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自転車競技
第90回全日本自転車競技選手権大会トラック・レース
自転車競技トラック種目の日本チャンピオンを決める全日本トラックが、12月10日(金)~13日(月)の4日間にわたり、伊豆ベロドロームで行われました。
オリンピック後に日本で行われる全日本トラックは新しいチャンピオンや若い世代の活躍が目立つ大会でした。
若手が頑張る中、最終日に行われた1000mタイムトライアルでは新田祐大が優勝し、さすがのひと言。
日本新は残念ながら出ませんでしたが、それに近いタイムはぞくぞく出て、大会新はいくつも出ました。
今後に期待の高まる大会となりました。
【初日】
■男子チームスプリント

優勝したDream Seeker Racing Team、1走・長迫吉拓、2走・小原佑太、3走は予選が深谷知広、決勝は新田祐大が走りました。
1位 Dream Seeker Racing Team(長迫吉拓・小原佑太・深谷知広・新田祐大) 44.870
2位 チーム楽天Kドリームス+(寺崎浩平・松井宏佑・菊池岳仁) 45.008
3位 日本大学 45.932 

決勝戦のDream Seeker Racing Team

表彰

優勝のDream Seeker Racing Team
新田祐大「オリンピックが行われたこの地に帰ってこれて、この雰囲気の中で全日本選手権という日本一を決める大会に出れて、すごく嬉しいです」
深谷知広「予選のスタート前にちょっとごちゃごちゃさせられたけど、集中力が大事なので、そこは皆がしっかり切り替えて、いい走れたと思います」
小原佑太「自分の思っていたタイムではなかったし、1走、2走の車間など自分の思ったような走りはできませんでした。もっと自分の理想の走りができれば、タイムも伸びてくると思うので頑張ります」
■男子チームパーシュート

橋本英也がいるチームブリヂストンサイクリング予選から4:01.059と好タイムを出していて、決勝では対戦相手の朝日大学を追い抜いて
1位 チームブリヂストンサイクリング 追抜勝ち
2位 朝日大学
3位 鹿児島県自転車競技連盟 4:11.623

チームブリヂストンサイクリング

表彰

優勝のチームブリヂストンサイクリング
橋本英也「観客の皆さんの前で走ることができて嬉しいです。声援が一番力になりますからね。まずは1勝できてよかったです」
■女子チームスプリント

今回は久米詩が入ったチーム楽天Kドリームス+、初めて組んだ3人でしたが、しっかり優勝を決めました。
1位 チーム楽天Kドリームス+(久米詩、梅川風子、小林優香) 49.802
2位 鹿屋体育大学 53.676

楽天Kドリームス+

表彰

優勝のチーム楽天Kドリームス+
久米詩「スタートが少し失敗してしまったので、そこは反省点ですね」
梅川風子「一発本番だったので、本番で確認したいことも多かったんですけど、車間の取り方やどこで踏むのかなど、やはり難しかったですね」
小林優香「初めて合わせるメンバーだったし、3人のチームスプリントは昨年の全日本選手権以来なので、あの時よりもしっかりスタート台に立ててよかったです」
■男子エリミネイション・レース

チームブリヂストンサイクリングの今村駿介が優勝し、橋本英也が2位になりました。世界選での落車や調子を崩して練習も十分にできなかったそうですが、それでもきっちり2位に入りました。
1位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)
2位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)
3位 孫崎大樹( Sparkle Oita Racing Team)

レース

表彰

橋本英也「自分のコンディションが落ちている時にこういうメンバーでレースをした方が早い中でレースをできるのでいいんじゃないかと思います」
■女子エリミネイション・レース

ナショナルチームの3名が表彰台を独占となりました。
1位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)
2位 内野艶和(チーム楽天Kドリームス)
3位 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)

レース

表彰

鈴木奈央「優勝できて率直に嬉しいです。今回は梶原悠未選手がいないので、自分がたくさん金メダルを取りたいと思います」
内野艶和「久しぶりの大会で緊張しましたが、まずはしっかり走り切れてよかったです」
【二日目】
■男子スプリント

予選で1番時計を出したのは中野慎詞(9.799)、早期卒業をした彼が予選から存在感かる戦いをしていました。また同じく早期卒業の太田海也も1/8決勝で菊池岳仁に勝つなどの活躍を見せていました。
1/4決勝はタイムの早い選手たちが勝ちましたが、大学生の一か八かのカマシに新山響平、寺崎浩平も脚を使わされましたが、しっかり下して勝ち上がりました。
1/2決勝は中野VS寺崎、新山VS小原の戦いは、先輩たちがしっかりとレースを把握し、寺崎、新山ともに2本連取でストレート勝ちでした。
そして、むかえた決勝戦は寺崎VS新山となり、寺崎が2本勝ってストレート勝ちとなりました。寺崎本人も短距離では初めての日本一だと優勝を喜んでいました。
1位 寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス)
2位 新山響平(チームブリヂストンサイクリング)
3位 中野慎詞( Dream Seeker Racing Team)

レース

表彰

寺崎「予選はあんまりよくなかったけど、対戦は自分の強みを出せたと思います。久しぶりの全日本のタイトルですし、短距離になってから個人種目で初のタイトルなのですごく嬉しいです!」
新山「優勝を狙っていたというか決勝に乗りたいと思っていたし、悪くはなかったですね。対戦も走るごとに僕の感覚はよくなっていきました」
中野「養成所にいるのでカーボンで練習できないし、ギアも制限もあるので、あのタイムが出たのは成長していると思います。そんな中で楽しく走ろうと思ったけど、負けると悔しいし、1番タイムだったのに決勝にあがれなかったのを考えると悔しいですね」
■女子スプリント

予選で小林優香が10.849と大会新記録を出しました。ナショナルチームの小林、梅川風子が順当に勝ち進み、決勝戦は2人の対決になりました。決勝は互いに1本ずつ取って、3本目の勝負になりましたが、梅川が制して優勝を決めました。
また、スプリント初参加の久米詩も3位に入りました。
1位 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
2位 小林優香(チーム楽天Kドリームス)
3位 久米詩(JPCA)

梅川のガッツポーズ

表彰

梅川「3本勝負までいったし、勝ちたい気持ちも大きかったので、優勝できてよかったです!3日目のケイリンもしっかり頑張ります!!」
小林「1本取れて、2本目はしっかり勝ち切れたけど、3本目スリップしたりして思うようにいかなくて、勝負所で待ってしまったのが原因だと思うので、この結果は悔しいですけど映像を見返して、もっとスプリントの技術を磨いていきたいと思います」
久米「スプリントを初めて走ったので、わからないところもあったけど、楽しめました」
■男子スクラッチ

今村駿介と橋本英也以外、周回遅れ、DNFになるなどハードなレースになりました。
1位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)
2位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)
3位 谷内健太(京都産業大学)

レース

表彰

橋本「今村君が前半にラップして、負けずに僕がラップして、最後の勝負だったんですけど、状況がよくなかったのでちょっとlきつかったですね。でも最低限の目標である表彰台にあがれたのはよかったと思います」
■女子オムニアム

スクラッチ、テンポーレース、エリミネーションの3種目でトップだった鈴木奈央、ポイントレースでは内野艶和が逆転をかけてポイントを取っていったが、最後のゴールスプリントを制し、鈴木が2本目の優勝を飾りました。
1位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス) 146P
2位 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) 142P
3位 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) 130P

レース

表彰

鈴木「ずっとオムニアムで金メダルが取れなかったので初めてこのメダルを獲得できて嬉しいです!最後はもう行くしかなかったので意地でした。まだまだ種目は残っているのでしっかり頑張っていきたいと思います」
内野「久しぶりにオムニアムを走って3種目を走ったところできつくて、ポイントレースを走れるかと思いました(苦笑)。1位を差を縮められたのはよかったけど、最後に奈央さんに行かれたのは悔しかったですけど、楽しくレースはできました」
■男子マディソン

チームブリヂストンサイクリングから2組出場しましたが、この2組の強さは目立ちました。11周までチームブリヂストンサイクリング2がポイントを取っていましたが、最後に今村が落車するアクシデント。しかし、ラップやのポイントを取り続けたおかげで優勝を決めました。
1位 チームブリヂストンサイクリング2(今村駿介、山本哲央) 60P
2位 チームブリヂストンサイクリング1(橋本英也、兒島直樹) 57P
3位 日本大学 32P

レース

表彰

橋本「初めてのペアで兒島君と走りました。同じチーム同士の戦いでしたが、今村の方が少し上手だったんだと思います」
【三日目】
■男子ケイリン

1回戦、敗者復活戦、1/2決勝戦、決勝となりましたが、それを勝ち上がり決勝に駒を進めたのは以下の6名でした。
中野慎詞
村田祐樹
松井宏佑
新山響平
荒川仁
小原佑太
レースは小原が逃げて優勝。2着には中野が突っ込み、また、3着に村田が入り、養成所の中野、村田が入るという大波乱の結果となりました。
1位 小原佑太( Dream Seeker Racing Team)
2位 中野慎詞( Dream Seeker Racing Team)
3位 村田祐樹( 富山県自転車競技連盟)

レース

表彰

小原「決勝はしっかり力を出し切るレースをして優勝できてよかったです!これからの目標は世界選の枠をとりつつ、日本で1、2番に強くなれるように頑張りたいです!!」
中野「優勝狙っていたのですごい悔しいです。課題も見えたので、そこを克服して、成長していきたいと思います」
村田「3位は予想していなかったけど、すごく嬉しいです。デビューに向けて養成所で練習や生活を頑張りたいと思います」
■女子ケイリン

決勝のみになった女子ケイリンですが、小林優香が見事な逃げ切り優勝を決めました。
1位 小林優香(チーム楽天Kドリームス)
2位 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
3位 久米詩(JPCA)

レース

表彰

小林「2年振りの日本一ということですごく嬉しかったです!スプリントで悔しい思いをした分、ケイリンは自分の力をしっかり出して勝つことができてよかったです」
梅川「少し展開を読み過ぎてしまいました。展開を読むことも大事ですが、前を見ることも大事だったと思います。このレースを反省を活かし、次のケイリンに活かしていきたいと思います」
久米「ケイリンは本業でもやっているので悔しい気持ちはありますね」
■女子スクラッチ

この種目を得意にしている鈴木奈央がしっかり優勝を決めました。内野艶和は2位に入ったが、降格され4位になってしましまいた。
1位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)
2位 中村妃智(JPF)
3位 岩元杏奈(日本体育大学)

レース

表彰

鈴木「スクラッチは自分の得意で好きな種目なので、優勝できて嬉しいです!」
■男子オムニアム

スクラッチをまずは兒島直樹を取り、テンポレースも上位に入り、2種目を終わってトップに立ちました。しかし、エリミネイションレースで今村駿介がトップを奪い返しましたが、最後のポイントレースで兒島が優勝を決めました。
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 154P
2位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 141P
3位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 118P

レース

表彰

橋本「最終結果は3位で、チームの目標だった表彰台独占をできたことはよかったです。優勝を狙っていたけど、今のコンディションで後半に体力がなかったのが敗因だったと思います」
■女子マディソン

スプリント力のある鈴木奈央、内野艶和のチーム楽天Kドリームスが2位の日本体育大学に14ポイント差をつけて優勝しました。鈴木はこれで4つ目の金メダル獲得になりました。
1位 チーム楽天Kドリームス(鈴木奈央、内野艶和)
2位 日本体育大学
3位 University All Japan

レース

表彰

鈴木「しっかり優勝できてよかったです。練習で組んだ時よりも上手く連携できたと思います」
内野「1位が取れてホッとしています。私も練習の時よりはしっかり投げて、投げられたかなと思うのでよかったです」
【最終日】
■女子500mタイムトライアル

久米詩が37.271を出し、タイムには納得いかないようでしたが、しっかり優勝を決めました。
1位 久米詩(JPCA) 37.371
2位 中西美央(鹿屋体育大学) 37.555

レース

表彰

久米「タイム的には全く納得のいくものではなかったので悔しいです。4日間は楽しかったのひと言に尽きます。でも、ケイリンを負けた時は悔しかったし、これからもっと力をつけて優香さんたちと戦えるレベルまで追いつけるように頑張りたいです」
■男子1kmタイムトライアル

新田祐大が自身のベストを出して優勝を飾りました。2位の小原佑太も大会新を出したり、1秒台が3人と好タイムがたくさん出ました。
1位 新田祐大(Dream Seeker Racing Team) 1:00.107 大会新
2位 小原佑太(Dream Seeker Racing Team) 1:00.815 大会新
3位 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) 1:01.621

1kmTTを走る新田

表彰

新田「目標だった1分00は達成できたのでそれはよかったと思います。でも欲をいうともう少しで1分を切れそうだったので、もう少し出てほしかったですね(苦笑)。今回はいいタイムがぞくぞくと出て、ここ最近にないくらい1000mTTの盛り上がったと思います。見ているお客さんの熱気が僕らにも伝わってきました」
小原「1周目がかかってない感じだったので1:01くらいかなと思ったら、結果、世界選の予選と同じくらいのタイムが出せました。まずは最初の1周を課題にまた頑張りたいと思います」
新山「年1くらいで1000mTTは走ってないけど、イメージ通りに走れたと思います。嬉しいのは嬉しいけど、上位2人には1秒近く差をつけられたので、トレーニングして、走り慣れて、もっといいタイムを出していきたいです」
■女子ポイントレース

1位 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) 25P
2位 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) 22P
3位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス) 19P

レース

表彰

内野「けっこう接戦でしたが、最後まであきらめきれずに走れたのでよかたっと思います。パリ五輪でメダルが取れるようにしっかり準備していきたいと思います」
鈴木「最終種目も金メダルが欲しかったけど、艶和さんが強かったです」
■男子4km個人パーシュート

予選で橋本英也が:28.699で6位で決勝への進出は叶わずでした。候補生の近谷諒は3-4位決定戦に進むも、4:24.928で惜しくも松田祥位に負けました。
1位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 4:20.745
2位 安達光伸(朝日大学) 4:22.919
3位 松田祥位(EQADS) 4:24.539
■男子ポイントレース

橋本英也が出場しましたが、本調子ではない中で苦しかったのか5位に終わりました。今村が6個目の金メダルを獲得しました。
1位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 69P
2位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 52P
3位 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) 35P
5位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 2P