川口公太朗 岐阜 S級2班
充実の時
充実の時を迎えつつある。106点にまで到達した競走得点は自己最高。点数があるから好目標も付けてもらえて、さらに成績は上がる。「いいレースができていると思う。来期(7月から)は初めての1班。もっと緊張感を持ってやらないといけない」。脚力、技術とともに責任感も増している。
好調の要因は練習環境が大きい。バンクには山口拳矢を筆頭に三浦貴大、長屋秀明、長谷部龍一らイキのいい若手がずらり。さらに、119期の在所成績2位でゴールデンキャップを獲得した志田龍星も加わった。まだS級に上がってなくても、向上心のある若手と汗を流すことがそのまま好成績につながっている。
「バンク練習中心に変えました。改修中の大垣からも僕のホームの岐阜に練習に来てくれるから、いろいろな刺激になる。同期の松岡孝高さんも言ってましたよ。熊本も強い若手が多いから、一緒に練習するだけで自分も強くなれるって」。
5月の日本選手権でGI初出場。大舞台でも臆することなく(5)(2)(1)(5)着とGI初勝利を飾って2度も連対してみせた。「緊張はしたけど、やるべきことはできた。まだまだ力不足とは思ったけど、またあの舞台に行きたい」。トップ選手が醸し出す雰囲気は、ここで戦い続けたいと思わせるほど川口を魅了した。
ただ一方で、自分の甘さも痛感した。4日目に1着を取れたことを喜び、満足してしまった。「あんなに長い日程を走ったことがなかったこともあって、最終日のレース後に疲れた表情を見せてしまったんです。そんな僕を見ていた選手が注意してくれた。やはり日本選手権に来ている選手は意識が高い。勉強になりました」。
競輪界最高峰のレースだからこそ分かった現在の自分。「今期(6月まで)も1班の点数が取れそう。この調子を維持しながら、1班の選手としてもっともっと緊張感を持ってやっていかないといけない」。次に出場できるGIは8月のオールスター。さらに大きく成長した姿を見せてほしい。(大垣競輪場にて)
大垣競輪場より