朝倉智仁 茨城 S級2班
逸材
着実に力を付けて、成績も上昇させてきた。18連勝でA級2班への特別昇班とS級特進を果たし、そのS級でも見せ場十分に戦っている。「少しずつ慣れてきました。考えさせられたり、難しかったり、面白いですね。やり方も分かってきました。ここまでは出来すぎだと思います。気を引き締め直さないと」。S級に上がって最初の3場所は決勝に乗れなかったが、その後は3連続で準決を突破してみせた。
3月の名古屋FIでも確かな実力を披露した。予選は逃げ切ってライン3車で勝ち上がり。準決は7番手からの最終ホーム仕掛け。菊地圭尚の先まくりなど苦しい展開になったが、長い距離を踏み切ったうえで再びラインワンツースリーを果たしてみせた。「落ち着いて仕掛けたけど、余力がなくて飛んだと思いました。自転車がうまく進んでくれましたね。」付けた同県先輩の杉森輝大も「止まったかなと思ったら、バックでまた伸びて行った」と、その底力を評価した。
そして決勝は打鐘先行で杉森に優勝をプレゼント。GPタイトルホルダーの三谷竜生が相手の戦いだったが、自らも5着に粘り込んだ。杉森は「朝倉君は強い。彼はまだ終わってなかったけど、後ろが来てしまったから出た。先行基本の言葉通りの走りで、本当にいい選手だよ」と再び賛辞を贈った。
しかし、まだまだ力を付ける必要がある。3月のルーキーチャンピオンレースで優勝を飾ったものの、115期最強の高橋晋也を追走しての結果。その高橋はFI優勝のみならず、ウィナーズカップ(GII)で決勝に進出するなど競輪界トップクラスの先行選手に出世した。「養成所で同組だったから番手を回りました。高橋さんが駆けてくれたおかげです。力の差は感じましたし、もっと上を目指さないといけない。まだまだ組み立ても甘いので、先行させてくれない場合は3、4パターン考えておいて臨機応変に走らなければならない。」
近い将来、必ずG戦線で活躍できる逸材。今後の成長が楽しみだ。
名古屋競輪場より