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鈴木竜士 東京 S級1班
融合
2017年のヤンググランプリの覇者「鈴木竜士」が、5月12日に茨城から東京に移籍。新たな刺激を求めて、新天地を探したのでなく、経営者としてのビジネス的な面もあるからだと言う。「今はパーソナルのジムとネイルサロンを都内で経営している。コロナの影響も全くなく、お陰様でジムの経営は順調。新たに夏には、2店舗目のネイルサロンもオープンを予定している」。どうしても、日本人の気質としてアスリートが副業をやっていると、ファンのイメージは良くない。その点を尋ねると「僕はあまり人の目は気にしていない。だから、お店の事も隠していないしオープンにしている。昔の根性ドラマみたいに、スポーツ選手は24時間、練習をやらないといけないみたいな風潮が残っていますけどね(笑)」。実際のトレーニングを聞いてみると「室内練習だが、今は科学的なトレーニングが発達しているので、それだけで十分。競輪の事も見ないし、深く考える時間もないですよ。」
引退した父親の天従さん(52期)は朴訥とした雰囲気の選手だったが、竜士選手は垢抜けて洗練されている。まるで、メンズ雑誌の表紙を飾れるぐらいの今風の若者だ。平原康多とのタッグは、清水裕友と松浦悠士の関係以上になる可能性を秘めている。そうすれば、競輪以外のメディアもほうっておかないはずだ。「あの中国コンビの連係は最強クラス。脇本雄太さんのスピードには対応出来なくても、あれが漢字の競輪。平原さんと武田さんも、凄いタッグパートナーだったと思う。僕は平原さんの前でも、逆に後ろでも、どっちも出来る選手になりたい。そうすれば、タイトルも夢ではないと思っている(笑顔)」。現時点で、関東に平原と同等の脚があり、前後どちらも回れる選手はいない。木暮安由が一番近いと言えるが、結果が出ているとは言えない。「走っていて面白いのは、やはり番手。競輪をやっている気がするので。ただ、タテ脚がないと、番手の仕事も出来ないので自力は捨てない」。
経営者として一番大切に考えている事は、従業員を大切にする事だと言う。「従業員ファーストの気持ちがあれば、それが結果的にお客様に繋がる。競輪もラインを大切にすれば、ファンの車券にも還元出来ると思う。そう言う意味では似ていますね」。アスリートと経営者の融合で新しい世界を築き始めている!


取手競輪場より