志田龍星 岐阜 A級2班
「不運」を乗り越え
SNSの世界で「不運」のキーワードが話題になっていた志田龍星。
特別昇班に王手を掛けるも8月3日からの向日町の決勝が中止。そして同じく8月27日からの四日市の決勝が中止となってしまった。
このコロナ禍で誰も責める事は出来ないが、あり得ない様な不運が続いた。
仕切り直しとなった9月7日からの奈良で特別昇班を決めると、続く松山で1、2班戦で初優勝。
その勢いのまま平塚記念で行われたルーキーシリーズプラスで、同期相手に圧勝した。
「イライラしたり、やさぐれたりはしませんでしたよ(苦笑)。焦りもなかったし、いつかは上に上がれると思っていましたから。もちろん、早くS級に上がりたい気持ちもあるけど、今はレース内容も求めているので」。
今、勢いがある朝日大学の自転車部の出身だが、本格的に自転車に乗り始めたのは高校3年の4月から。
それまでは野球部だったが、ベンチ入りのメンバーぐらいでレギュラーにはなれなかったそうだ。
「岐阜第一高校は自転車部の名門で、選手も多く輩出している。野球より自転車の方がカッコ良いかなと。それが自転車部に転部した理由です」。
師匠は吉村和之で、グループ自体は違うが、あの山口拳矢が練習仲間になっている。
もっぱら、ヤマケンより練習は強いとの噂で、それは山口富生も認めている。
「それは、話しがオーバーになっているだけ(笑)。練習のタイムも、本番でのレース内容も拳矢さんとは、何もかもが違う。良いお手本がいる環境は恵まれていると思いますが」。
学生時代も、選手になってからも5百バンクを走るのは初めてだと言う。
そこは少し不安を感じていたが、A級ではレベルが違うだろう。
今の競輪は地区対抗戦になっている。ヤマケンの出現で中部も勢いが回復してきたが、本格先行ではない。
ラインに貢献出来る先行選手として、志田への期待は大きくなっている。
宇都宮競輪場より