第73回日本選手権競輪(GI)直前展望
平成から令和へ。いよいよ元号が変わりますね。
ダービーも初日は平成。二日目から令和です。
新時代への突入を感じさせてくれるダービーとなりそうですね。
そして新時代のチャンピオンが生まれるのでしょうか?
とても期待したいシリーズとなりそうです。
注目は、絶対王者・脇本雄太を誰が倒すのか?それとも他者を圧倒的パワーではねのけるのか?でしょう。
良いレースを期待したいですよね!
脇本雄太 福井 94期
新時代の絶対王者となるのか?←書き出しが、一世代前の競輪記事みたいですが、ウイナーズカップ決勝も圧巻の走りでした。東京2020でメダル獲得を目指しているので、なかなか本業の競輪を走ることはできませんが、走るときは圧巻のパフォーマンスを披露してくれるはずです。また今回は333バンクなので早めに動く選手ほどレースを動かしやすくなるはず。脇本の真骨頂のレースを期待しましょう。
新田祐大 福島 90期
こちらも東京2020のため、昨年のKEIRINグランプリ以来、本業の競輪は走っていませんが今年の世界選手権男子ケイリンで2位の銀メダルを獲得しています。また、競輪がケイリンにルールも近づくので感覚的には問題はないと思います。逆に、走りやすさが増すのではないかと思います。捲るスピードは世界レベルなので、タイミング的にはまると圧巻のパフォーマンスを見せてくれるはずです。
松浦悠士 広島 98期
好調と言って良いのが松浦でしょう。ほぼ決勝も外さないし、1着も量産している。また自ら動くこともできるし、番手戦もできる。今の競輪で強さを発揮できるすべてを兼ね備えていると思います。また、中四国で連携できるのもアドバンテージがあります。今この地区の若手選手が元気良いですからね。そこから上位進出を狙ってくるはずです。
郡司浩平 神奈川 99期
注目しておきたいのが郡司でしょう。少し調子を落としていた時期もありますが、ここにきて上り調子。自力も強力で、踏むタイミングの良さも良いと思います。ウイナーズカップでは脇本に先着されていましたが、その対策をしてきているでしょう。そうなると郡司と連携してくる南関勢に勢いが付いてきそうですね。まして地元地区のGIですから気合も入ってくるはずです。注目していきましょう!
ガールズケイリンコレクション2019松戸ステージ直前展望
1月のトライアルで決まった7選手の競演のステージです。フレッシュな顔ぶれとなりましたね。
松戸の333バンクをパワーで押し切るのか、テクニックで差し切るのか?注目したいと思います。
児玉碧衣 福岡 108期
ガールズケイリンコレクション2019in大垣ステージでは小林優香に先着されてしまい、気合を入れなおしたと言っていた児玉。ここはパワーで押し切ってくるはず。最終バックからゴールまで圧倒する走りができるかに期待したいですね。
石井寛子 東京 104期
強いし上手いガールズレーサーといえば石井寛子の名前が上がります。この選手の動向が今回のレースのポイントになってきそうです。児玉をマークして差しに向かうのか、それとも飛びつきながら踏み込むのか。それとも違う展開になるのか? いずれにせよ石井の動きによって展開が大きくかわるでしょう。
高木真備 東京 106期
近況2場所優勝と気配がアップしてきています。ちょっと気になるのが、あまり佐藤水菜とは相性が良くないのかと思われる節があるのですが、今回はそれをも払拭して良いレースをしてほしいと思います。児玉のパワーをどのように受け流すのかがポイントでしょう。少し穴的な感じにはなると思いますが頑張ってほしいと思います。
第73回日本選手権競輪(GI)展望
第73回日本選手権競輪が松戸競輪場で開催される。数あるGIレースの中でも最高峰の権威を誇る大会にふさわしく今開催にはナショナルチームに属する選手たちも参戦、S級S班が揃い踏みだ。脇本雄太と新田祐大のスピード対決が見どころだが、平原康多や浅井康太らが彼らスピードスターたちを相手にどんな対抗策を打ち出してくるかにも注目だ。
脇本雄太の圧勝劇が再び幕を開ける
脇本と新田のスピード対決が最大の見どころ
脇本雄太 福井 94期
2月に開催されたウィナーズカップは脇本雄太の圧勝劇で幕を閉じた。準決こそ山崎賢人のイン捲りに屈して2着だったが、残り3走は逃げても捲っても桁外れのスピードで押し切ってファンを魅了し、対戦相手を震撼させた。とりわけ2日目優秀は縦長の一本棒の展開となって脇本は8番手(実質的には10番手ぐらい)に置かれたが、吉澤純平-平原康多-武田豊樹の関東2段駆けをあっさり飲み込み、三谷竜生が離れてしまうほどの異次元のスピードを披露している。今大会は短走路の松戸が舞台で勝敗が展開に大きく左右されるバンクだが、今の脇本ならばどんなバンク条件、どんなレース展開になっても楽々と乗り切って優勝をもぎとっていくだろう。
三谷竜生 奈良 101期
近畿勢にとっては今大会が正念場だ。ウィナーズカップでは三谷竜生、村上義弘の2人が負傷明けだったこともあり近畿勢はだれも脇本のハイスピードについていけず、昨年の競輪祭と同様に決勝戦で脇本の番手という黄金の指定席を他地区の選手に奪われるハメになってしまった。今大会、三谷が優勝なら日本選手権3連覇、村上が勝てば日本選手権最多5回優勝の大記録達成となるがはたしてどうか。昨年吹き荒れた近畿旋風を途切れさせないためにも、近畿の選手たちは脇本の後輪に全神経を集中させて汚名返上の決勝進出を目指してくるだろう。
新田祐大 福島 90期
脇本雄太にスピードで対抗できるのは新田祐大だ。競輪での出走は昨年のグランプリ以来となるので状態面は不明確だが、3月にポーランドで開催されたトラック世界選手権のケイリンで銀メダルを獲得しておりスピードに関しては問題ない。15年に松戸で開催されたオールスターでは3番手から捲って優勝、16年の松戸・オールスターでも連覇はならなかったがきっちり決勝進出とバンクとの相性も悪くない。短走路なので後手を踏まされると不発の可能性が高くなるが、北日本でラインが脇本に負けず劣らずのスピード先行での押し切りもありそうだ。
佐藤慎太郎 福島 78期
北日本では佐藤慎太郎が引き続き好調だ。2月の全日本選抜で準優勝、ウィナーズカップも勝ち星こそなかったが一次予選は4番手から追い込んで2着、準決は4番手から太田竜馬-松浦悠士の中を割って2着に突っ込み決勝進出を果たしている。まだ気は早いかもしれないが獲得賞金ランキングでは中川誠一郎に次いで2位につけており、今大会も決勝進出を決めれば06年以来のグランプリ出場が見えてくるだけに、新田祐大、新山響平、渡邉一成らを目標にベテランらしいいぶし銀の差し脚を発揮してくるだろう。
南関東勢がラインの結束力で強敵を迎え撃つ
浅井康太が深谷知広との好連係を決める
郡司浩平 神奈川 99期
地元・南関東勢はエースの郡司浩平を中心に結束、ラインの力で強敵を迎え撃つ。郡司はウィナーズカップでは4走のうち3走で脇本雄太との対戦と厳しい番組が続いたが、初日特選予選最終バック8番手から捲り追い込んで2着、2日目優秀は4番手から吉澤純平-平原康多-武田豊樹の関東2段駆けの上を伸びて2着、準決も4番手からの捲りで2着に入り決勝は3着で表彰台に上がっている。連日の苦しい展開の中でも仕掛けるべきところでうまく反応できており、スピードの絶対値ではまだ物足りないところもあるが、今大会も持ち味のひとつである自在性をフルに発揮して勝機を見出してくる。
中村浩士 千葉 79期
南関東の司令塔は中村浩士だ。ウィナーズカップでは二次予選が渡邉雄太マークで2着、準決が郡司浩平マークから3着で決勝進出とさすがのしぶとさを発揮している。ホームバンクは千葉だが松戸バンクとの相性もよく、昨年7月のサマーナイトフェスティバルの準決では近藤隆司を目標に3着で通過して決勝が5着、8月の記念の準決では根田空史を目標にやはり3着で通過して準優勝と健闘している。南関東は上記の選手以外にも和田真久留、山中秀将、桐山敬太郎、岩本俊介など切れ味鋭い自力選手が揃っているので、今大会も中村の決勝進出が期待できる。
浅井康太 三重 90期
ウィナーズカップでは近畿の選手が脇本雄太に付けきれず次々と脱落していくなか、ただひとり浅井康太だけは決勝で脇本の捲りに食らいついて2着に流れ込んだ。昨年の競輪祭では3番手回りから脇本の逃げを差して優勝しているが、2月、3月と落車が続いて万全の状態でなかったこともあり捲りを差すまでには至らなかった。それでも、脇本のスーパーダッシュに一瞬たりとも離れることなく追走できたのはさすがと言っていいだろう。今大会ではやはり世界の舞台で活躍する深谷知広も参戦するが、ワールドクラスの強さを肌身で実感した浅井はさらなる脚力強化を図り、深谷との中部連係をしっかり決めてくる。
平原康多 埼玉 87期
平原康多はウィナーズカップの初日特選予選では最終ホームで8番手と最悪の展開となったが、そこからうまくコースを突いて1着と好スタートを切った。しかし、2日目優秀は吉澤純平目標の番手捲りを脇本雄太に捲られて5着、準決も勝負どころで3番手と絶好の展開に見えたが、そこから伸びきれずに4着に終わり2月の全日本選抜に続いて決勝進出を逃してしまった。もちろん、輪界随一のオールラウンダー・平原康多がこのまま失速していくわけがなく、脇本雄太、新田祐大らのスピードスターに対抗すべく秘策を練って必ずや巻き返しを狙ってくるだろう。
中川誠一郎が短走路でもきっちり決める
太田竜馬が中四国勢を優勝へ導く
中川誠一郎 熊本 85期
中川誠一郎はウィナーズカップでは得意の捲り2勝と引き続き好調だが、準決で6着と敗れて決勝を逃している。準決は中本匠栄の番手回りだったが、そこを鈴木竜士に攻められて後退、初日特選予選も山崎賢人との連係がうまくいかず5着に敗れており、自分のペースで仕掛けられなかったのが最大の敗因だろう。2度目のGI制覇を成し遂げた2月の全日本選抜のときのように、中川は単騎戦が一番似合っているようだ。昨年7月の松戸のサマーナイトフェスティバルでは準決で敗れているが、8月の記念決勝はやはり単騎戦で9番手からの大捲りで優勝しており、松戸バンクとの相性も悪くない。
山崎賢人 長崎 111期
ウィナーズカップでただひとり脇本雄太に土をつけたのが山崎賢人だ。8番手から外を捲った脇本に対し、山崎は6番手から最短距離のインを駆け抜けてそのまま押し切った。決勝は打鐘で南関東ラインが流したところを一気に叩いて先行、結果的には脇本を引き出す形になってしまったが、大舞台の決勝で果敢に攻めた走りは必ずや次につながるはずだ。山崎は昨年オールスターと共同通信社杯で決勝進出してブレークしたものの12月の地元・佐世保記念で落車してから成績が下降していたが、ウィナーズカップの決勝進出で再び上昇気流に乗ったと見ていいだろう。
太田竜馬 徳島 109期
今や中四国の「優勝請負人」に成長したのが太田竜馬だ。昨年暮れのヤンググランプリを制した太田は筋力アップでたくましさが倍増、1月の高松記念では平原康多、山崎賢人らを下しデビューから約2年半で念願の記念初優勝を達成した。そして2月の玉野記念決勝では徳島ラインを連れて逃げて阿竹智史に約6年半ぶりの記念優勝をプレゼント、続く3月の高松記念決勝では地元の渡部哲男を連れて逃げて10年ぶりの記念優勝へと導いた。2月の全日本選抜は準決で敗れたが、ウィナーズカップでは松浦悠士ともに準決を突破しており、今大会も中四国の先導役として逃げまくってくれるだろう。
南潤 和歌山 111期
南潤は昨年4月の函館でデビュー後最速のGIII優勝記録を更新したが、その後は落車などの影響もあり調子落ちになってしまった。しかし、年末のヤンググランプリで準優勝してから再び調子は上向きとなり、3月の小倉で2度目のGIII優勝を達成した。決勝は大本命の中川誠一郎を不発に終わらせ、最終ホーム7番手からのロング捲りで番手追走の村上博幸を振り切っての優勝と完璧な走りだった。南はまだビッグレースでの決勝進出はないが、全日本選抜やウィナーズカップでも連日積極的な走りを見せており、今大会では勝ち上がりが十分に期待できる。
思い出のレース
2014年 第67回大会 村上義弘
近畿結束で村上義弘が3度目のダービー王に
深谷知広-成田和也、平原康多-武田豊樹-内藤秀久、稲垣裕之-村上義弘-村上博幸-稲川翔の並びで周回を重ねる。青板周回の3角から稲垣が上昇、誘導員後位で深谷に並びかけると深谷はすんなり車を下げる。すかさず平原が追い上げて近畿ラインの後ろを確保、深谷は8番手まで下がる。稲垣は打鐘前から誘導を斬って先頭に立ち、そのまま全開でスパートして主導権を握り、一列棒状のまま最終ホームを通過する。そこから平原は捲っていくが、近畿ライン3番手の村上博幸に並びかけたところでスピードが鈍る。最終バックから村上義弘が番手捲りを敢行、平原後退で自力に転じた武田が迫り、さらに大外を深谷が猛然と捲り追い込んできて自力3車の力勝負となる。しかし、最終4角で村上博幸が武田をブロック、弟の好アシストに助けられた兄・義弘がそのまま押し切って3度目の日本選手権制覇を達成、武田が2着、深谷が3着に入る。
表彰
ゴール
バンクの特徴
直線が短くカントも緩いので先行有利が基本
展開次第では7、8番手からの捲りも決まる
松戸は周長が333mの短走路で、見なし直線距離も全国44場の中では小田原、奈良に次いで3番目に短い。カントも333バンクの中では最も浅く、先手ライン有利が基本だ。
16年8月に開催されたオールスターの決まり手を見てみると、全54レース(ガールズケイリンコレクション1個レースを除く)のうち1着は逃げが11回、捲りが25回、差しが18回、2着は逃げが4回、捲りが8回、差しが14回、マークが28回となっている。
さすがに輪界のトップクラスが集うGIではバンクの特性をパワーでねじ伏せる捲りの出現率が高くなるが、それでも他の競輪場のGIと比べると先行選手がかなり健闘しているのがわかる。
3日目9Rの二次予選では稲垣裕之が後位の位置取り争いを尻目にまんまと逃げ切り、11Rのシャイニングスター賞では打鐘から仕掛けた深谷知広が一列棒状に持ち込んで押し切っている。
そして最大の難関である準決3個レースも10Rこそは新田祐大が4番手からひと捲りを決めたが、9Rは中井俊亮の先行に乗った稲垣裕之が番手捲りで1着、11Rも矢野昌彦の先行に乗った武田豊樹が番手捲りで1着になっている。
さらに決勝では村上義弘が先行、稲垣裕之が番手捲りを打ち、稲垣追走の岩津裕介がゴール前で差し切って優勝、4番手、5番手と好位置につけていた新田祐大と平原康多の2人は不発に終わっている。
先手ライン有利の短走路はどうしても先行争いが激しくなるので結果的には後方待機の捲りが決まりやすくなってしまうが、決勝進出の権利がかかった準決や決勝では選手の仕掛けが慎重になるので一列棒状の単調なレースになりやすく、よりいっそう先手ラインが有利になりがちだ。
今開催も一次予選や二次予選では激しい勝ち抜きバトルが繰り返されても、準決や決勝では先手ライン有利を基本に狙っていったほうがいいだろう。
周長は333m、最大カントは29度44分42秒、見なし直線距離は38.2m。バンク全周が透明のポリカーボネート板とスタンドに囲まれているため風の逃げ道がなく、風向きによってはバンク内で風が渦巻くことがあり、バンクの周りがどこも向かい風ということもある。直線が短く2着の決まり手はマークが多いが、それでも力のある選手ならば4、5番手からインコースに突っ込んで頭に突き抜けることも可能だ。
松戸競輪場
ガールズケイリンコレクション2019松戸ステージ展望
ガールズケイリンコレクション2019松戸ステージが第73回日本選手権競輪を開催中の松戸競輪場に於いて3日目12Rに実施される。1月に川崎、京都向日町、玉野で開催されたトライアルレースの決勝戦で1、2着となった6名と3着の1名による最終決戦だ。スピードや実績で抜けている児玉碧衣が中心となるが、児玉と同様に連勝街道をひた走る石井寛子の逆転も十分。ガールズ1期生の小林莉子と114期の新鋭・佐藤水菜の走りにも注目だ。
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は年末のガールズグランプリ初優勝して新女王の座に就き、1月・玉野のトライアルレースでは完全優勝と貫禄を示した。3月のガールズケイリンコレクション大垣ステージでは逃げた梅川風子を最終2角で捲り切るも6番手から捲ってきた小林優香に直線で交わされて2着に終わっているが、小林不在の今回はもちろん優勝候補の筆頭だ。昨年7月の松戸のガールズケイリンフェスティバルでは決勝で梅川風子の逃げを捲れずに4着に終わっているが、今の児玉ならば短走路が舞台でも仕掛けどころを誤ることなく堂々の押し切りを決めてくるだろう。
石井寛子 東京 104期
石井寛子は1月・京都向日町のトライアル決勝では天候が雪で風速4mと最悪のコンデションだったが、奥井迪のカマシを巧みに追走し直線で交わして完全優勝達成とさすがの捌きを見せつけた。3月のガールズケイリンコレクション大垣ステージは3着に終わったが、今年は3月の高松まで18連勝と快進撃、2月・小倉の予選2では捲って上がりが11秒9、続く奈良の予選2でも捲りで9秒9と自己ベストのタイムを叩き出しており状態は万全だ。昨年7月のガールズケイリンフェスティバルで優勝と松戸バンクとの相性もよく、今回も自在な捌きで打倒・児玉を目指す。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は114期の新鋭だが、ホームバンクの川崎で開催されたトライアルレースを完全優勝、ビッグレース初出場の権利を手に入れた。決勝は先捲りの石井貴子の上を捲り切り、番手追走の小林莉子を振り切っての見事な押し切りだった。昨年7月のデビューから今年3月までの優勝が10回(うち完全優勝が8回)と素晴らしい戦歴で、昨年11月のガールズグランプリトライアルAの決勝でも児玉碧衣に次いでの準優勝とトップクラスが相手のレースでも互角の戦いを演じでおり、今回も佐藤の新鋭らしい果敢な走りが波乱の目となりそうだ。
高木真備 東京 106期
高木真備は1月・京都向日町のトライアル決勝では勝負どころで先行態勢の梅川風子の番手を取り切るも奥井迪-石井寛子のカマシにあって4番手となったが、そこから直線伸びて2着に突っ込んでいる。昨年後半はバック回数が減って成績も下降気味だったが、年末のガールズクランプリで思い切りよく先行して3着に粘り込み復活の手応えを掴んだ。今年初出走の取手は逃げ切りの3連勝、その後も勝ち星を重ね3月までの優勝が4回と完全に復調しており、今回も短走路が舞台だけに高木の先行策が十分にありそうだ。
小林莉子 東京 102期
小林莉子はガールズ1期生からただひとり出場権を獲得、1月・川崎のトライアル決勝では佐藤水菜の捲りを追って2着に入っている。小林はガールズグランプリの初代チャンピオンでその後はビッグレースでの優勝こそないが、続々と登場する後輩たちの攻勢にも負けることなく現在もしっかりと実績を残している。今年は1月の防府で初優勝、3月の岐阜と佐世保で完全優勝を達成している。岐阜の決勝は4番手からの大外強襲、佐世保の決勝も3番手からの大外強襲と直線での伸びが鋭く、今回もゴール前での優勝争いに絡んでくるだろう。
尾崎睦 神奈川 108期
尾崎睦は1月・玉野のトライアル決勝では打鐘4角から果敢に仕掛けて先行、児玉碧衣の3番手捲りに屈したものの2着に粘り込んでいる。次場所の奈良も予選1と2は捲りだったが、決勝は打鐘からインをすくって先行態勢に入りそのまま逃げ切って完全優勝と好気合いの走りを見せている。一昨年の平塚でのガールズグランプリは5着、昨年の静岡のガールズグランプリは4着と地元地区のビッグレースで結果を出せずにいるが、後輩・佐藤水菜の活躍もいい刺激になっているはずで、今回こそはの意気込みで松戸へ乗り込んでくるだろう。
田中まい 千葉 104期
田中まいは1月・川崎のトライアル決勝で3着に入り出場権を獲得した。予選1は最終4角で6番手と完全に立ち遅れながらも直線で懸命に追い込んで3着、予選2は大久保花梨の捲りに乗り大外を伸びて3着、決勝も最終2角で6番手と苦しい展開となったが佐藤水菜-小林莉子の捲りに切り替えて流れ込みの3着と、3日間勝ち星こそなかったがしぶとい走りを見せた。17年12月の千葉を最後に長らく優勝から遠ざかっているが、今年は3月までに7場所走ってすべて決勝進出と調子は悪くなく、今回も対戦相手は強いが好走が期待できるだろう。