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松浦悠士(広島・98期・S級1班)
安定した好成績を残している松浦悠士選手。現在はグランプリ出場をも見える位置にいる。常に勝利を目指して戦う姿勢にファンからの信頼も厚い。松浦選手が目指す先とは!?
今まで積み重ねてきたことが結果として出ています!
-好調を維持している要因は?
「今までやってきたことが全部身になったというか、急にできるようになった訳ではなくて、今までずっとできることをやってきたことが今年は成績として出ているなという形と。あとは、前を走る選手が出てきて、特別競輪の時にもしっかり連携で決まっているというのが自分の実感としてはあります」
-今まで自分でやってきたことというのは、どんなところですか?
「自分のできることを常に最大限やるということですね。練習でもレースでもそういうことの積み重ねが結果として出てきたという感じです。ただ、レースの中で最大限やっていくという、ちょっと早めに行っても押し切れるのかとか、しっかりラインを連れて行くっていうことを意識しながら走るとか、そういうことの積み重ねかなと思います」
-自分で動く時はそこを意識して、色んなことを考えながらレースをしているんですね。
「はい。番手の時でもラインで決めるということをしっかり考えていますね。ただ、それは前の選手次第のこともあるので。なんというか今年に入ってから変わったことをしていますということはないですね。昨年4月からずっと練習方法は一緒です」
-昨年の4月から変えたんですか?
「フレームと練習方法を変えました」
-練習方法はどんな風に?
「以前はスピードが出ればいいやくらいの感じで練習していたんですけど、昨年の4月くらいからはインターバル練習を取り入れてやっています。それとフレームが4月くらいから乗って、5月くらいにマッチしてきた感じですね」
-それから自分の思うようなレースができるようになったんですね。
「そうですね、こうしたいなとかああしたいなって思うような動きができるようになってきて。それまではちょっと脚力が足らないというか、自分はこう動きたいっていうのがわずかな差があったり、捲れなかったりとかにつながっていきますからね」
-脚とレースが今はマッチしているんですね。
「そうですね。自転車が変わってから、まぁ脚力が上がったからだというのもありますけど、落ち着いてレースをできているので、走り方が焦らなくなりました」
-見ていても『上手いなー』って思います。
「焦りを感じると慌てて仕掛けたりだとか、僕みたいなタイプでいうと中団から出て行った時に間に挟まれて転んでしまったりだとか、そういうリスクがあるんですけど、そういうことがなくなって落車も減っていますし、成績もいいかなっていう感じですね」
-レースで心がけていることは?
「基本的には、詰まったら出るっていう、一回先頭に出るっていうことですね。どこでも弛むタイミングはあるので、そこから前まで出てから考えるっていう。それまでの位置取りは何パターンか想像しますけど。自分がスタートの位置がどこかで、それぞれどの辺りで弛むだろうということを予想して、そこでちょっと車間を詰めるように行った時に『あっ、詰まったな』で出るだとか。その辺は自分で微調整はしますけど、行くタイミングとかは。けっこう展開は読んでいますね。この辺りでこうなるだろうって読んでいて、その想像通りにはいっているんですけど。想像通りにいかない時でもなんとかするというか、そういう時は自分の中では納得はいっていないんですけど、それでも着には絡めてるなっていう感じです」
-レースを読む感覚がすごいですね。
「その辺は感性ですね。そこは頭で考えていたら間に合わないので。ここだと思ったら降りたりだとか、そういうところは感覚でしかないですね」
-前でなく、番手や3番手の時は?
「基本的に別線っていう考え方はなくて、中四国はなるべく連携したいというのが自分のポリシーというか考え方なので、自分が3番手で収まるなら3番手でもいいです。ただ、やっぱり気持ちを聞いてからになりますけど。それなりに、考え方とか、自分が今まで話してきて、信頼のおける選手だなっていうはあるので、そういうのがあれば連携は必ずするっていうのはあります」
-それはレースを見ていて決めるんですか?
「レースもそうですし、コミュニケーションも、ですね」
-3番手をかためるからには、それなりの競走をしてもらわないと。
「正直、ラインで決まればOKで、なんというか、先行を求めているわけでもなくて、ただ、ラインで決まる走りをしてくれていればそれでいいんです。そういうことを考えてくれている選手がやっぱり信頼できますし、自分もそれに応えようっていう気持ちになりますね。色々、アドバイスできたらいいんですけど、レースなんでなかなか難しいところもあります。本人の感覚と相手の走り方が、僕が前で自力の時と、例えば太田(竜馬)君とか清水(裕友)君が前の時は相手の走り方も変わるのでその辺りはアドバイスは難しいところではあるんですけど」
-今、ナショナルチームが強いですが、対策は考えますか?
「1人の力では厳しいので…、脚力でいったら脇本(雄太)さんが断トツなので、そこに追いつきたいって気持ちはあるんですけど、1人だけではなかなか厳しいのでラインの力でなんとかするしかないかなとは思ってはいます。自分もまだまだやれることがあるなって思うし、高松宮記念杯が終わってからは身体のこともちょっと気を使って、食事から変えたりだとかしています」
-高松宮記念杯で感じるところがあったんですか?
「正直、そうでしたね。2日目の時点でしっかり自分のレースができなかったっていう、あのレースで乗ってしまうのはよくなかったというか、負けて気持ちを切り替えてやれたのは今後につながるかなとは思います」
-食事は?
「糖質制限です、ご飯とかパンとかを食べないようにとか、そういうところに気を使っています」
-目標は?
「今の目標はグランプリ出場ですね。僕は感覚で走っているので、大きなケガがない限りは、この感覚が自分の中に染み込まれているので、忘れることはないだろうと思うし、今の目標はグランプリ出場ですけど、SSであり続けるっていうことを自分の中で新たな目標としてあります。自分の中では戦える手応えがあるので、それが自信になっていますね」
-最後にファンにメッセージをどうぞ。
「車券に貢献しつつ、魅力あるレースをしたいので、その辺を見てください! 自分の勝てる最大限の走りを常にしたいなと思っているので、それで2着、3着に負けてしまうこともありますが、頑張りますので応援よろしくお願いします」
松浦悠士 (まつうら・ゆうじ)
1990年11月21日生まれ。身長168cm 体重73kg
オフの過ごし方は?
「あんまりオフがないので、うーん、何しているか、うーん…。精神的なオフは家族と過ごす時間ですね。子どもがいるので一緒に過ごす時間は気持ち的にオフになりますね。ほぼ練習で、たまの休みの日は家族と出かけるくらいですかね。食事に行く楽しみは今ちょっと減っちゃっているんですけど、本当は甘いものが好きなんです(苦笑)。家族で甘いものを食べにいったりしたいんですけど、それはできないので家族で出かけることが楽しみですかね」