UCIトラック ワールドカップ・グラスゴー大会レポート
ワールドカップ第1戦では松井宏佑がケイリンで銅メダルを獲り、2戦では深谷知広がスプリントで銅メダルを獲り日本はいつからこんなに強くなったんだろうって思います。
それにしても、今回の非常に濃いメンバーの中で、トップ4に入り、銅メダルを獲るなんてもうびっくりする状態です。深谷選手の活躍は非常に凄いと思います。
ではレポート。
オリンピックに合わせてか、プログラムが昨年と同じではなく、変わってきています。
特に今回は、チームバーシュートの予選の日から2日間パラサイクリングが入り会場を盛り上げていました。
(とはいえ予選の日はほとんどお客さんはいませんでした)
大会初日は、チームパーシュート、チームスプリントの本戦で、日本からの出場はなく今回から出場する深谷知広、ミンスクからの転戦組の太田りゆ、小原佑太、松井宏祐は練習し、ホテルに引き上げる形でした。
そして大会2日目(3日目?)から男子スプリントに深谷、小原が、女子ケイリンに太田が出場しました。
男子スプリント予選、まず小原が9秒944を出し、場内を沸かせましたが、後半に進むにつれタイムが上がっていきます。しかし深谷が29番目に登場し9秒694をたたき出すと場内大歓声に包まれ、トップに躍り出ます。が、後半の3選手は9秒5台を出しトップ逆転に。しかし、トップ4に入る結果となり、シード権を得られ、1/8決勝からスタートとなったのです。
小原佑太のスプリントの予選
深谷知広のスプリントの予選
結果
小原佑太 予選24位で1/16決勝へ進出
深谷知広 予選4位で1/8決勝へ進出が決まりました。
小原は1/16決勝でリオの金メダリストのジェイソン・ケニーと対戦し敗退。結構追い詰めたのですが厳しかったですね。
深谷は1/8決勝で登場し、ロシアのYAKUSHEVSKIY Pavel を一蹴し、1/4決勝へ進出。ここから2本先取制となって、2本とった方が次に進みます。
1/4決勝でスリナムのTJON EN FA Jair と対戦。こちらも難なく2本先取しトップ4の実力を見せました。
迎えた1/2決勝。こちらを勝つと1-2位決勝となってメダル獲得は確実となります。
しかし、対戦相手は現在最強のオランダのLAVREYSEN Harrie 。アルカンシェルを着て9秒536の1番時計選手です。さすがに歯が立たず2本先取され、3-4位決定戦に。
3-4位戦ではポーランドのRUDYK Mateusz と対戦し深谷は圧勝。3位銅メダルを獲得しました。
深谷知広 3位
小原佑太 25位
小原の1/16決勝
深谷の3-4位決定戦
ウイニングラン
優勝・世界チャンピオン、2位・ヨーロッパチャンピオン、
そして3位・深谷知広
同日に行われた女子ケイリンに出場した太田りゆは、1回戦敗退、敗者復活戦も敗退となりました。
動きが悪く、積極的に仕掛けることができずに終わってしまった感じのレースでした。ミンスクで見せた動きができなかったように感じました。
結果
太田りゆ 19位
敗者復活戦
最終日は太田がスプリント。松井、小原がケイリンに出場。
太田はスプリント予選で11秒204を出し24位で予選通過し、1/16決勝へ進出。1/16決勝では、ガールズケイリンでも走っているオランダのロリーヌ・ファンリーセンと対戦し、敗退となりました。
太田りゆ 24位
1/16決勝の太田
松井、小原もそれぞれケイリン1回戦で敗退、敗者復活戦と走りましたが勝ち上がれず、敗退。
しかし敗者復活戦では二人とも良い動きをみせました。小原は良い感じに追い込んでいったが出切れず敗退。松井は先行する選手の番手を積極的に動いて取り切って追い込みに行きましたが差されて敗退となりました。
過去例で行くと、大体の日本の選手は、自分で動けない場合が多く何も出来ずに終わるパターンでしたが、そこは全く臆することなく、自ら動いての敗退ですからパワーアップしてくればまた違う展開になってくるでしょう。彼らの次のレースに期待したいですね。
松井宏佑 13位
小原佑太 21位
敗者復活戦の小原
敗者復活戦の松井
東京オリンピック以降の次世代を担う選手たちの積極的なレース内容は、パリオリンピックでも活躍が期待できるものと思います。ワールドカップ初出場でメダル獲得やスプリントの予選を突破していくのはブノワジャパン以前はあまり考えられなかった出来事でしたから。
着実に次世代が育っていると思います。
その他の話題では、東京オリンピックに向けて様々な自転車が出てきているというところでしょうか。日本はブリヂストンの新機材ですが、各国もそれぞれ投入しつつあります。
機材戦争も始まっているのでそちらも楽しみですね。
変わった形状のバイク「LOTUS・hope」