インタビュー

南潤 和歌山 111期 S級2班
近畿の大器が快進撃!
 9走すべてを力でねじ伏せた。A1、2班の戦いは、通過点に過ぎなかった。17年11月からのチャレンジ戦9連勝のあとの特別昇級A2班の戦いは、立川、千葉、和歌山とあっさり3場所で駆け抜けた。

南潤 和歌山 111期
 12月13日の和歌山FI A級決勝。「予選、準決はそうでもなかったけど、さすがに決勝は緊張しましたよ」と笑うが、レースは圧勝だった。一気駆けをけん制されて8番手はいつものポジション。決勝戦は前との車間を離されていたが、一瞬空いた内を見逃さず発進。ホームで全開に踏んで1人旅で抜け出した。最後はA級強者の佐々木豪(愛媛)が猛追してきたが、余裕で踏み直し、押し切った。地元ファンの歓声に思わず右手でガッツポーズも飛び出した。7月デビューから半年のS級特別昇級でもまだまだ伸びしろたっぷりの底知れぬ強さを感じる。171cmと上背はないが、回転の速さとスピードでそれを感じさせないパワーとスケール感も持ち併せる。
 競輪との出会いは小学5年生。ファンだった父と一緒にみたテレビの競輪だった。「自分の体でお金を稼ぎたい」と漠然と考えていた南は、すぐに「これだ」と目を見開いた。中学は体力づくりと割り切ってバスケットボールを続け、高校から自転車競技を始めた。1kmTTで国体優勝を飾るなど競技でも頭角を現した。学校を一発合格、競走成績は3位だったが、卒業記念の決勝では「勝ちにこだわる競走」で優勝を勝ち取った。
 学校時代の一番の刺激は卒業間近のナショナルチームとの合同練習だった。「競輪でも強い先輩たちとの練習は勉強になりました。それでもあくまでも競技の練習。今は競輪で結果を出したい。師匠の池田(智毅)さんに組んでもらった競輪のためのバンク練習が日に日に自分の身になっているのが分かります」と充実した練習環境で地力を強化してきた。
 将来的には東京五輪出場を見据えた競技参加も考えてはいるが、まずはS級で底知れぬパワーをぶつける。「S級ではラインを引き連れて先行で粘り切るレースをしたい。村上(義弘)さんとか近畿の強い先輩を連れて勝てる競走をしたい」と目を輝かせる。18年の初春から早くも開花した大器の走りに注目したい。


和歌山競輪場より