レース展望

レース直前展望
2017年も2月になりました。皆様の2017年は良い年になっていますでしょうか?
絶好調という方もまだまだという方も、2017年始めのGI第32回読売新聞社杯全日本選抜競輪でスキッとしていきましょう!
開催場となる取手競輪場は、東京からいくとJR常磐線に乗り、利根川を越えると取手駅に到着。駅からは歩いて10分ぐらい、無料バスに乗ると5分ぐらいで取手競輪場です。是非、ご来場ください!
平原康多選手
グランプリは、村上義弘に踏み負けた形となりましたが、2017年に入っても好調は持続しています。立川記念決勝3着、大宮記念は完全優勝と乗っていますよね。また、関東という地の利も活かして、ここは優勝を狙ってくるでしょう。早い段階でGI優勝を決めておけば、KEIRINグランプリ2017対策もできますしね。是非とも注目して欲しいですね。
原田研太朗選手
なかなかGIタイトルには手が届いていない原田選手ですが、2016年末の広島記念、今年の松山記念と記念連続2優勝しているのが目立ちます。積極的に動いて、優勝していますし、今年こそはGI制覇の思いが強いはず。近況も調子を上げていますし、全日選では、注目の一人となるのは間違いないでしょう。あとは、勝ちきれるかどうか。頑張って欲しいですね。
菊地圭尚選手
今年に入り、久留米FI、伊東FIを優勝し、ここのところの好調には目を見張るものがあります。今回出場予定の分厚い北日本の先行陣もあるので、しっかりと勝ち上がっていけるでしょう。いわき記念決勝の失格は気になるところですが、流れは悪くない(非常にファジーな競輪用語ですが)はずなので、全日選でも上手く流れに乗って上位進出を目指して欲しいですね。
吉田拓矢選手
ここのところ優勝から遠くなっていますが、是非期待したいのが地元の若手・吉田拓矢選手です。持ち味の先行力を活かして、地元の声援を受ければ、ここは頑張らなくてはいけない開催となるでしょう。また、ここを目標として練習をやってきているはずなので、その成果を出してほしいですね。関東の一番前で、決勝を走ってほしいと思います。
今年のGI戦線の開幕を告げる第32回読売新聞社杯全日本選抜競輪が取手競輪場で開催される。グランプリ覇者の村上義弘が今年もラインの結束力を武器に王者の道を突っ走っていきそうだが、地元バンクでの初のGI開催に燃える武田豊樹が平原康多との強力タッグで猛反撃をかけてくるだろう。グランプリでの雪辱を期す新田祐大や中川誠一郎らが仕掛けるハイスピードバトルも見逃せず、自在戦に磨きをかける浅井康太の一発ももちろん侮れない。
村上義弘が今年もラインの力で輪界を席巻する
 武田豊樹が地元初のGIで完全復活を目指す
村上義弘選手
 昨年のグランプリは現在考えうる最強の9戦士が顔をそろえた文字どおりの頂上決戦だったが、唯一3人のラインとなった近畿勢の村上義弘が番手絶好の展開を活かしてみごとに優勝を飾った。
 絶対的なスピードなら新田祐大、捌きのテクニックなら平原康多、間隙を突く鋭さなら浅井康太が群を抜いているが、競輪競走はやはりラインと展開が最も重要だということを改めて思い知らされた一戦だった。
 村上義弘というカリスマが存在する限り近畿勢の鉄壁のラインが崩れることは決してないし、稲垣裕之、脇本雄太、三谷竜生といった強力な機動力型がそろっているだけに、今年も近畿勢がラインの強さを武器に輪界を席巻していくだろう。
武田豊樹選手
 地元初のGIで完全復活を目指すのが武田豊樹だ。昨年の武田は落車の影響などで低迷してしまいグランプリ出場も絶望的な状態だったが、土壇場の競輪祭決勝で平原康多を追走から2着に入って最後の切符を手に入れ、競輪の神様からはまだ見放されていないことを証明してみせた。
 グランプリでは平原の捲りに乗って2着とさすがの底力を見せつけるも、新年初の和歌山記念では準決敗退と状態的にはまだ物足りないところがあるが、今大会までにはしっかりと立て直しを図ってくるはずだ。地元勢では吉田拓矢や吉澤純平らの若手も昨年はGIで大活躍しているだけに、近畿勢に負けない強力ラインで関東の牙城を守り抜いてくれそうだ。
 現時点での総合力ナンバーワンはまちがいなく平原康多だろう。グランプリでは村上義弘とのもがき合いとなって6着に敗れたが、競輪祭決勝では完璧にレースの流れを支配し、余裕しゃくしゃくの中団取りから武田豊樹とのワンツーを決めている。
 今年初の立川記念では決勝こそは単騎戦となったのが災いしてレースの流れを掌握しきれないまま3着に終わってしまったが、勝ち上がり戦は連日後続をぶっ千切っての3連勝。そして地元大宮記念では完全優勝と状態も万全。対戦相手が平原を警戒してあたふたと動き回れば回るほど、平原には好都合の展開が勝手に転がり込んでくるような状況になっており、今大会もスイスイと勝ち上がって決勝進出を果たしてくるだろう。
圧倒的なスピードを誇る新田祐大の奮起に期待
 近況充実の中川誠一郎に大いなる飛躍の予感
新田祐大選手
 輪界最速は新田祐大だ。これは誰もが認めるところだろう。昨年の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントは準決で敗れたが、その他のGIではすべて決勝進出と安定性も抜群だ。
 しかし、圧倒的なスピードを持っていても、昨年の優勝は6月の高松宮記念杯と3月の玉野記念わずか2回のみなのだから競輪競走は難しい。高松宮記念杯決勝はレースの流れにうまく乗れて4番手からの強烈な捲りで圧勝しているが、その他の決勝では勝負どころでは7、8番手の後方待機が定位置になってしまっており、前団の動きを見すぎて仕掛け遅れの不発というパターンが多くなっている。新田本人もそのことは重々承知しているはずで、今大会ではより積極的な攻めの走りを期待したい。
 昨年の全日本選抜の覇者は渡邉一成だ。昨年の決勝では新田祐大のカマシに乗り、番手から抜け出してうれしいGI初優勝を達成している。その後は2度目のオリンピック出場を経て9月の共同通信社杯から競輪に復帰したが、共同通信社杯は二次予選B敗退、寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントは準決敗退、競輪祭はまさかの一次予選敗退と苦しい戦いが続いている。
 新田祐大と同様に捲りのスピードは圧倒的なものを持っているにもかかわらず、競輪競走ではうまく発揮できずに終わっているのが実にもったいない。それでも、今後は自転車競技から足を洗って本業の競輪に専念すると宣言しているだけに、今年初のGIとなる今大会の走りには大いに注目したい。
中川誠一郎選手
 渡邉一成とは対象的にオリンピックから帰国後にいち早く結果を出しているのが中川誠一郎だ。競輪祭では渡邉と同様に一次予選敗退という残念な結果に終わっているが、10月の熊本記念では3番手からの捲りで優勝、11月の武雄記念は決勝6着、12月の佐世保記念では決勝3着と競輪競走でもしっかりと世界レベルの豪脚を披露している。
 そして今年初の和歌山記念の決勝でも位置取りは8番手となってしまったが、最終3角からの大外を強襲で優勝と幸先のいいスタートを切っている。世界の大舞台で戦ってきた自信と誇りが競輪競走でも遺憾なく発揮されており、5月・静岡の日本選手権に続いての2度目のタイトル獲得も十分に狙えそうだ。
浅井康太が深谷知広とともに中部ラインの強化を図る
 孤軍奮闘の岩津裕介がレースの流れを左右する
 ここで最近の競輪競走の流れについて考えてみたい。新田祐大を始めとするスピード自慢の台頭によって、競走は漢字の「競輪」から細切れ戦が主流のカタカナの「ケイリン」へ変わってきた。しかし、ここへきてまた少し変化が出始めてきている。細切れ戦で自在型が主流のレースが多くなると、結局は自在型同士の潰し合い、消耗戦になってしまい、逆に昔ながらのラインのほうが優勢になってきたからだ。その典型的な例が昨年のグランプリだ。捲り一発の狙いの選手たちが牽制しあっているスキに近畿ラインにやすやすと主導権を奪われてしまい、村上義弘にとっては絶好の展開になってしまった。競輪競走は日々変化しており、自在戦が売りの選手たちも今後は戦法の変更を余儀なくされることになるだろう。
浅井康太選手
 競輪競走の変化を痛烈に感じているのが浅井康太だろう。浅井は昨年はGIでの優勝はなく、ビッグレースでの優勝はサマーナイトフェスティバルだけだったが、サマーナイトは吉田敏洋の先行の番手から抜け出しての勝利だった。昨年から勢いを盛り返してきた近畿勢に対抗するには同じくラインで立ち向かうしかないと感じているはずで、今年の浅井はライン重視の戦法へとシフトしていくことになるだろう。今大会でも復調急の深谷知広や竹内雄作、吉田敏洋らとの好連係を決めてラインを盛り立てていけば、久しぶりのGI優勝にぐっと近づくことができるだろう。
深谷知広選手
 深谷知広が本格的に復活してきた。そのきっかけとなったのは9月の青森記念だ。青森記念の決勝は単騎戦からの大捲りを決めて優勝しているが、注目すべきは準決の走りだ。準決の結果は3着だったが、打鐘からの突っ張り先行でしっかりとゴール前まで粘り込んで強さを見せつけた。深谷はやはり小細工なしの先行勝負が本来の持ち味で、青森記念での突っ張り先行は本人にとっても大きな自信となったはずだ。その直後の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでも準決を1着で突破、競輪祭の準決も突っ張り先行で突破と抜群の強さを披露しており、今大会でパワー先行での押し切りが期待できる。
岩津裕介選手
 岩津裕介は昨年のオールスターで念願のGI初優勝を達成したが、村上義弘―稲垣裕之の近畿コンビの3番手を選択した鋭い嗅覚がもたらした勝利と言ってもいいだろう。
 今ふりかえってみると、オールスター決勝はメンバー的にも展開的にも昨年のグランプリとよく似ていることがわかる。グランプリも最終的に岩津が近畿コンビの3番手を選択したことで、稲垣裕之が俄然仕掛けやすくなったのだから。今後も地区的に恵まれない追い込み選手の選択がレースの流れを左右するケースが増えてくるだろうし、今大会でもタイトルホルダーとなった岩津の動向には注目が必要だろう。
近藤隆司選手
 伏兵的な存在として面白いのは南関東の近藤隆司だ。近藤は昨年の全日本選抜の準決で新田祐大、脇本雄太らを相手に大捲りの一発を決め、うれしいGI初優出を決めているが、競輪祭での準決でも郡司浩平の仕掛けに乗って3着に入り2度目のGI優出を果たした。5月・静岡の日本選手権では自身は優出ならなかったが、準決では前へ前への積極的な攻めで地元・渡邉晴智の決勝進出に貢献している。高松宮記念杯で準優勝の郡司浩平やヤンググランプリを制した渡邉雄太らとともに、今大会でも南関東勢を大いに盛り上げていくだろう。
2013年 第28回大会 平原康多
最後の直線で中を割った平原康多が2年半ぶりGI優勝
第28回読売新聞社杯全日本選抜競輪を優勝した平原康多
第28回読売新聞社杯全日本選抜競輪を優勝した平原康多
 鈴木謙太郎―成田和也の福島コンビ(当時)が前団、藤木裕―村上義弘の京都コンビ、武田豊樹―平原康多の関東コンビに単騎の海老根恵太が続き、深谷知広―神山雄一郎の即席コンビが後方で周回を重ねる。赤板から深谷が上昇を開始するが、それを追った武田が深谷を交わして先頭に立つ。海老根が関東コンビを追い、4番手はアウトに藤木、インに深谷で併走になる。すると、打鐘とともに8番手から鈴木が猛然と巻き返してきて、最終2角では武田を抜き去って主導権を奪い取るが、成田が平原に弾かれて後退し、武田が鈴木の番手にはまってしまう。鈴木、武田、平原、海老根の順で最終4角を通過し、最後の直線に入ってから武田が鈴木を抜きにかかるが、3番手の平原がインから武田に体当りして中を割り、ゴール前で鋭く伸びて2年半ぶりのGIタイトルを獲得、後方から大外を捲り追い込んできた深谷が2着に届き、武田を交わした海老根が3着。
ゴール
ゴール
直線は長めだが、クセがなくて走りやすい
自力選手の連絡みが多く、逃げや捲りの選手が若干有利
取手競輪場
取手競輪場
 取手はクセがなくて走りやすいバンクとして選手からは高い評価を得ている。直線が長めなので逃げよりも捲りのほうが若干有利だが、どんな戦法でも思う存分に実力を発揮できるので、力勝負の白熱したレース展開がくりひろげられる。
 これまでに共同通信社杯が2回、東王座戦が1回開催されているが、GIの開催は今回が初めてとなる。
 15年6月に開催された記念の決まり手を見てみよう。全48レース(レインボーカップA級ファイナルを含む)のうち、1着(1着同着1回と1着失格2回を含む)は逃げが4回、捲りが14回、差しが29回、マークが2回、2着は逃げが12回、捲りが11回、差しが14回、マークが10回となっている。
 1着はやはり差しが多く、一見すると一般的な400バンクのように思えるが、中団からの直線強襲や後方からの遅めの捲り追い込みによる1着も差しにカウントされているので注意が必要だ。
 取手は力勝負のできるバンクだが、先手ラインの番手の選手や捲りラインの番手の選手はゴール前では意外と伸びない。他の競輪場と比べると自力選手の連絡みが多く、逃げや捲りの選手が若干有利となっている。
 それを端的に表しているのが初日特選のレースだ。初日特選は3個レースとも逃げ切りが1着だったが、2着には別線の選手が突っ込んできて3個レースとも高配当になっている。
 初日10Rは竹内雄作が逃げ切ったが、5番手から大外を捲り追い込んだ山崎芳仁が2着で2車単は2万4千円、11Rは原田研太朗の逃げ切りだが、7番手から中コースを伸びた五十嵐力が2着で8千円、12Rは武田豊樹の逃げ切りだが、4番手からインを突いてきた香川雄介が2着で6千円だった。
 また、初日特選は3個レースとも逃げ切りだったが、全48レースのうち先手ラインの選手が1着を取ったのは16回しかなく、逃げよりも捲りの選手のほうが有利で、自力選手同士の1着、2着の出現率も高くなっている。


 周長は400m、最大カントは31度30分25秒、見なし直線距離は54.8m。11年3月の東日本大震災で施設が被災して1年半に渡って休場を余儀なくされたが、12年10月から開催を再開した。その際ホームとバックの入れ替えが行われ、旧ホーム側のスタンドが撤去された。そのため冬場は利根川から風が強く吹きつけることが多く、バック向かい風でバンクが重くなる。直線は400バンクの中では長いほうで、カントもややきつい。