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小玉拓真 岡山 S級2班
30歳での覚醒

小玉が充実期を迎えている。「昨年4月から、ガラッと練習方法を変えたのがいい結果につながっていますね」で、今年1月11日現在で、103・65の自己最高得点をキープしている。「自分の中では100点を超えることなんて考えたこともなかった」と、思わず照れ笑い。「9車立ての競走は前が遠いので苦手だけど、現在の7車立てが合っているのかも」と分析している。
きっかけは練習方法を変えたこと。「昨年4月からカーボンフレームに大ギアをつけて、限界までもがき倒す練習を取り入れたんです。その後、軽いギアにしてもがき倒す。これを繰り返すこと、ギアにメリハリをつけることによって、その中間にあたる競走ギアで走った時は道中、脚に余裕があるし、踏み込んだ時も楽、感触自体も良くなったんです」と、語る。実際、別府初日の予選は逃げる林慶次郎(福岡、111期)の番手を内から上昇して競り勝つと、さらに、まくってきた福島武士(香川、96期)に切り替えて2着を確保と、俊敏な動きを披露していた。さらに準決は打鐘から果敢にハナを斬り、カマす山崎賢人(長崎、111期)を単独で追う形をつくり出すなど、動きは着順以上に軽快だった。
さらに、「2年前から減量にも挑戦した」という。「減量をする前は102キロまで体重が増えていました。このままじゃいけない。30歳を迎えるにあたって、減量に挑戦しました。食事のカロリー計算を徹底して、筋力を落とさずに体を絞っていったのですが、今はマイナス15キロの87キロをキープしています」。プロとしての体調管理ができていたのも成績アップの要因だ。「今になって反省しています。もっと若い時から、今のように真剣に競輪に取り組むべきだったと。20代の時はフィジカルでなんとかしのいでいましたが、30を前にして、体がいうことをきかなくなってきて、やばいと思ったんです。若いころの先輩方が練習しろと口を酸っぱくして言っていた意味が今になってわかりました」と苦笑い。しかし、まだまだ老け込む年ではない。
 「今は戦法にこだわりはないし、目標がいる時にマークしますし、誰もいなければ展開に応じてなんでもするという感じです」の小玉。今年はまだ未勝利ながら、昨年7月からの後期は8勝をマークしている。7車立てのFIクラスなら侮れない存在だ。


別府競輪場より