は関係ないというか、どこでも走るのは一緒です」
-地元記念がないのは寂しいですよね。
「そうですね。でも、(10月に借り上げで)久留米であります。熊本記念ではないし、お客さんが熊本というわけではないけど…」
-そうですね、選手たちは熊本を背負って競走するわけですね。
「そうですね。でも、皆、九州の近い人たちも影響を受けているので、皆で協力して盛り上げていければと思います!」
-競輪界では、震災復興競輪を行っていますが。
「ありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです」
-では、松岡選手のこれからの目標は?
「目標はずっと変わらないんですけど、ずっと、グランプリに出たいので、それを目標に頑張っています」
-震災後から松岡さんが変わられたっていう声をけっこう聞きますが、どうですか?
「そんなことはないです。僕は僕で変わってないですね(笑)」
-競走に対するクレーバーさが増している感じがします。
「あぁ、ここ何年か悪かった身体の調子とかも戻ってきたし、自転車の乗り方も思い出したって感じで、それで、動けるようになったからですね。でも、まだまだ全然で、安定してないというか、大きい着がありますね」
-身近な先輩、中川誠一郎選手が5月にタイトルを獲ったのは大きかったですか?
「そうですね、はい! 脚力だけで言えば当たり前ですけど(笑)、でも、近くにそういう先輩がいてくれるし、合志(正臣)さんが獲ってから10年経つし、あと10年後に獲れたらいいかなと思いますけど」
-いやいや、力がある人がそんなことを言ったらもったいないです。
「いやいや、まだまだですから、僕は(笑)」
-最後にファンにメッセージをどうぞ。
「熊本競輪が1日でも早く復活出来るように、僕ら、しっかり走っていくので、ぜひ応援をよろしくお願いします」
■野口大誠【熊本・105期】
走れる以上は精一杯の走りをしなければいけないと思っています!
-地震の時の野口大誠選手の状況と心境はどうでしたか?
「家にいて、1回目の地震の時は9時半くらいで、疲れて寝ていました。その時にボンって揺れて、全部物が倒れて、けっこう悲惨な感じにはなって、やばいなとは思っていたけど、元通りに家の中を片づけたりしていました。でも、2回目の本震が来て、これで精神的にかなりやられました……。次の日から前検日だったのですが、1回目の地震のあった時は行けるように調整して頑張っていたんですけど、2回目の本震で行けるような状態ではなくなった感じでしたね」
-そこから普段の生活になるまではどのくらいかかりましたか?
「だいぶかかりましたね。自分の住んでいるところは、水も出ないし、電気もついていないような感じだったので、避難所よりも車中泊していました。でも、自分はその後に静岡(ダービー)に行ったから、本震から3、4日は熊本にいたと思うけど、けっこう大変でしたね」
-今はいかがですか?
「今はだいぶ落ち着いていますね」
-でも、熊本のバンクは大変らしいですね。
「出来るだけ早く戻ればいいなと思います」
-中バンク以上がボコボコだそうですね。
「そうですね、中バンク以上がボコボコですね。でも、乗れないことはないので、練習は出来るけど、使えるところを使ってやっています」
-競輪界でも、震災復興競輪を行っていますが。
「そういう形で復興してもらえるのはありがたいと思います。自分も、走れる以上はやっぱり精一杯の走りをしなければいけないなと思っています!」
-では、野口選手の目標を教えてください。
「前期がけっこう落車で苦しんだので、ようやくちょっと、自分の中でいい形が出来つつあるので、それを活かして、もっと上で戦えるように頑張りたいですね」
-やはり熊本の選手を盛り上げていけるのは野口選手ら自力選手ですからね。
「そうですね、熊本を盛り上げていければいいなと思います」
-地震の後は野口選手自身も変わりましたか?
「変わりました。地震に対しての恐怖感はあまりなかったんですけど、自然の力の恐ろしさをまじまじと感じました。それと本当に走れるということのありがたさを感じますね」
-最後に、ファンにメッセージをどうぞ。
「一走一走、精一杯走って、力を出し切る競走を心がけて頑張ります。応援の方よろしくお願いします!」