升澤祥晃 愛媛 A級3班
後輩たちとの交流がいい流れを生み出した
升澤祥晃
新人ら若手機動型のスピードが際立つチャレンジ戦に、幾多のベテラン選手たちが手を焼く中、しぶとく食い下がっている。8月高知を②、②、②着とまとめると直後の9月久留米も優出して点数を大幅にアップさせた。久留米の初日はバック5番手から大外を鋭く突き抜け、勝ち上がりで久々の1着を手にすると、準決も脚を溜めて2着に強襲。決勝は5着だったが「若手の集団に離れてしまった。でも立て直して個人の上がりは11秒5。以前ならば、ちぎれたままで終わっていたと思う。久留米では開催中に別地区の選手が練習方法を聞きに来たんです。あんなの初めて」と、目覚ましい充実ぶりは、本人どころか周囲も気づいている。
好調の要因を聞くと「松山は7月からバンク改修中で開催がない。(開催指導員を務める身なので)今はストレスフリーだから(笑)」と冗談めかしたが、本当は抜かりなく本腰を入れて練習に取り組んでいた。「1月の高知でコケて67点まで落ちた。何とかしなければって時に後輩の吉田智哉と話をして気付かされることがあったんです」
テーマに掲げたのは「回転力を付けること」。4月から若手たちとの練習に加わり、軽いギアでとにかく脚を回す事を意識。ワットバイクとパワーマックスを織り交ぜた新たなメニューにシフトチェンジした。「ワットバイクってこれまでも乗るには乗っていたけど、バンクに入れる時はバンク練習を最優先していた。昔ながらの地べたを乗り込むスタイルが当たり前だったので不思議な感じでした。でもこうして結果が出ているから合っているのでしょうね」
固定概念を変えるのは難しい。年齢を重ねれば重ねるほど変化を恐れるだろうし、体力的なリスクも伴う。それに後輩たちとの付き合いにはどうしても世代的なギャップがある。だが、升澤の場合はそこまで苦にしていない。「自分はアマチュアの愛好会を担当していて、もう4年目。今いる後輩のほとんどはアマチュア時代から知っているのでそこは…。みんな自主的に色んなメニューを持ってきてくれるし、自分も聞かれれば意見をだします」
愛媛から松本貴治や佐々木豪、先出の吉田智哉といった伸び盛りの若手機動型が次々と現れるのもうなずける。彼らとのコラボを味わいながら、上昇気流に乗っていく。
久留米競輪場より