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竹内翼 広島 109期
さらなる飛翔のための試練

  6月のルール改正により竹内が苦しんでいる。「誘導のペースが上がったのも大きいが、以前のようにペースが緩むところがなくなって、仕掛けどころが難しくなった」ため、本来の力強い走りができないでいる。「最近、まくりが出るようになったので、成績はまとまっているけど、内容的にはまったく不満です」と渋い顔。
  新ルール3場所目の久留米記念では④③④⑥で「マーク選手みたいな成績。手堅くまとめたかもしれないが、自力選手としては結果が残せなかった。もう少し、新ルールへの慣れが必要だし、まだまだパワーアップが必要ですね」と、唇を噛み締める。
  ただ、明るい話題もないわけではない。「それでも、今期はS級1班の点数を確保することができた。これはこれで収穫と思っています。今まで頑張ってきた成果のひとつですよね」と、笑顔。「だからこそ、もっと頑張らないといけない。今、中国勢は清水裕友(105期)君や宮本隼輔(113期)君が盛り上げている状態ですが、自分もその一躍を担いたいと思っている。彼らから、いい刺激をもらっているし、自分も早く大きな舞台で大暴れしたいですね」と、抱負を語る。
  力さえ出し切るレースをすれば、S級トップクラスでも通用することは5月久留米で実証している。決勝戦では果敢に逃げて、短期登録の外国人選手、オーストラリアのマシュー・グレーツァーをまくり不発にしとめている。「あの時は、たまたま、いい条件が揃っただけです。久留米バンクとの相性の良さ、番手を回って必死に仕事をしてくれた友定(祐己、岡山、82期)さんのおかげです」と、謙遜するが、上がりタイムが11秒3と秀逸。無限の可能性を示す一戦だった。「あれが、S級初優勝だったので、めちゃくちゃうれしかったですよ。その後、しばらく調子に乗りたいな~と思ったところでのルール変更。なかなか厳しいですね。でも、これを乗り越えて、もっと強くなれということだと思うので」と、ポジティブに現状をとらえている。「5月久留米の優勝のおかげで、9月の松阪で行われる共同通信社杯は走れそう。そこで、しっかり結果を出せるよう、期の変わる7月から、また、気を引き締めて頑張りたい」と、さらなるパワーアップを誓っていた。


久留米競輪場より