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高橋綜一郎 大分 A級3班
戦友の背を追って

法大の自転車競技部出身。鈴木陸来(静岡117期、S2)と2人乗りのタンデムスプリントでペアを組み、2016,2017年とインカレを2年連続で制した。しかし2018年、大学最後のインカレは準優勝。「勝てなくて悔しい思いをした。その時はまだ競輪選手になることなんて考えていなかった」と当時を振り返った。
競技引退後は自転車とは離れる生活を送っていた。だが戦友の鈴木は、競輪選手を目指して自転車に打ち込んでいた。「陸来が競輪選手になるという夢をかなえていく姿が、すごく楽しそうだった。自分ももう一度自転車をやってみようと思った」と、競輪選手への道を踏み出した。
養成所への試験は119期で一発合格した高橋だが、在校成績は48位。目立つ結果は残せなかった。デビュー後のルーキーシリーズでも大きな着を並べた。だが7月の本格デビュー後は先行を心がけ、その2節目には地元・別府で決勝5着。8月にも別府を走り、今度は初優勝を飾った。「決勝は同期の田川翔琉君(熊本)や近藤翔馬君(愛媛)もいた。周りの方が強かったし、まさか優勝できるとは思っていなかった。でも、後ろについてくれた勝部貴博さん(福岡105期)が『地元戦だから優勝を狙っていこう』と背中を押してくださいました。作戦も見事にはまってうまく捲っていくことができた」。優勝後には「LINEや電話で地元の先輩方や同期、そして友人らたくさんの方に祝福された。でも嬉しいという感情よりも、次も頑張るぞという活力の方が大きいですね」と、さらなる結果を求めて気を引き締めている。
「今の目標は陸来と一緒のレースを走ること。すごく強いし、もうS級のレースでも活躍している。自分はまだまだだが、ひとつひとつのレースで内容のある走りをして、いつかは対戦できるように頑張ります」。大学時代の戦友は、これ以上ない格好の目標。プロの世界ではリードを許しているが、ライバルとして渡り合えるよう背中を追い続ける。


別府競輪場より