中川諒子 熊本 102期 L級1班
輝きを取り戻した3つの理由
ガールズケイリンの創成期メンバーである中川が輝きを取り戻している。4月3日時点で16場所連続優出、3月防府、続く小倉で優勝と安定した走りを披露している。「昨年末から感触が良くはなっていましたが、今年はしっかりと結果を出せるようになったという感じです」と、笑顔で語る。
2019年11月のいわき平競輪で落車し、骨盤骨折という大けがを負った。「あの時は1か月、いわき平の病院に入院。その後5月まで自宅療養していた。何もすることもなく、ボーとしていましたけど、その時に競輪そのもの、競輪選手である自分自身を見つめ直す貴重な時間をもらったということですかね」。思った以上に結果が出ずに苦しんだ時期もあったようだが、気持ちの整理ができたことで、走れる喜びを感じていることが好調な原因のひとつのようだ。
さらに、練習では「熊本から女子選手が次々と出てきたことですかね。私はバンク練習中心なのですが、いつバンクに行っても練習を一緒にしてくれる女子選手がいるということはうれしいですよ。橋本佳耶(熊本、114期)からは元気をもらっていますし、西島叶子(熊本、118期)みたいに、私に刺激を与えてくれる若手が出てきたことが大きいですね」。
今年1月平塚のガールズケイリンコレクションTRに参加した。「久々に相手6人が強いというレースを走ったけど、あれはあれで楽しいですよね。決勝は7着になってしまったけど、まだ大きな舞台で走りたいという欲が出た」と言う。熊本の若手女子の存在が中川を突き動かしているようだ。
そして、もうひとつが切に願う熊本競輪の復興だ。「熊本大地震から、かれこれ5年。競輪場の復活はまだですが、地元ファンの目の前で走りたいと思うのはプロとして当然のこと。さらに、ただ走るだけ、参加するだけじゃダメ。優勝争いをする姿を見せたいと思っている。同じ思いを兄(誠一郎、85期)も持っていますが、長い間、待たされて、もう気持ちが切れ気味ですけどね(笑い)。私も体力と気力がいつまで持つかわかりませんけど、熊本競輪が復活するまではと思っています」と、語ってくれた。
武雄競輪初日はホーム先行を敢行。3着という結果に「まだまだ、逃げた時は甘いですね」と、反省しつつ、準決、決勝は巧みなレース運びで1着、2着と成績をまとめた。年々、レベルアップしているガールズケイリンだが、中川は存在感をしっかりとアピールしている。
武雄競輪場より