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上田尭弥 熊本 113期
目指すはヤンググランプリ
 久留米で3場所連続完全Vを決め、A級戦を卒業。S級初戦の4月小倉でいきなり2・1・8と決勝進出を果たすと、続く久留米、その後の5月青森で3場所連続優出を果たし、今年の目標「ヤンググランプリ出場」に向かい、勢いは増すばかりだ。
 「S級初戦の小倉はすごく緊張しましたよ。自分の実力がどこまで通用するか、まったくわかりませんでしたから。とにかく逃げて、どこまで持つかという気持ちで臨みました」と上田。抑え先行で番手の加倉正義(福岡、68期)の通算500勝達成をアシストし、自らも2着に粘り込んだ。「2着に粘り込めて、ホッとしたというのが実感でした」と、好スタートに笑顔。「自分的には小倉の準決勝で逃げ切れたのが自信になりました。力さえ出し切ることができれば、なんとかなりそうという感じで」。周囲は上田のパワーに脅威を感じたのか、決勝では大本命の郡司浩平(神奈川、99期)に引いての巻き返しではなく、上田の番手飛び付き策を選択させた。「郡司さんの想定外のイン粘りに、正直あせりました。結局は番手まくりを食らうのですが、どうせ番手から出るならバック過ぎに、せめて自分にバックを取らせて欲しかったですね」と、冗談交じりに話す表情にも自信をうかがわせた。
 「プレッシャーの中で走って、それでも、しっかりタイムを出せたというのは、自分的には良かったと思う。でも、今は逃がしてもらっている状態。小倉の次に走った久留米の初日と準決は対戦相手を強引に叩きに行ったけど、自分のダッシュのなさを痛感させられました。まだまだですね」と、謙虚に現状を把握できているのが好材料だ。課題克服でさらなる実力アップが見込めるからだ。「同期はみんな強い人ばかり。S級で優勝した人もいるしね。早く追いつきたいという気持ちはあるけど、自分の実力ではまだまだと思っています。当面の目標は、その強い同期と大きな舞台で対戦すること。ヤンググランプリの出場権を得ることです。そこで、自分をアピールできたらいいですね」。すでにS級で優勝経験のある藤根俊貴(岩手)松井宏佑(神奈川)河合佑弥(東京)宮本隼輔(山口)は、今は遠い存在だが、彼らをヤンググランプリで〝まとめて打ち負かす〟という野望すら感じられる。


久留米競輪場より