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小笠原昭太 76期 青森 A1
向上心は衰えない

 絶好の展開を生かし切れなかった。小笠原が久々の優勝を逃した。逃した獲物は大きいが、その悔しさを次にぶつける覚悟だ。
 ベビーフェイスの小笠原も43歳。決勝のメンバーでは山信田とともに最年長だった。「そうなんですよ。メンバーを見て今更ながらびっくりしました」と笑い飛ばした。今開催は特選からスタートも9着。「静岡の3番手を回ったんですが、実は凄く悩んだんです」。A級では自力も辞さなければの考えがあってのことだ。結果、後悔だけが残った。気を取り直して臨んだ準決。東北ラインの坂本拓との連係。その坂本は内に詰まり、最終ホームでは小笠原は9番手。坂本が外に持ち出しバックまくり。不発ではあったが、4角から内に切り込み、最後は外を伸びて2着に届いた。「いい感じで踏めました」と手応えを掴んだようだった。
 迎えた決勝。単機の選択肢もあったが、選んだ目標は大阪の福永大。打鐘から果敢に先行。栗本尚を突っ張り、最終バックを先頭で通過。小笠原と言えば、ぴったりマークしていると思ったのだが、バックで口が開いてしまった。結局、福永に追いつけず6着でシリーズを終えた。「スタート牽制があって、そこで足を使ってしまった。それが徐々にきた感じ。削られるとでも言うんでしょうね」。若い子を相手にするには、もっともっと鍛えないと駄目ですね」。悔しそうに振り返った。
 S級とA級を行ったり来たり。ここ1年練習方法を変えてみた。「抽象的なんですが、自力の練習を多くこなすようになった。皆でやるロケットも先頭を買って出たり。113期の嵯峨昇喜郎君の所に行って、一緒に練習をさせてもらっています」。後輩の所へ行くのは先輩としては歯がゆい思いもあるだろうが「それはありません。自分が強くなるためには、嵯峨君のような若い子と一緒に練習をしないといけないですから」と前向きだ。
 前期は最後の最後までS級の点数ギリギリだった。「多分、取れていないと思います。でもギリギリで上がれたとしても、それはちゃんとした実力じゃないと思うんです。それこそもっと早くS級の点数を取ればいいんですから」。向上心が衰えることはない。若手に刺激を受けながらS級復帰を目指す小笠原。今後も目が離せない。


立川競輪場より