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森川康輔 岐阜 A級1班
類いまれなスピードとダッシュ。成績に波があるのは事実だが、随所に才能を感じさせるレースを見せてくれている。「11月の広島では初日、2日目ともに久々に感じが良かった。準決勝はゴールまでしっかり踏んで逃げ切れましたしね。やはり逃げの決まり手を付けたい」。8月の名古屋で落車して右鎖骨を骨折。2カ月以上もレースから遠ざかったが、11月の小松島では優勝するなど、確かな実力を証明した。
ただ、周囲の期待が大きいだけにまだまだ物足りないのは事実。特に中部はなかなか有望な若手が育ってきていないのが現実。かつてナショナルチーム・Bに所属した実力を考えれば、一日も早くS級を舞台に戦ってほしい逸材である。「なかなかやる気のスイッチが入らなくて…。伊豆で練習していた頃と比べたら、練習量は落ち気味ですね。当時は無理やりにでも練習していたからレースに行って楽だった」。天才肌ゆえ、きっかけ一つなのだろう。
自己分析はできている。強くなりたいという願望も持っている。自分に足りないものは何であるのか、しっかりと把握できている。「練習量と行動力が不足している。そこさえしっかりできれば上に行ける自信はある。目標?柴崎淳さんがあこがれですね。最終的に淳さんのところにたどり着きたい。そう、バチバチに逃げるタイプではなくても結果を出せているところがいいですね」。同じ脚質でGI制覇まであと一歩の位置まで来ている中部の先輩の名前を挙げた。
あとはどのように自らを厳しい環境に置いて、練習漬けの生活に持っていくか。「ポテンシャルがあると言ってくれる人がいる。僕のことを認めてくれる人の期待に応えるためにも、もっと上を目指さないといけない。そしてS級に上がったら定着したい」。スイッチさえ入れば、一気に飛躍していくことは確か。その日を待ちたい。


豊橋競輪場より