第61回朝日新聞社杯 競輪祭(GI)直前展望
賞金争いも徐々に絞られ、後は誰が競輪祭のタイトルを獲るのかによって、KEIRINグランプリの出場が大きく変わってきそうですね。
賞金ランキング10位の諸橋愛と9位の松浦悠士の差は1700万円ぐらいあるので、諸橋は賞金で乗る条件はかなり厳しくなったと思います。
また松浦も8位の平原康多とは約340万円差。今回のタイトルを8位以内の選手が獲ればそのまま手中にできそう。KEIRINグランプリ出場を巡って更に激しい上位争いと、一発逆転でGIタイトル奪取を狙う選手で今回の競輪祭は更に面白くなりそうです。
注目選手
清水裕友 山口 105期
防府記念決勝は、勝ちに行った良いレースでした。自力で動いて地元記念優勝ですから、非常に強いと思います。なかなか地元記念って獲れないですからね。この脚を見ていると、しっかり地元記念に合わせてきたのだなと思います。昨年の防府記念を思い出しました。この防府記念を勝ったから、KEIRINグランプリの道が開けたことを。今回の競輪祭はなにを見せてくれるのでしょうか?
大きな期待をしたいですね。
松浦悠士 広島 98期
ここは一つでも勝ち上がり、少なくとも決勝には是が非でも出たいところ。特に、自分より賞金で上位選手が勝てば確定。上位以外の選手が獲れば次点に泣くことになってしまいます。これを避けるには勝ち上がり他の選手の状況を不利にしていかなくてはなりません。松浦の集大成の走りをここで見せてくれると思います。
郡司浩平 神奈川 99期
共同通信社杯を優勝し賞金を積み上げてきました。現在賞金ランキング6位ですが、6位から9位まで僅差といってよいでしょう(7位の新田祐大は除く)。少しの隙が大きな傷となるのか、少しの隙を埋めるのかは競輪祭にかかってきそうです。確実にグランプリの出場権をつかむためには一戦一戦が重要になってきます。初日から郡司に期待したいと思います。
平原康多 埼玉 87期
調子が安定しないのは歴然の事実ですが、競輪祭との相性は抜群にいいものがあります。確実にグランプリの出場権を射止めるには、タイトルを獲るのが一番です。その調子に持っていけるかどうかにかかっているでしょう。抜群のレースセンスを是非見せて欲しいと思います。東日本の雄としてここ一番は頑張ってほしいです。
ガールズグランプリトライアル2019 トパーズ
小林優香 福岡 106期
今の小林を脅かすのはいないはず。200m予選を10秒台で走れるのは日本でも小林しかいません。このスピードを生かせばまず負けないでしょう。世界で活躍する脚を見るチャンスを逃していけません。圧倒的なスピードで優勝をするはず。とはいえ何が起こるかわからないのも競輪ですからね。まずは良い脚を見せてほしいですね。
石井寛子 東京 104期
小林優香を差せるとしたらを考えると石井寛子が筆頭かと思います。また小林の捲りに合わせることができることも考えるとやはり石井寛子になるかと。
非常に難しいですが、ぜひ頑張ってほしいですね。
ガールズグランプリトライアル2019 アメジスト
児玉碧衣 福岡 108期
地元クイーンの児玉碧衣が優勝候補の筆頭でしょう。パワー、スピードどれも今のガールズケイリンで児玉を凌ぐものはほとんどいません。が、時としてあれ?という場合もあります。しかし、ここは地元。すっかり勝ちにいくでしょう。強い児玉をアピールしてガールズグランプリに乗って欲しいですね。
佐藤水菜 神奈川 114期
基本先行主体も、捲りも追い込みなんでもこなして勝ちに行くスタイルで、ここも優勝を目指してくるはず。強い児玉との対戦になりそうですが、ガールズグランプリを考えるとここは勝っておきたいところでしょう。勝って波に乗って突っ走って欲しいですね。
第61回朝日新聞社杯 競輪祭(GI)展望(10月30日配信)
第61回競輪祭が小倉競輪場で開催される。昨年と同じくガールズグランプリトライアルレースとの同時開催で6日制のナイターとなる。 KEIRINグランプリ2019への出場権をかけた今年最後のGI戦で賞金上位者にとっては一戦たりとも落とせないシリーズとなるが、ガールズケイリンと同様に前半3日間は全員が予選スタートのポイント制となっているだけに今年も初日から激しいサバイバルレースが展開されるだろう。
中川誠一郎が自慢のスピードで勝ち上がる
松浦悠士がグランプリ初出場を目指す
中川誠一郎 熊本 85期
グランプリ出場権をかけた今年最後のタイトル争いがいよいよ幕を開ける。すでに今年のGIを獲っている脇本雄太、新田祐大に深谷知広らのナショナルチームのメンバーが不在で優勝の行末は最後まで予断を許さないが、スピード一番は中川誠一郎だ。
中川はさすがに2度オリンピックに出場しているだけあって無風のドームバンクではスピードが一枚上だ。先の寬仁親王牌世界選手権記念トーナメントGI決勝では清水裕友の番手で競りかけられて9着に終わったが、準決では打鐘からカマシを打ち、後続の反撃を一切許さずに鮮やかに逃げ切っている。なぜか同じドームバンクの小倉との相性はあまりよくないようで競輪祭での優出はまだないが、今年はすでにタイトルを2度獲っているので精神的に余裕があるし、今の調子と勢いがあれば初の決勝進出を決めてくれるだろう。
競輪祭は昨年から全員が予選スタートの6日制に変わり決勝を含めると5走しなければならず、自力選手にとってはやや厳しい番組となっている。昨年の決勝も逃げた脇本雄太が2着に落ち、3番手から伸びた浅井康太が優勝しており、今年も追い込み勢に大きなチャンスが巡ってくるかもしれない。
園田匠 福岡 87期
園田匠は寬仁親王牌決勝は7着に終わったが、一次予選は山崎賢人の逃げを差して1着、準決はブロックを受けて中川誠一郎の逃げから大きく離れてしまったが、必死に追いかけて3着と意地の走りを見せた。今年8月の小倉FIで優勝、昨年の競輪祭では中川とともに準決進出とバンクとの相性も悪くない。寬仁親王牌で40歳のベテラン・村上博幸が5年ぶり3度目のGIタイトルを獲得したのも大きな刺激になっているはずで、園田も地元バンクで14年の寬仁親王牌以来の2度目のGI優勝を狙ってくる。
清水裕友 山口 105期
GIタイトルに最も近い男のひとりが清水裕友だ。中川誠一郎と比べると踏める距離は短いがトップスピードは遜色なく、レースでは常に前へ前へと動いての位置取りができるのが強みだ。寬仁親王牌決勝は絶好の3番手に入りながらも仕掛けきれずに3着と若手らしい未熟さを露呈してしまったが、初日理事長杯は三谷竜生の逃げを捲って1着、準決も4番手から捲って1着と強さを見せている。昨年は寬仁親王牌でGI初優出、競輪祭では決勝3着でグランプリ出場権を獲得と大活躍しており、今大会も今度こその意気込みでタイトル奪取を狙ってくるだろう。
松浦悠士 広島 98期
松浦悠士は今年2月・全日本選抜、3月・ウィナーズカップ、5月・日本選手権と3大会連続でビッグ優出を果たし、7月・サマーナイトフェスティバルでも優出して賞金を上積みしグランプリ初出場を目指して奮闘しきた。だが、寬仁親王牌では優出に失敗、寬仁親王牌終了時点の獲得賞金ランキングでは9位とまさに当落線上のぎりぎりの位置となってしまった。それでも寬仁親王牌の4日目特別優秀ではグランプリを目指して執念の逃げ切りを決めており、競輪祭でも最後の1走まで諦めることなく力強い走りをみせてくれるだろう。
グランプリ覇者の三谷竜生がついに復活
平原康多の早急な立て直しに期待
三谷竜生 奈良 101期
ようやく三谷竜生が復調してきた。三谷は2月・全日本選抜で落車してからずっと流れが悪くビッグレースでの優出も途絶えたままだったが、10月・千葉記念で今年初優勝を決めて復活の狼煙を上げた。そして中1日の強行スケジュールで臨んだ寬仁親王牌では準決を2着で突破して今年初のビッグ優出、決勝では経験値の違いを見せつけて見事に村上博幸とワンツーを決めた。昨年のグランプリ覇者である三谷はレースでは常に1番車が用意されているのも強みだ。競技規則の変わった現在の競輪では初手の位置取りがかなり重要になってきており、今大会でも1番車を利しての確かな位置取りからレースをつくって勝ち上がっていくだろう。
村上博幸 京都 86期
村上博幸は寬仁親王牌で5年ぶり3度目のGIタイトルを獲得した。優勝はもちろん本人の努力の賜物だが、4走すべてで三谷竜生と連係できたのも幸運だった。これで近畿勢からのグランプリ出場を決めたのは脇本雄太と村上の2人となり、競輪祭でもう1人出場権を獲得できれば昨年と同様の強力ラインができあがり近畿勢でのグランプリ連覇が現実のものとなるだろう。そのためにも今大会では、もちろん勝てるときにはきっちり勝ちにいくが、勝負どころではしっかりと追い込み選手の仕事をこなしてラインを援護し、近畿勢を盛り上げていくだろう。
平原康多 埼玉 87期
平原康多は今年前半やや低調だったが、6月・高松宮記念杯で今年初のビッグ優出を果たすと、次場所の久留米記念で今年初優勝、8月・西武園記念も優勝し、高松宮記念杯から共同通信社杯まで4大会連続でビッグ優出と波に乗った。ただ9月・青森記念での落車の影響が尾を引いていたのか、共同通信社杯決勝は4番手から仕掛けきれずに3着、10月・寬仁親王牌は準決敗退とまだまだ本調子とは言えない状態なのも事実だ。獲得賞金ランキングも8位と当落線上まで落ちており、GIタイトルを獲っての出場を目指すためにも早急な立て直しを期待したい。
木暮安由 群馬 92期
地元開催の寬仁親王牌で執念の走りを見せたのが木暮安由だ。初日特選予選は最終バック7番手からインに切り込み、最内を鋭く伸びて1着、2日目ローズカップも7番手から捲り上げて3着、準決も目標の平原康多が不発で7番手と連日苦しい展開に追い込まれながらも諦めず踏み込んで2着に入り決勝進出を決めた。決勝は残念ながらに6着に終わったが、今大会も寬仁親王牌のときと同様の状態と強い気持ちを維持できていれば勝ち上がりが期待できるし、悲願の初タイトルも決して夢ではないだろう。
浅井康太がラストチャンスにすべてをかける
北日本がラインの力で優出を狙う
浅井康太 三重 90期
浅井康太は寬仁親王牌の準決では最終ホームで9番手の展開となったが、さすがの運行で3着に突っ込み決勝進出を果たした。しかし、決勝は最終2角から強引に仕掛けるも3角で浮かされて8着に沈み賞金枠でのグランプリ出場はなくなった。それでも浅井は昨年の競輪祭の覇者であり、ラストチャンスにすべてをかけて9年連続のグランプリ出場を目指してくる。寬仁親王牌では優出ならなかったが柴崎淳が引き続き調子がいいし、竹内優作も復調気配で中部はライン的にも他地区に決して引けをとっておらず、今大会も浅井が優勝候補の一角であることはまちがいない。
小松崎大地 福島 99期
寬仁親王牌では北日本からの優出は小松崎大地ひとりだった。渡邉一成が千葉記念から中1日の強行スケジュールでの出場や、北日本の大砲・新山響平が二次予選Bで早々と敗退したのが大きな誤算だった。それでも準決10Rでは佐藤博紀が三谷竜生、郡司浩平らを相手に大逃げを打ち、小松崎が番手捲りで1着とラインの大切さを改めて知らしめた。昨年の競輪祭では小松崎大地、新山響平、菅田壱道が準決まで勝ち上がり菅田が優出を果たしている。今年もエースの新田祐大は不在だが、ラインの力で北日本からの決勝進出が期待できるだろう。
郡司浩平 神奈川 99期
南関東も寬仁親王牌での決勝進出は和田健太郎ひとりだったが、準決にはエースの郡司浩平を始め5人が勝ち上がっており予選での健闘が光っていた。準決11Rは清水裕友に捲られたが渡邉雄太の果敢な逃げに乗った和田が2着と、やはり動ける選手が多い南関東は侮れない存在だ。準決10Rの郡司浩平は捲り不発に終わったが、三谷竜生が1番車、郡司が9番車で、スタートの位置取り合戦で三谷にうまく捌かれたのが敗因のひとつ、初日特選予選では根田空史の逃げに乗って2着と調子は決して悪くない。今大会も南関東は郡司を中心に強い結束力を発揮して勝ち上がっていくだろう。
思い出のレース
2015年 第57回大会 武田豊樹
武田豊樹が平原康多の捲りを差して優勝
単騎の渡邉一成が前受け、竹内雄作ー浅井康太の中部コンビが続き、中団の平原康多ー武田豊樹の関東コンビを池田憲昭が追走、村上義弘ー村上博幸ー稲川翔の近畿トリオが後攻めで周回を重ねる。青板バックから上昇した村上が竹内に並びかけると、竹内は8番手まで引き、近畿トリオが2番手に入る。引いた竹内は赤板1角から仕掛けて前団を叩きにいくが、2角から村上も合わせてペースを上げ竹内相手に突っ張り先行に出る。竹内は出切れずに最終ホームで後退、浅井は竹内との連係が外れていったんは近畿トリオの後ろに入るが、すかさず平原が浅井の内をすくって上昇、稲川翔もどかして3番手に入り込む。最終1角で稲川がすくい返してくるが、外に浮いた平原はそのまま2角からスパートして3角で村上を捲り切ってしまう。武田が平原をぴったり追走、後続は千切れて関東コンビの一騎打ちとなり、ゴール前で武田が差して優勝、2着平原、3着に池田が流れ込む。
ゴール
表彰
バンクの特徴
カントがきつめの高速バンクで捲りが優勢
先行もうまく仕掛ければ十分に粘り込める
グリーンドーム前橋に次ぐ2番目のドーム競輪場として1998年に誕生した小倉バンクはカントがきつめの高速バンクだ。走路にはややガタがあるが、軽くて無風なのでスピードのある自力選手に向いており、GI戦ではやはり捲りが優勢だ。
昨年の決まり手を見てみると、全60レース(ガールズグランプリトライアルレースを除く)のうち1着は逃げが5回、捲りが25回、差しが30回、2着は同着が1回あり逃げが15回、捲りが13回、差しが15回、マークが18回となっている。
捲りは後方の7、8番手からの仕掛けでもよく決まっており、先手ラインの選手が1着になったのは全体の3分の1の19回しかなかった。
それでも、3日目には男子8個レースのうち4Rで中川誠一郎、5Rで新山響平、8Rで脇本雄太が見事に逃げ切っている。6日目には12個レースのうち逃げ粘りの2着が5回出ている。同時開催のガールズグランプリトライアルレースでも山原さくらが予選を逃げ切りの2連勝で勝ち上がっており、先行もうまく仕掛ければ上位に粘り込める。
先行は打鐘前から早めに仕掛け、赤板3角で前団を叩いて先頭に立ち、最終ホームを一本棒の状態に持ち込んで通過するのが理想のタイミングだ。それより早いと別線に叩き返されるし、それより遅いとうまくペースを掴めずに最終2角発進の選手にあっさり捲られてしまう。
直線は中バンクの外寄りに伸びるコースがあるので、番手が悪くても足をためての大外一気も十分に可能だ。初日5Rでは最終4角6番手の郡司浩平が直線でイエローラインの内寄りの一番の伸びるコースを突き抜けて1着になっている。
直線では意外と番手の選手が伸びきれず、3、4番手に付けていた選手が先着するケースも多く、昨記念の決勝では脇本雄太ー柴崎淳の3番手にいた浅井康太が直線伸びて優勝している。
周長は400m、最大カントは34度01分48秒、見なし直線距離は56.9m。前橋に次ぐ2番目のドーム競輪場として誕生した小倉は「走りやすさ」をテーマに、当時50場あった全国の競輪場のデータから最もよい組み合わせを割り出して設計された。高速バンクで自力選手が有利だが、直線はよく伸びるので追い込み選手にも不利はない。最も伸びるのは中バンクの外寄りだが、中割りやインを突いての強襲もよく見られる。
小倉バンク
ガールズグランプリトライアル展望
昨年新設された「ガールズグランプリトライアルレース」が今年も男子の競輪祭と同時開催で小倉バンクを舞台に実施される。28名の出場選手がA、Bの2グルーブに分けられ、各グルーブの優勝者2名にガールズグランプリ2019の出場権が与えられる。と同時に3日間のレース終了後の獲得賞金額で残り5名のガールズグラプリ出場選手が決定するので、昨年同様に予選から熾烈な戦いが繰り広げられるだろう。
ガールズグループA
小林優香 福岡 106期
グループAの中心は小林優香だ。小林はいよいよ来年に迫った東京五輪を目標に自転車競技に比重を置いているためガールズケイリンでの出走が少なく、ガールズグランプリに出場するためにはここで優勝するのが絶対条件で、4年ぶりの出場と2度目のガールズグランプリ優勝を目指して必勝態勢で臨んでくる。8月のガールズドリームレースは仕掛け遅れて3着に敗れているが、3月のコレクション大垣ステージは児玉碧衣との捲り合戦を制して優勝とその強さは別格で、小倉の高速バンクで世界レペルのスピードを見せつけてくれるだろう。
石井貴子 千葉 106期
石井貴子は7月のガールズケイリンフェスティバル決勝では先行した梅川風子を追走、捲ってきた児玉碧衣を牽制してから直線鋭く抜け出して4度目のビッグレース優勝を飾った。8月のガールズドリームレースは初手から小林優香を追走するも捲り不発の小林と共倒れで4着に終わっているが、その後は8月の函館、9月の松戸、青森と3場所連続優勝しており引き続き調子はいい。7月の小倉では完全優勝とバンクとの相性もよく、今回も持ち味の勝負強さを発揮して優勝を狙ってくる。
石井寬子 東京 104期
石井寬子は3月のコレクション大垣ステージが3着、5月のコレクション松戸ステージが4着、7月のガールズケイリンフェスティバルが優出に失敗と今年前半は低調だったが、8月・名古屋のガールズドリームレースでは児玉碧衣追走から児玉の逃げを差し切って優勝している。児玉の個人上がりタイムが11秒7、石井の上がりタイムが11秒6と男子顔負けの好タイムでさすがの底力を見せつけた。獲得賞金額でガールズグランプリ出場はほぼ確定しているが、今回も小倉の高速バンクで石井ならではの鋭い差し脚を発揮してくれるだろう。
長澤 彩 愛知 106期
長澤彩は8月のアルテミス賞レースでは最終4角4番手から大外を強襲し、アルテミス賞連覇とともに3度目のビッグレース優勝を飾った。7月のガールズケイリンフェスティバルでは決勝は4着に終わったが、予選1では児玉碧衣の捲りを追走、ゴール前で鋭く伸び2着に1車身半の差をつけて完勝と強さを見せつけた。9月の前橋では3連勝で今年4回目の優勝と近況の調子もよく、対戦相手が強ければ強いほど燃えるタイプなので今回も十分に一発がありそうで、3年ぶり2度目のガールズグラプリ出場を目指して好走してくれるだろう。
ガールズグループB
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は昨年のガールズグランプリトライアルを優勝、本番のガールズグランプリでも初優勝を飾り新女王の座に就いた。しかし、3月のコレクション大垣ステージは小林優香の捲りに屈して2着、5月のコレクション松戸ステージは優勝したが7月のガールズケイリンフェスティバル決勝は捲り届かずの2着、8月のガールズドリームレースも逃げて2着と惜敗が続いている。獲得賞金額でガールズグランプリの出場はほぼ確定しているが、女王の威光を取り戻し、ガールズグランプリ連覇を狙うためにも今回は必勝を期してくるだろう。
梅川風子 東京 112期
梅川風子は昨年のガールズグランプリトライアルで石井寬子、石井貴子、山原さくらの強豪を破って優勝、ガールズグランプリ初出場を決めた。ガールズグランプリでは仕掛けきれずに5着に終わったが、3月のコレクション大垣ステージでは結果は7着も主導権を取りきってしっかり見せ場をつくっている。7月のガールズケイリンフェスティバルでも2年連続で決勝進出を果たし、再び主導権を取りきって3着と着実に進化を遂げている。今回も相性抜群の小倉バンクで風子の名前の如くさっそうと風を切ってくれるだろう。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は昨年のガールズグランプリトライアルでは予選1が逃げ切り、予選2が逃げ粘りの2着、決勝も捲りで2着と健闘してその名を全国にとどろかせた。だが、今年はビッグレースに3度出場しているが、5月コレクション松戸ステージが7着、8月のアルテミス賞レースが5着、7月のガールズケイリンフェスティバルでは優出ならずと本来の力を出しきれずに悔しい思いをしている。それでも今年は10月までの優勝が16回と好調で、今回こそは昨年同様の積極的な仕掛けを心がけて再び輝きを取り戻してくれるだろう。
吉岡詩織 広島 116期
今回のガールズグランプリトライアルで波乱の目になりそうなのが116期からただ1人選ばれた吉岡詩織だ。昨年の大会ではデビューから半年にも満たない114期の佐藤水菜が準優勝と健闘しており、今年も吉岡が無欲の積極策で大活躍してくれそうだ。吉岡は元自衛官という異色の経歴の持ち主だが、デビュー戦の7月・和歌山では3日間の逃げ切りで初優勝を完全優勝で飾っている。8月の川崎も予選1、2は捲りだったが決勝は逃げ切りで完全優勝しており、今回トップクラスの選手たちを相手にどんな走りをしてくれるか注目してみたい。