月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
年が明け2か月半
早くもグランプリ2020への出場者が一人決まった。
豊橋競輪場で行われた全日本選抜競輪(GI)にて清水裕友(山口・105期)選手が盟友松浦悠士(広島・98期)選手の先行に乗り自身初のGI制覇となる優勝を遂げた。
昨年まで二年連続となるグランプリ出場を果たしていた清水選手であったがGI勝利とは今までは無縁。
「いつかは獲る」
とは言われていたがこれほどあっさりキメる所が彼のスター性か……
こういう場合は「5年連続GPには出場してるがなぜかGIが獲れない」
なんてエピソードが付きまとったりするものだが彼の成長がそれを許さないのだろう。
そしてその決勝戦、
清水選手の前を走った松浦選手の強さにも触れないわけにいかない。
連日の先行捲くりは対戦相手にとって脅威だった。
少し流せばカマシが飛んでくる
捲くりに構えれば1周半くらい悠々と逃げ切られる
内に閉じ込めようとすれば強烈な捌き(さばき)が待っている
これには対戦相手もお手上げだ。
それは清水選手にも言える。
結果、
現代競輪にもっともフィットした選手がなんと中国地方に揃ってしまっているのだ。
現に前回のGI、競輪祭(2019年)決勝戦では清水ー松浦と今回とは逆の並びで松浦選手が優勝している。
そして今回は清水選手。
ぞくに言う
「たらい回しモード」に入ったのだ。
ちなみに筆者、
清水選手、松浦選手共に年末にトークショーをさせてもらったのだが清水選手は
「ランボルギーニを注文したんです!納車が楽しみで待ちきれませんよ!」と語り
松浦選手は「ここでは書けない豪快散財伝説」を語ってくれました
と、両者ともどこにでもいるような青年達だ。
……………………………
どこがだよ!!!
その破天荒な2人がラインを形成するのだから他地区のライバル選手達は相当なライン総合力と浮世離れした豪快さと覚悟が必要だ。
東京オリンピックが終われば脇本、新田、深谷などのナショナルチーム勢も国内競輪に本格復帰する。
モンスター級の脚力であることは間違いない。
後半戦一気に勢力図が変わる可能性も秘めた2020年の競輪界、
今現在しのぎを削る国内勢のトップレーサー達は正直7月のサマーナイトフェスティバルまでにある程度の目途を付けておきたいのが本音だろう。
筆者は引退し解説者の身だ。
そのカオス(混沌)な状況をニヤニヤしながら楽しみたいと思う。