第63回オールスター競輪(GI)直前展望
新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか収まりませんね。
皆さまくれぐれもご自愛ください。
みんなで頑張ってこの危機を乗り越えましょう!
しかし緊迫した気持ちをどこかで休めなくては気持ちが持ちません。
今回のオールスター競輪を楽しんで緊迫した気持ちを静めて元気に行きましょう!
注目選手ピックアップ!
脇本雄太 福井 94期
現在競輪最強選手の称号を送りたいほど強いのが脇本雄太でしょう。サマーナイトフェスティバルはナショナルの練習を直前までこなし、調整なしで出場し優勝はできませんでしたが、高松宮記念杯競輪を完全優勝し、福井記念の完全優勝と競輪界トップの実力を持つ脇本が、今回は調整して乗り込んできます。名古屋バンクに旋風を巻き起こすことは間違いないでしょう。
新田祐大 福島 90期
今年に入り、優勝がない新田だが、ここはしっかり優勝を狙ってくる。脇本も同じだが東京オリンピックが1年延び本来ならオリンピックの結果が出ての出場になったはずだが、来年に向けての準備期間になってしまった。そのうっぷんをここで晴らしておきたいでしょう。また今年の後半にはトレーニングで競輪の出場が望めないので是が非でもここの優勝は決めておきたいと思います。鮮烈なレースを観たいですね。
清水裕友 山口 105期
ここのところ松浦悠士とのコンビネーションでオリンピック組から優勝を勝ち取っている清水は、ここもタッグを組んで優勝を狙ってくるでしょう。単騎戦だとどうしてもナショナル組にはパワーで負ける清水ですが、ライン戦の良さを生かして勝利を狙うでしょう。松浦と同乗すればその力は倍増しナショナル組には負けない合体技が非常に面白いと思います。
平原康多 埼玉 87期
ここ最近関東地区に強力な先行選手が出現しない中、平原が唯一と言っていいほど、頑張っています。特にレーステクニック、レース勘は素晴らしく、さすがベテラン選手と思います。今回のオールスター競輪でも遺憾なく発揮されるでしょう。
ガールズドリームレース
児玉碧衣 福岡 108期
ガールズケイリンフェスティバル決勝では、まさかのスタートをとる展開となり、あれ?と思っている間に展開が悪くなって負けてしまった。本人もスタートをとる展開は想定していなく、今後はそのパターンも想定して練習してくると言っていたので今回は同じ展開になっても戦えるでしょう。
高木真備 東京 106期
いま本当に強いのが高木です。今回のガールズドリームレースでもその脚を見せてくれるはず。ガールズケイリンフェスティバル時は先行するよりも捲り追い込みが主戦法で完全優勝をしているので、今回も捲り追い込みで勝利を狙ってくるのではないかと思います。その強さを見せてほしいですね。
小林優香 福岡 106期
ガールズケイリンフェスティバルでは無調整で出場し、優勝は厳しかった小林だが、今回はしっかり調整できていれば良い戦いができると思います。この辺りはナショナルチームの方針なので当日の情報をしっかり見ておきたいですね。
アルテミス賞レース
梅川風子 東京 112期
ナショナルBチームに入ってパワーアップを図る梅川はアルテミス賞のメインとなるでしょう。先行、捲りとどちらでも使える強さは他を圧倒できるのではないかと思います。そのパワーを今回のレースで思いっきり見せてほしいですね。
第63回オールスター競輪(GI)展望
第63回オールスター競輪が昨年に続いて名古屋競輪場で開催される。先の高松宮記念杯で完全優勝を成し遂げた脇本雄太が断然の中心だが、名古屋で開催された16年の高松宮記念杯と昨年のオールスターを優勝とバンクとの相性が抜群の新田祐大もスピード勝負なら負けておらず、同じくナショナルチームで鍛え上げてきた深谷知広が引っ張る地元・中部勢の巻き返しにも大きな期待がかかる。
ドリームレース 脇本雄太が驚異の逃走劇を披露する
オールスター競輪はファン投票によって出場選手が決定されるのが特徴で、ファン投票第1位から第9位までのベストナインが初日のドリームレースに出場、そこで5着までに入った5名が3日目のシャイニングスター賞と4日目の準決へ無条件で進出できる権利を獲得できる。今年のドリームレースは北日本、中部、中国が2名ずつ、関東、南関東、近畿が1名ずつの組み合わせとなったが、やはり単騎となっても脇本雄太が断然の本命で、レース巧者の平原康多や中国コンビが脇本封じにどんな作戦を練ってくるかが見どころになるだろう。
脇本雄太 福井 94期
ファン投票第1位は2年連続の脇本雄太だ。6月の高松宮記念杯では初日の特別選抜予選こそは捲りだったが、残り3走は逃げ切りで完全優勝と圧勝しており、世界で戦うトップアスリートの底知れぬパワーをまざまざと見せつけた。昨年のオールスターでは優出を逃しているが、今の脇本ならばたとえ単騎戦となっても、打鐘から自分のタイミングで仕掛けていけばライバルたちの反撃を許さずに逃げ切ってしまうだろう。
平原康多 埼玉 87期
ファン投票第2位は平原康多だ、平原は17年2月の全日本選抜以降はGI優勝から遠ざかっているが、輪界随一のオールラウンダーの人気は不変だ。高松宮記念杯決勝ではさすがの立ち回りで3番手を確保するも、5月の落車の影響があったのかそこから仕掛け切れずに6着と決して本調子ではなかったが、今大会までにしっかり立て直しを図り、全国のファンが期待する平原らしい走りで今度こその打倒脇本を狙ってくるだろう。
松浦悠士 広島 98期
ファン投票第3位は松浦悠士だ。昨年11月の競輪祭でタイトルホルダーの仲間入りを果たした松浦は昨年の第15位から大きくジャンプアップした。第6位の清水裕友とともに今年前半の競輪界を席巻してきた中国ゴールデンコンビにとって今回は真価を問われる大会となるだろう。高松宮記念杯では清水が優出を逃したが、決勝では松浦が捲りで3着と肉迫しており、今回も強い絆で結ばれた中国コンビの逆転が十分に期待できる。
新田祐大 福島 90期
ファン投票第4位は新田祐大だ。高松宮記念杯決勝では捲り不発の8着に敗れたが、脇本雄太とスピード勝負で互角に戦えるのは新田しかいない。新田は16年に名古屋で開催された高松宮記念杯を優勝、昨年のオールスターも優勝と名古屋バンクとの相性は抜群だ。第7位の佐藤慎太郎も昨年のオールスターでは新田との連係から準優勝、グランプリでは脇本を下して優勝しており、北日本コンビが再び強さを見せつける。
郡司浩平 神奈川 99期
ファン投票第5位は郡司浩平だ。郡司は今タイトルに最も近い男のひとりであり、今年は初のS級S班入りを果たし、ファン投票でも昨年の14位からランクアップした。高松宮記念杯では準決で敗れたが、初日と最終日で2勝を挙げ、次場所の取手記念では初日こそは9着だったが、残り3走は3連勝で今年2度目の記念優勝と引き続き好調だ。今年最大の目標である地元・平塚でのグランプリ出場に向けて今大会も突っ走る。
深谷知広 愛知 96期
ファン投票第8位は深谷知広、第9位は浅井康太だ。深谷は昨年7位、浅井は昨年4位とランクダウンしたが、地元ファンの深谷に寄せる期待は大きい。昨年のドリームレースでは先行態勢に入った脇本雄太を叩いて主導権を奪い返すが、浅井康太が離れたために脇本に番手に入られて8着と敗れている。もちろん今年も深谷は脇本相手に主導権争いを挑んでいくだろうし、浅井がしっかりガードしていけば中部ワンツーも十分だ。
オリオン賞レース 山崎賢人を目標に中川誠一郎が一発を狙う
ファン投票で第10位から第18位までの9名が2日目のオリオン賞に出場するが、そこで3着までに入れば3日目のシャイニングスター賞と4日目の準決へ無条件で進出できる権利を獲得できる。今年のオリオン賞は北日本が1名、関東が2名、近畿が3名、四国が1名、九州が2名の組み合わせだ。
中川誠一郎 熊本 85期
ファン投票第10位は中川誠一郎で、昨年の11位からワンランクアップだ。中川は成績が安定しないが、6月の久留米記念の二次予選Aでは上がりタイム11秒0の捲りで1着、準決も捲って2着で個人上がりタイムが10秒8と調子は上向きだ。第18位の山崎賢人との連係で、山崎がいつもどおりの早駆けならチャンスはある。中川は昨年のオールスターでは7、2、2着の勝ち上がりで決勝進出しており名古屋バンクとの相性もいい。
村上博幸 京都 86期
ファン投票第11位は村上博幸、第12位が村上義弘、第17位が三谷竜生で、三谷-村上博-村上義の並びで結束するだろう。三谷は昨年の6位から大幅ダウンとなっただけにここは意地でも見せ場をつくって存在感を示したいはずだ。3車ラインの利を活かしての位置取りか、展開次第では山崎賢人や新山響平を叩いての先行策もありそうだ。そうなれば近況も安定した走りを見せている村上博幸が抜け出しての1着が期待できるだろう。
諸橋 愛 新潟 79期
ファン投票第13位は神山雄一郎、第14位は諸橋愛の関東コンビだ。神山は相変わらずの根強い人気で昨年の20位からアップ、諸橋は近況の活躍ぶりが評価されて作年の24位からのアップだ。ここはおそらく東日本連係で第16位の新山響平に諸橋愛-神山雄一郎の並びで結束するだろう。新山は6月の高松宮記念杯では3走で主導権取りと徹底先行を貫いており、新山が逃げてくれれば諸橋がしっかりガードしてワンツーを決めてくるはずだ。
太田竜馬 徳島 109期
ファン投票第15位は太田竜馬だ。昨年のオリオン賞では太田竜馬-原田源太郎-松浦悠士の中四国ラインで連係、太田が新山響平を叩いて主導権を奪い中四国で上位を独占しているが、今年は単騎戦になりそうなのでここは捲り狙いか。太田は高松宮記念杯では一次予選敗退となったが、3日目一般では7番手からの捲りで渡部哲男とワンツーを決め上がりタイムが10秒9、次場所の小松島記念決勝も原田研太朗とワンツーと調子はいい。
特別選抜予選レース 好目標を得た和田健太郎が優勢
2日目の特別選抜予選1個レースでは1着を取った1名だけが3日目のシャイニングスター賞と4日目の準決へ無条件で進出できる権利を獲得できる。南関東と四国が2名ずつ、北日本、関東、中部、近畿、九州が1名ずつの組み合わせだが、松井宏祐という絶好の目標を得た和田健太郎を中心に推す。もちろん原田研太朗や山田英明の大捲りも十分で、1着権利と厳しい勝ち上がりだけにオールラウンダーの古性優作がどんな立ち回りを見せるかにも注目したい。
和田健太郎 千葉 87期
和田健太郎は昨年10月の寛仁親王牌から11月の競輪祭、今年2月の全日本選抜、3月のウィナーズカップ、6月の高松宮記念杯と連続で決勝進出と絶好調だ。高松宮記念杯決勝では松浦悠士の捲りに乗り直線伸びて準優勝と悲願のタイトル奪取まであと一歩のところまで近づいていると言っていい。今回は徹底先行で売出し中の松井宏祐という絶好の目標がいるだけに、松井の番手から直線抜け出して1着をもぎとってくるだろう。
原田研太朗 徳島 98期
原田研太朗は高松宮記念杯では二次予選で敗れたが、3日目特選では清水裕友の捲りに乗って勝ち星を挙げている。次場所の小松島記念では準決は3着だったが、残り3走はオール1着で地元記念初優勝と調子はいい。近況は中四国の機動力型を目標の追い込みのレースが多くなっているが、3月のウィナーズカップの準決では9番手からの大捲りで1着決勝進出と捲り脚は健在で、今回も得意の大捲りを炸裂させてくる。
バンクの特徴
タイムの出やすい高速バンク
名古屋は走りやすさとスピードの出やすさを求めて設計されたバンクで、選手間でも日本一走りやすいとの声が多い。カントは34度とややきつめだが、コーナーが流れるので自力選手にも追い込み選手にも走りやすく、どんな戦法の選手でも存分に力を発揮できる高速バンクだ。
昨年8月に開催されたオールスターの決まり手を見てみると、全54レース(ガールズ2個レースを除く)のうち1着は逃げが2回、捲りが21回、差しが31回、2着は逃げが7回、捲りが11回、差しが22回、マークが14回となっている。
16年6月に開催された高松宮記念杯では1着は捲りのほうが優勢だったが、昨年のオールスターでは差しが圧倒的に優勢だった。とにかく名古屋バンクはタイムの出やすい高速バンクのため、レースは常にハイピッチで、自力選手は叩いて、叩いて、叩いての消耗戦を強いられるのでゴール前では失速しやすい。
昨年のオールスターの4日目の準決3個レースを見てみると、10Rは新田祐大が7番手から捲っての1着で上がりタイムは11秒0、11Rは平原康多が4番手から捲っての1着でタイムは10秒8、12Rは脇本雄太が8番手からの捲りで不発と波乱となり、逃げた新山響平の番手から抜け出した渡邉一成を郡司浩平が追い込んでの1着でタイムは10秒9だ。
このタイムでは先行選手が逃げ粘るのは至難の技だ。16年の高松宮記念杯では全47レースのうち逃げ切りが9回と先行選手がかなり健闘していたが、昨年のオールスターでは逃げ切りが2回だけで、先手ラインの選手が1着を取った回数も17回だけだった。
もうひとつ昨年のオールスターで注目したいのが2着の決まり手だ。差しが22回ともっとも多く、マークは14回と少なめだ。レースは終始ハイピッチで展開も目まぐるしく変わるのでマーク選手はゴール前で追走一杯になってしまい、後ろから差し交わされるケースが少なくない。高速バンクはごまかしが効かないので、もちろん展開も重要だが、脚力どおりの結果になりやすい。
周長は400m、最大カントは34度01分47秒、見なし直線距離は58.8m。直線はとくに伸びるコースはないが、タイムの出やすい高速バンクなので、前団がもつれて混戦状態になれば後方からの大外強襲が決まりやすくなり、最終4角で7、8番手にいた選手が大外一気に伸びて高配当というケースもある。そのため、差しー差しの決まり手の出現率も高い。
名古屋バンク
思い出のレース
2015年 第58回大会
新田祐大が3番手からの捲りで完勝
新田祐大-神山雄一郎、竹内雄作-大塚健一郎、桐山敬太郎-渡邉晴智-武井大介、稲垣裕之-稲川翔の並びで周回を重ねる。青板前の4コーナーから稲垣がゆっくり上昇を開始、青板2コーナーで誘導員の後ろに入るが、追った桐山が稲垣を切って先頭に立つ。さらに6番手で新田と併走していた竹内が車を外に持ち出して3コーナーから踏み上げ、赤板で桐山を押さえて先行態勢に入る。飛び付きを狙っていた桐山は踏み遅れて前との車間が空いてしまい、すかさず追い上げてきた新田が3番手に入り、その後ろに南関東トリオ、8番手に稲垣の一本棒の状態で打鐘を迎える。4コーナーから桐山が捲りにいくが、車が進まずに後退する。続いて最終2コーナーの8番手から稲垣が捲りいくが、同時に3番手から新田も発進、新田は3コーナー過ぎに竹内をとらえるとそのまま後続を千切って先頭でゴールイン、神山は新田から離れ気味となるが必死に追いかけて3車身差で2着入線、捲りで迫った稲垣が3着に入る。
表彰
決勝ゴール
ガールスケイリンコレクション2020 名古屋ステージ展望
ガールズコレクション2020名古屋ステージがオールスター競輪の開催中に名古屋競輪場で実施される。ガールズケイリン総選挙で上位に選ばれた7名が4日目9Rのガールズドリームレースに出場、8位から14位までの7名が2日目9Rのアルテミス賞レースに出場する。ドリームレースは児玉碧衣が不動の中心、アルテミス賞レースは成長著しい梅川風子が中心となるだろう。
ガールズドリームレース
児玉碧衣 福岡 108期
ファン投票第1位は児玉碧衣で4年連続の1位に輝いており、ガールズドリームレースは18年のいわき平で優勝している。児玉は年末のガールズグランプリで連覇を達成して絶対女王の座に就くと、今年は3月のコレクション福井ステージを優勝、6月の玉野まで28走して1着が27回と勝ち星を積み重ね、玉野の2日目には通算300勝を達成している。新型コロナウィルス感染症の影響で開催中止が続く中でも高いモチベーションを維持し続けているのはまさに女王の貫禄だ。もちろん今回も絶対の本命で2度目の優勝を狙ってくる。
高木真備 東京 106期
ファン投票第2位は高木真備で、高木は17年のいわき平でのガールズドリームレースで小林優香の捲りを追走、ゴール前で差し切って16年の松戸ステージに続いて連続優勝を果たしている。昨年はガールズグランプリの連続出場が途絶えてしまったが、年が明けてからは以前にも増しての積極的な走りで好成績を続けている。3月のコレクション福井ステージは7着に終わったが、今年は7月の富山までに42走して1着が37回、優勝は9回だ。7月の富山は逃げ切りの3連勝で、今回も福井ステージの反省を胸に前へ前へと積極的に仕掛けてくる。
石井寛子 東京 104期
ファン投票第3位は石井寛子だ。石井は昨年のガールズドリームレースでは児玉碧衣の逃げを追走、ゴール前で4分の1車輪差し切って優勝している。年末のグランプリでは落車に見舞われたが、今年初出走の1月の防府では完全優勝と元気な姿を見せた。今年は6月の防府まで36走して1着が28回、トップクラスとの対戦が少なかったとはいえ優勝も9回と安定した走りを見せている。6月の防府決勝は奥井迪の逃げを捲った高木真備の捲りを追って優勝しており、今回も好位を狙っての自在戦でチャンスを掴んでくる。
小林優香 福岡 106期
小林優香は14年8月のコレクション前橋ステージ(当時はまだガールズドリームレースの名称はなかった)で5番手から大外を捲り追い込んで優勝している。本来ならば東京五輪に出場予定で今回は不参加のはずだったが、もちろんワールドカップのメダリストである小林に東京五輪の1年延期によるモチベーションの低下や調整面での不安があろうはずがない。6月の松山で久しぶりにガールズケイリンを走ったが、連日後続を千切っての3連勝で優勝している。7月にはガールズケイリンフェスティバルにも出場予定でレース勘の心配もないだろう。
石井貴子 千葉 106期
石井貴子は15年8月のコレクション松戸ステージで逃げる高木真備の後ろを捌いて番手を奪取、ゴール前で差し切って地元バンクでビッグレース初優勝を飾っている。今年は3月のコレクション福井ステージでは児玉碧衣の捲りを差し切れずに2着に終わっているが、6月の松阪まで37走して1着が20回、優勝は5回ある。6月の松阪では2日目が逃げ切り、初日と決勝が捲りで3連勝と動きは軽快だ。今回も位置取り重視の走りから直線で持ち味の鋭さを発揮して5度目のビッグレース優勝を狙ってくる。
太田りゆ 埼玉 112期
太田りゆは昨年のガールズドリームレースでは前受けから突っ張り先行を敢行、児玉碧衣に捲られながらも3番手に粘り込んでいたが、斜行で落車を誘発して残念ながら失格に終わっている。太田は小林優香らとともに世界で戦い実績も残しているが、ガールズケイリンに関してはなかなか本領発揮とはいかず、今年は6月の西武園まで9走して1着は3回だ。それでも3月の久留米決勝では石井寛子の猛追を振り切っての捲りで今年初優勝を飾っている。脚力的には申し分ないものを持っているだけに、今回も展開がハマれば一発が十分にあるだろう。
長澤 彩 愛知 106期
長澤彩は18年のいわき平のアルテミス賞レースでは尾崎睦の逃げを7番手から豪快に捲って優勝、昨年のアルテミス賞レースでは梶田舞の逃げを4番手から直線で鋭く追い込んで連覇を達成、今年は晴れてガールズドリームレースへの出場となった。3月のコレクション福井ステージでは逃げる梅川風子の3番手の位置を確保するも捲ってきた児玉碧衣を対処しきれず4着に終わっているが、今年は6月の松阪まで34走して1着が21回、優勝も4回と好成績を挙げており、今回も対戦相手は強いが決して侮れない存在だ。
アルテミス賞レース
梅川風子 東京 112期
梅川風子は3月のコレクション福井ステージでは前受けから突っ張り先行を敢行、番手から尾崎睦に早めに捲られたために5着に終わったが、その積極的な走りは評価が高い。今年は6月の高知まで34走して1着が26回、優勝も8回と好成績だ。4月の玉野決勝では石井貴子、長澤彩、太田りゆを破って優勝、18年と19年にはガールズグランプリに連続出場と戦歴的にも上位で今回も梅川を中心にレースが進んでいくだろう。
梶田 舞 栃木 104期
梶田舞は昨年のアルテミス賞レースでは前受けから奥井迪の反撃に合わせて突っ張り先行に出て、主導権を取りきって2着に粘り込んでいる。今年は2月の前橋での落車の影響で波に乗り切れず、7月の弥彦まで20走して1着が5回、優勝はなしと低調だが、梶田は14年と16年のガールズグランプリを優勝している実力者であり、今回も復活を目指して昨年のアルテミス賞レース同様の果敢な走りをきっと見せてくれるだろう
大久保花梨 福岡 112期
大久保花梨はビッグレースの出場は18年と19年のガールズケイリンフェスティバルの2回だけだが、19年のフェスティバルでは2着、1着の勝ち上がりで決勝進出と健闘している。今年は6月の防府まで32走して1着は15回だが、優勝は4回と勝負強さを発揮している。3月の武雄では予選の2走では勝ち星はなかったが、決勝では内村舞織の逃げを追走、梅川風子の反撃に合わせて番手から発進し梅川との捲り合戦を制して優勝している。
石井貴子 東京 104期
石井貴子は17年、18年、19年と3年連続でアルテミス賞レースに出場している。結果は7着、7着、6着と着はよくないが、17年は姉の石井寛子の前で先行して姉の優勝に貢献、18年は主導権が取れなかったが太田りゆ、尾崎睦と先行争いを演じている。昨年は終始内に詰まった苦しい展開で見せ場をつくれずに終わったが、今回は昨年の二の舞にならないように再び積極的な走りで主導権取りを狙いにくるだろう。
奥井 迪 東京 106期
奥井迪は昨年のアルテミス賞レースでは梶田舞と先行争いを演じ、結果は4着で主導権を奪えなかったが、二の脚、三の脚でゴール前まで踏ん張り続ける気迫溢れる走りを見せた。今年は7月の宇都宮まで33走して1着が14回、優勝は3回と38歳となった現在も安定した成績を維持している。近況は自在な走りを多様するようになっているが、今回は昨年のリベンジとばかりに主導権取りに意欲を見せてくるにちがいない。
鈴木奈央 静岡 110期
鈴木奈央は17年と18年のガールズケイリンフェスティバルに出場しており、今回が3度目のビッグレース出場だ。今年は6月の伊東温泉まで18走して1着が4回と数字的にはやや物足りない。しかし、5月の小倉では予選の2走は捲りの2連勝だったが、決勝では長澤彩、大久保花梨らを相手に先行勝負に出て、後続のもつれを尻目に堂々と逃げ切って完全優勝とまだまだ伸びしろがあることを証明しており、今回も活躍が期待できる。
小林莉子 東京 102期
小林莉子は昨年まで3年連続でアルテミス賞レースに出場しているが、17年は2着、18年は3着、19年は7着と尻すぼみの印象だ。それでも今年は7月の宇都宮まで36走して1着が20回、優勝も5回あり、ガールズ1期性の小林の強さはまだまだ健在だ。次々と台頭してくる後輩たちに押し返されることなく好勝負を演じ続けており、今回も持ち味の強気の走りと1期生の意地を発揮して活路を見出してくるだろう。