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黒沢征治(埼玉・113期・S級2班)
4月にS級に特進した黒沢征治選手。3場所目の四日市FIで優勝を果たし、続く函館GIIIでも先行で活躍を見せている。一戦一戦で走り方を学び、さらなる高みを目指す黒沢選手に注目したい。
先行全開で駆け抜けます!
-S級に特進した時の心境は?
「素直に嬉しかったのと、でも、まだ自分の中では早いかなって感じでした」
-早いというのは?
「まだレースの流れというより力で行っている部分が大きいので、もう少し展開や周りの選手に走り方などを聞いて、A級の時にもっとレースの流れだったりを学べたかなと思います。けど、S級にあがっても番手の選手とか聞いていると、やっぱりすごいので、当時は早いなって思ったんですけど、今は学ぶことが多いのでよかったというか、勉強になっています」
-S級初優勝も果たしましたね。
「あれも早すぎました(笑)。でも、前々で先行でやっているのがあって、踏み合いになったんですけど迷わずに行けたので、そこはよかったのかなと思います」
-島川将貴選手との踏み合いの後に、飯野祐太選手の捲りに合わせての優勝ですからね。
「本当はホームで出切れなくてはいけなかったんですけど、島川選手も脚があるし、合わされそうになったし、きつかったですけど出切ると思ってました。そこは回しながら行ったんですけど、あんなに早く飯野さんが来ると思わなくて、ヨコに来た時はすぐに踏み返して、ヨコにも振っちゃったんですけど、あとは無我夢中でしたね」
-持ち味を活かした走りでした。
「自分はけっこう地脚だと思うので、何回か踏める脚とそういう練習をしてきたので、出せたのは自信になります」
-S級でも強さを見せているけど、本人的にはやれる手応えは?
「まだデビューしてから1年しか経ってないですし、自分は自転車経験が少ないので、インパクトを残すレースがしたいと思って、それをレースで意識しています。脚自体は通用しているけど、強い人がいっぱいいるのであとは流れを読んだり、もっと冷静に走ったりとか、足らないところもいっぱいあって、学ぶことが多いです」
-今の課題をあげるとしたら?
「先行のパターンや仕方も色々とあると思うので、相手を使った先行だったり、行くところは行かなきゃいけないですし、色んな先行選手の動画など見たり、また番手の選手の方が冷静に見れたりすると思うので、先輩たちの話を聞いて、あとはレース経験を重ねていきたいですね」
-今の目標は?
「常に決勝に乗るようにしたいですね。あと、記念も二次予選で終わってしまったので、記念の決勝にも乗りたいですね」
-初めてのGIII出場になった、函館記念は振り返っていかがでしたか?
「もうテレビで見たことがあるような選手ばっかりで、検車場に行った時にアタフタしちゃって、ちょっとかしこまっちゃいました。目で見て色んなことは盗めたんですけど、あまりこちらから話せなかったので、もっと雰囲気になじんで、もっと話して色んなことを聞いてみたいですね。まだ、ちょっと圧にやられてました(苦笑)」
-最近の練習方法は?
「ルールが変わってから誘導のスピードもあがるので、自分は大宮の500バンクで練習しているんですけど、とにかく700mとか800mをペースに入れて、そこからもう一回踏み直すっていうか、800mとか400バンク2周くらいの徐々あげだったりをしていたんです。そこは活きているんですけど、でも、GIIIクラスになってくるともっと平均スピードが速く、展開が早かったので、そこからもう一回あげていくとか、もう一回練習内容を変えていかなきゃいけないなと思いました。それと、出させてくれるまでに、練習だとゆるーく出て徐々にあげていけるけど、競走だと出るまでに脚を使わないと出れないと感じたので、ダッシュだったり、長い距離だけでなく短い距離を踏む練習も必要だなってGIIIで感じました。スタンディングはスピード乗せるのがあまり得意ではないく、シッティングの方が得意なので、ダッシュとスタンディングとシッティングの切り替えというか、そこがS級とA級じゃ違うかなと思います」
-函館記念の最終日に清水裕友選手を合わせたのは?
「3日目に流し過ぎて山中(秀将)さんに行かれちゃったので、ラインで来られていたら自分は終わっていたし、終わった後に芦澤(辰弘)さんや同県の池田(勇人)さんに、強い先行選手はホームにかけてあげていくって言われて、自分も確かに流し過ぎたなって思いました。それで、4日目は、前に出て2センターから全開でもたなくても踏むって芦澤さんに言っていました。出切ってちょっと流したところで清水君が来ていたので、あそこをもう少し流していたら清水君に行かれていたと思うし、全然見ていなかったので、たまたまです(笑)。たまたま、あそこを全開で踏んでいたから、芦澤さんも後ろで仕事してくれて、…自信にもなりました。あそこより流し過ぎると来るなっていうのはわかったので、あの感覚を忘れずに。次はあんな簡単に出れないと思うので、展開を読んでっていう感じですかね」
-話を聞いていると、日々、レースから学んでいるのが伝わってきますね。
「走る度に足らないことだらけだなって感します。だから、きつかったけど中2日で函館GIIIに行けてよかったですね。前回の感覚が残ったまま、いっぱいレースをしたかったので。その前が約1か月くらい空いちゃいましたからね。その時に練習できたのはよかったけど、レースでしか学べないことも多いですから。四日市から毎レース毎レースでいい感覚を得れました」
-同県同期に同じS級がいることは心強いですね。
「そうですね、森田(優弥)も植原(琢也)もめちゃくちゃ強いし、あと小玉(勇一)や尾崎(悠生)も強いし、同期に恵まれてますね。皆がやる気あるので、皆でメニューを考えています。師匠(細沼健治)とかもけっこう付き合ってくれます。四日市終わりに中2日で、細沼さんの家でローラーを乗らせてもらいに行ったり、それでご飯をごちそうになりました。自分は周りに恵まれていますね」
-黒沢選手が頑張っているからだと思いますよ。
「いえ。細沼さんはアマチュアの指導員をされていて、それで出会って、学校に入るのに自転車を師匠に全部用意してもらって、そこは本当に感謝しきれないというか、ずっとありがたいって思っています」
-そこは競輪で結果を出して、恩返ししたいですね。
「そうですね。師匠も嬉しいし、周りも盛り上がると思うので、頑張ります!」
-最後にファンにメッセージをどうぞ。
「いつも応援ありがとうございます。競走では絶対に諦めないレースをして、先行で全開で駆け抜けます! これからも応援よろしくお願いします」
黒沢征治(くろさわ・せいじ)
1992年3月12日生まれ。身長173.7cm 体重82.9kg
趣味や癒しの時間は?
「時間のほとんど自転車に費やしていますけど、そうですね~、ご飯とか。森田が多いんですけど同期でご飯行ったり、近くのスーパー銭湯に行ったりしています(笑)。あとはたまに映画に行ったりしていますね」