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佐古雅俊 広島 A級3班
大ベテランが節目の400勝を達成!
昨年5月の広島の2日目補充で1着を取って以来、足踏み状態が続いたが、9月別府の最終日に通算400勝のメモリアルを達成。およそ1年4ヵ月ぶりの1着だった。
今期7月からチャレンジ戦に降班。その初戦となった岸和田では初日にいきなり落車した。「肩甲骨、鎖骨あとは肋骨を4本。あとは腱板断裂をやってしまったよ。出だしからきつかったね」と戦線離脱を余儀なくされた。そこから約3カ月、強じん的な回復で9月名古屋から実戦に復帰してきた。
1980年にデビューし選手生活41年目を迎えた輪界の鉄人は、この業界をつぶさに見てきた。傷だらけの戦いで、これまでは骨折はもちろん狭心症など幾度のケガ、病気を経験しそのつど克服してきた。今年61歳と大ベテランの域に達し、現場を走る選手としては最年長。今では生ける伝説として、熱心に後輩たちに指導する姿が目立つ。
そんな佐古のところには、ガールズケイリンの選手たちが次々と訪れる。話す内容は自転車のアドバイスから雑談まで幅広く、佐古のかもし出す独特の世界が、ガールズメンバーたちと不思議と噛み合う。今開催も小林優香が「佐古さんと撮影した写真にサインをもらいたいです」と目を輝かせ、吉岡詩織が「ここへ来る前には佐古さんに練習を見てもらいました。サコレンっていいます。今回はいつでも教えてもらえる」と喜んでいた。
そんな佐古は「去年は肩鎖関節と肋骨を8本やった。あとは肺気胸、肺血胸か。半年は何もできなかった。でも走れることがうれしいし、何よりも目標になるから」と事もなげに話す。400勝までの道のりは険しくも、本人にとっては「まだか、まだかってどこへ行っても言われる。そのうちしますよ」とまるで焦る様子もなくマイペースだった。勝利よりも走れる喜びに感謝する、そんな気を感じさせた。
まだまだ、奮闘する佐古の姿をみたいファン、そして選手も多いはずだ。体調をいたわり、一戦、一戦を大事にいつまでも元気でいていただきたい。


別府競輪場より