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直送!競輪場便り
園田匠 福岡 S級1班
再び覇権奪回へ
 先日、村上博幸の優勝で幕を閉じた「第15回サマーナイトフェスティバル(GII)」。園田は中川誠一郎と共に地元、九州地区からファイナルへ進出し外コースを鋭く伸びて3着に飛び込んだ。「最近は大きいところで自分の走りができていなかった。それに今回は九州地区の開催だったから何とか形にしたかった。誠一郎さんは普通に決勝に乗って当たり前なので、あとは自分が何とかしなきゃと気合いが入っていた。決勝は誠一郎さんが行けなかったけど、いいところまで連れて行ってもらえたから最後、伸びましたね」

 今開催は日に日に緊張感が増していった。九州地区の大会なのに、初日から地元エースの大塚健一郎、山田英明、松岡貴久、荒井崇博といった仲間たちがアクシデントや落車などに見舞われるなどして次々と姿を消したからだ。
 九州から準決に乗ったのは中川と園田に山崎賢人の3人だけ。しかも、番組は3人をメインの12Rにセットした。プレッシャーは並大抵なものではなかったが、鐘前からフカした山崎の頑張りもあって、中川と何とか決勝に滑り込んだ。
「自分はともかく、賢人の判断が良かったしうまかった。普段なら遅めに上昇していたけど、それだと誠一郎さんが三谷(竜生)に飛び付かれていたと思う。絶妙なタイミングで駆けてくれた」
 ビッグ戦線の決勝は17年7月、伊東で行なわれた第13回の当大会以来。「自分は毎年(GIは)競輪祭があるのでそこまで意識していなかったが、別府でやるビッグも同じくらい意識しますね。2月(全日本選抜)の時にそう感じた」
 毎年恒例の小倉競輪祭を除けば、久々の九州地区でのビッグ開催となった2月全日本選抜競輪(GI)は二次予選で敗退。その悔しさを力に変え、終わってみれば不発の中川のスピードを借りて表彰台までたどり着いた。地元地区の責任を十分に果たしたといえよう。
 ここ数年、九州地区はビッグ戦線においては園田の他に中川誠一郎と山田英明の奮闘が目立つ程度で、全体でいえば他地区に大きく遅れを取っていた。しかし山崎賢人が彗星のごとく出現したことで一気に厚みが増し、戦力が整ってきた。
 園田はまだ37歳。今年不惑を迎えた中川があれだけバリバリと躍動しているのだから、チャンスは十分にある。上昇気流に乗っていければ、14年弥彦の「寬仁親王牌競輪」以来のビッグ制覇も夢ではない。


別府競輪場より