月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
脇本雄太の勢いが止まらない。
何も国内の競輪に限っての話ではない。
自転車競技の国際レースであるロシア・トゥーラGP2019でさっそくケイリン&スプリントの二冠を達成したのとニュースが報じられた。
脇本(ワッキー)と言えばつい先日の日本選手権競輪でも他を寄せ付けない強さで完全優勝(オール1着)を果たしたばかりである。
展開不問の豪脚でライバルのトップレーサー達、そしてマークする仲間選手すら置き去りにする姿に筆者は
『残酷かつ無慈悲』
とすら感じてしまった。
筆者の現役生活20年を振り返ってみても当然初めて芽生えた思考であり、ワッキーが今まで誰も踏み入れた事のない領域に到達し、唯一無二のレーサーに近づいているという証明だろう。
そのワッキー、最近見せる暴力的なレースっぷりとは裏腹に実はゲームオタクと言う意外な一面を持つ。
筆者がなぜそんな事が言い切れるのか……
なぜなら筆者とワッキーは同じ猟団、正式にはワッキーは僕が立ち上げたモンスターハンター(カプコン制作の狩猟ゲーム)のチームに所属していたのです。
チームの名前は『加藤興業』。
その時のことを少しお話します。
時は数年前、我々はモンハンにドハマりしていました。
オンラインで集合し、モンスターの狩猟を続けていました。
脇本雄太
平原康多
石丸寛之さん
etc……
今思うとそうそうたるメンツが加藤興業に所属していましたね。
狩りに夢中になると夜中になることもしばしば。
睡魔が限界を迎えた人間からゲームを終了していくのですが、その中でもワッキーは絶対に最後の一人になるまで狩りを続けていましたね。
加藤興業の鍵閉め(最後に鍵をかける作業)要員的なポジションでした。
今思うとそんな所にワッキーの
「どんなことでもやるなら徹底的にやる」
と言う性格が当時から出ていたのかな。
使用する武器はハンマー1本。
これはブレない。
モンハンは十数種類の武器があり、狩猟するモンスターによって武器種を変えるのがセオリーなのですがワッキーはどのようなシュチエーションでもハンマーだけ担いで戦場に出ていました。
そのハンマーと言う武器、威力は最高クラスなのですがなんせ重たくて動きがメチャクチャ遅くなってしまう。
使いづらい武器の代表格と言っても過言ではないのですがワッキーはとにかく攻撃力命。
誰よりも早く最前線に出てモンスターと一番近い所でガシガシ戦っていましたね。
ちなみに平原は太刀、
石丸さんは大剣、
筆者はボウガンと弓を好んで使っていました。
このそれぞれ好きな武器種も非常に面白い。
競輪のスタイルと一緒なんです。
ワッキー
ハンマー=攻撃力最強、当たればほぼKO、しかしモンスターに一番近づかなくてはならない、そして動きが遅くなってしまい防御力は反対に最弱

平原
太刀=リーチも長く攻撃威力も上々、素早い動きにも対応できて攻め守りとも対応しやすくどんな状況でも活躍が出来る

石丸さん
大剣=攻撃力はハンマーに次ぐ威力、これも重たいため防御が苦手だが一発を秘める

シンペー
ボウガン、弓=遠距離攻撃、一発の威力が弱くサポート向き、敵の攻撃を受けるリスクが少ないので性格がビビリの人間にピッタリ
でしょ?
競走スタイルそのまんまなんです。笑
現にワッキーがハンマーを振り回すたびモンスターの屍が重ねられていきました。
そして長期間にわたり、加藤興業の絶対的エースとして君臨したのは言うまでもありません。
今思うと、ワッキーはその徹底した狩猟スタイルが現在の競輪競走に結びついたんじゃないかな。
来たる2020年、東京オリンピックへのカウントダウンがすでに始まっている。
彼の視界にははっきりと表彰台のド真ん中に自分が立っている姿を捉えているのであろう。
そしてその姿は我々にも容易に想像出来る。
オリンピック前に加藤興業メンバー集めて『脇本雄太金メダル祈願壮行モンハン配信』をしたいなぁ…
全国のファンに見てもらいながらね。笑
ワッキーなら金メダルもハントするでしょ!