2021年前半を振り返って見た。競輪界の重鎮・中野浩一氏に聞く!
2021年もあっという間に半年を過ぎて後半戦に突入しています。
そこでレジェンド・中野氏が前半を見て、良かった選手、良かったレースについて聞いてみました。
また東京オリンピックも終了し、フルメンバーとなる競輪界はどうなるか?にも触れてみました。
─ 中野さんが今年に入って評価している選手をまずはお願いします。
松浦悠士 広島 98期
「松浦悠士が良いね。打鐘からでも先行できるし、追い込みでも行ける。外並走でも行けるし、内で多少競っても大丈夫。結局オールラウンドに戦えるから良い。当然、清水裕友の存在も大きいけれど、今の松浦は一番安定しているから評価は高いね。小松島記念の二次予選は別として、その後もしっかり走って1着を取っているから良いと思うね。
古性優作 大阪 100期
古性優作も良いよね。ちゃんと練習が出来ているのが好調の原因だと思うね。選手は練習ができないと好調ではなくなるから。特にあっせんが詰まって練習できなくなると少し下り坂になるけど、その部分で良かったのではと思うよ。
守澤太志 秋田 96期
守澤太志がSSになって、SSらしい選手になってきたよね。地位が選手を育てるね。
郡司浩平 神奈川 99期
郡司浩平も評価良かったけれど、サマーナイトの準決勝でちょっと評価を落としたかな。やはりしっかり勝ちにいかないとね。理由は分かるけど負けてはダメだよね。
町田太我 広島 117期
若手だと、町田太我と山口拳矢だね。町田の先行力は評価したい。本人も相当自信を持っているよね。今後、松浦、清水の前で走るようになるだろうから、更に中国地区が面白くなるね。そのうち後ろに付いた松浦や清水が抜けなくなる時があるんじゃないかな。自分が吉岡稔真(65期引退)の後ろで抜けなかった時があったように(笑)」
─ 2021年前半で一番良かったと思えるレースはありますか?
野口裕史 千葉 111期
「レースはずっと観ているけれど、どうかな…。サマーナイトフェスティバル初日の7レースは面白かったね。先行選手ばかりで、フレッシュだったよね。いったいどうなるんだろうって思えたよね。またお客様にとっても目新しくて良かったのではないかと思うね。あのメンバーの中で単騎で先行できた野口裕史は良いよね。あのレースでは成績はダメだったけど、行ける度胸が良いね。他の若手もあの度胸が欲しいね」
─ 2021年後半を見るとどのように予想しますか。
「新田祐大、脇本雄太のオリンピック組が戻ってくるので、レースの流れが変ってくるのではないかと思うね。また太田竜馬が良くなってきているから、更に中四国勢に勢いが出てくると思うし。松浦、清水がしっかりしてるから一緒に走れる小倉竜二や中四国の追い込み選手達に勢いが出てくるだろうね」
太田竜馬 徳島 109期
小倉竜二 徳島 77期
─ ガールスケイリンはどのように見ていますか?
「全体的にレベルが上がってるけど、佐藤水菜や太田りゆ等のナショナルで鍛えられてトップスピードがある選手がレースに入ってくるとトップレベルの選手でも少ししんどくなってくるのかな。ガールズケイリンフェスティバルの決勝を見て、スピードのある選手が入ってくると、少し分かれてゴールしていたのが気になったね。後半は小林優香も戻ってくるし、更にスピードが上がってくると見ています。獲得賞金ランキングを見ているけど坂口楓華、尾方真生が上にいるね。児玉碧衣がガールズケイリンフェスティバルで良くなかったけど、風が良くなかったと本人が言っていたけどね。成績が戻ってくると面白くなるよね」
佐藤水菜 神奈川 114期
太田りゆ 埼玉 112期